IUCNの種の保存委員会に陸生等脚グループが新設
国際自然保護連合IUCNが絶滅危惧種のレッドリストの作成をしているわけだが、
作成に関わる種の保存委員会SSCに陸生等脚類の委員会(Woodlouse Specialist Group)が新設された。
De Smedt P, Bichuette ME, Robla J, et al. A new chapter for soil biodiversity: launch of the IUCN Species Survival Commission Woodlouse Specialist Group. Oryx. 2025 59:547-548.
IUCNのレッドリストにのるダンゴムシを見ると、大半がヨーロッパの種で、アジアの種は全然ない。
学名がある種の多くは温帯に生息していて(Hartebrodt博論)、
アジアで絶滅の危機に瀕するダンゴムシがいないとは思えないので、
評価する人がいるいないの影響が大きそう。
日本でも等脚の保全活動はほとんど存在しないし(ムロミスナウミナナフシぐらい?)、そもそも環境アセスとかでも等脚が注視されることもないので、
軽視された存在であることは間違いない。そもそも分布や個体数の変動なども調べられていない種がほとんどで、
危機的か正確に評価できている日本産の種はないと言える状態だと思う。
陸生等脚目への脅威として、人為的な開発の影響や侵略的外来種の侵入が大きいが、
過剰な採集や外来種の輸入につながるペットとしての取引も最近の懸念事項として挙げられている。
昆虫や植物のヤバい話は耳にしたことがある。
スペインのダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシの生体の売買
ペットの取引についてほとんど知らなかったので、委員会のメンバーの一人の論文を読んでみた。
「明るい世界の暗い未来」みたいなおどろおどろしいタイトルになっている。
オンラインショップでは、スペイン産の陸生等脚56種が販売されていて、
値段はスペイン固有種は広域分布種の4倍の値段がついている、
種が不明、新種の可能性がある種も複数含まれている、
SNSでしか販売されていない種も30種あり、年々増加している、と書いてある。
ペット販売について、乱獲による絶滅、侵略的外来種の侵入、生態系機能の変化が懸念点として挙げられていて、
分類や分布が把握されず、保全の取り組みが行われることもない等脚では脅威だとしている。
日本でもスペイン固有のワラジムシが販売されている。
・Porcellio bolivari
商品名:ユウレイオオワラジムシ、ボリバリーオオワラジムシ
・Porcellio expansus
商品名:エキスパンサスフチゾリオオワラジムシ
・Porcellio magnificus
商品名:マグニフィカスオオワラジムシ
・Porcellio succinctus
Porcellio succinctusとPorcellio magnificusは採集禁止区域だけに分布するが、なぜか販売されている。
これらが何の法規制もなく売買されていることが、原産地では問題視されている。
希少な固有種に高値がつき、これによって密漁や乱獲が発生して厳しい法規制へと進むのはよくある話。
等脚でもそうなりそうな気配がする。
| 固定リンク











