2026年6月10日 (水)

IUCNの種の保存委員会に陸生等脚グループが新設

国際自然保護連合IUCNが絶滅危惧種のレッドリストの作成をしているわけだが、

作成に関わる種の保存委員会SSCに陸生等脚類の委員会(Woodlouse Specialist Group)が新設された。

De Smedt P, Bichuette ME, Robla J, et al. A new chapter for soil biodiversity: launch of the IUCN Species Survival Commission Woodlouse Specialist Group. Oryx. 2025 59:547-548.


IUCNのレッドリストにのるダンゴムシを見ると、大半がヨーロッパの種で、アジアの種は全然ない。

学名がある種の多くは温帯に生息していて(Hartebrodt博論)、

アジアで絶滅の危機に瀕するダンゴムシがいないとは思えないので、

評価する人がいるいないの影響が大きそう。


日本でも等脚の保全活動はほとんど存在しないし(ムロミスナウミナナフシぐらい?)、そもそも環境アセスとかでも等脚が注視されることもないので、

軽視された存在であることは間違いない。そもそも分布や個体数の変動なども調べられていない種がほとんどで、

危機的か正確に評価できている日本産の種はないと言える状態だと思う。



陸生等脚目への脅威として、人為的な開発の影響や侵略的外来種の侵入が大きいが、

過剰な採集や外来種の輸入につながるペットとしての取引も最近の懸念事項として挙げられている。

昆虫や植物のヤバい話は耳にしたことがある。




スペインのダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシの生体の売買


ペットの取引についてほとんど知らなかったので、委員会のメンバーの一人の論文を読んでみた。

Robla, J., Orihuela‐Rivero, R., De Smedt, P., Matarredona, M., & Garcia, L. (2025). A colourful world with a dark future: Unregulated trade as an emerging threat for woodlice (Isopoda: Oniscidea) of Spain. Insect Conservation and Diversity, 18(2), 161-176.

スペイン産ワラジムシの流通状況をチェックしていて、

「明るい世界の暗い未来」みたいなおどろおどろしいタイトルになっている。


オンラインショップでは、スペイン産の陸生等脚56種が販売されていて、

値段はスペイン固有種は広域分布種の4倍の値段がついている、

種が不明、新種の可能性がある種も複数含まれている、

SNSでしか販売されていない種も30種あり、年々増加している、と書いてある。



ペット販売について、乱獲による絶滅、侵略的外来種の侵入、生態系機能の変化が懸念点として挙げられていて、

分類や分布が把握されず、保全の取り組みが行われることもない等脚では脅威だとしている。



日本でもスペイン固有のワラジムシが販売されている。
・Porcellio bolivari
商品名:ユウレイオオワラジムシ、ボリバリーオオワラジムシ

・Porcellio expansus
商品名:エキスパンサスフチゾリオオワラジムシ

・Porcellio magnificus
商品名:マグニフィカスオオワラジムシ

・Porcellio succinctus

Porcellio succinctusとPorcellio magnificusは採集禁止区域だけに分布するが、なぜか販売されている。

これらが何の法規制もなく売買されていることが、原産地では問題視されている。



希少な固有種に高値がつき、これによって密漁や乱獲が発生して厳しい法規制へと進むのはよくある話。

等脚でもそうなりそうな気配がする。

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2026年3月23日 (月)

ハワイにいるタマワラジムシやハマワラジムシは外来種らしい

オアフタマワラジムシAlloniscus oahuensisのことを調べていたら、

ハワイで記載されているのに、ハワイでは外来種との扱いになっていることに気づいた。

ハワイのビショップ博物館のホームページに書いてあった。

http://db.bishopmuseum.org/InvertChecklist?s=isopoda



タマワラジムシは飼育が難しいのに外来種になれるのは意外。

ハマワラジムシArmadilloniscus ellipticusとBuchnerilloも外来種となっている。

フナムシ属とヒイロワラジムシ属は固有種と外来種が両方いる。

モリワラジムシ類はBurmoniscus meeuseiだけが書かれているが、Taiti & Ferrara 1991にはB. kathmandiusとB. mauritiensisもいるとなっている。



フナムシは船に乗っているのを見たことがあるので外来種になるのはわかる。

モヨウウミナナフシ属Mesanthuraやイワホリコツブムシと同属の種が外来種になっているが、どうやってハワイに行くんだろう。

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2026年3月 4日 (水)

「水の中のダンゴムシ」を買った

最近、水の中のダンゴムシという本を買った。

http://www.yasakashobo.co.jp/books/detail.php?recordID=784

ダンゴムシの基本的なことが一通り書いてあり、

海にいるナナツバコツブムシやヒラタウミセミ、川にいるオガサワラコツブムシなどが紹介されていた。

タイトルに水の中とあるが、陸のダンゴムシについても書いてある。



今は絶滅しているオガサワラフナムシの写真もあり、これを見ているのがとてもうらやましい。

オガサワラフナムシについてはレッドリストにも掲載されずに絶滅していったので大変残念。

現地の自然観察ガイドも、昔はたくさんいたけど今は全くいなくて~みたいなことを言っていた。



1か所ミスがあり、ハチジョウコシビロダンゴムシという八丈島固有ダンゴムシがいると書いてあるが、

これはタテジマコシビロダンゴムシ種群に吸収されていて、固有種ではなくなっている。

九州や南西諸島にいるタテジマコシビロダンゴムシ種群と遺伝的にほぼ同じなので、同種なんだと思う。
Pa130487
タテジマコシビロダンゴムシ種群(Spherillo russoi (Arcangeli, 1927) species complex)

参考文献↓
Karasawa et al. 2024 Distribution pattern of Armadillidae species (Crustacea: Isopoda: Oniscidea) on the Izu Islands, Japan. Journal of Asia-Pacific Biodiversity, 17(2), 357-364.

こういうミスが気にならないぐらい良い本だった。

これを読むだけで一般人なら相当ダンゴムシに詳しくなれるのでは。




最近、ヨコエビのハンドブックも買った。

結局何もわからん。似ているようで全然ダンゴムシと違う。

読んでいて気付いたが、ネクイムシとされる写真がなんだか等脚類(Limnoria属?)に見える。まさかね…

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2025年6月 8日 (日)

ダンゴムシのガチャガチャの新商品&クレイジージャーニーのグソクムシ

ある人から教えてもらったのだが、

6月4日の虫の日にダンゴムシのガシャポンの新しいバージョンが開発中との発表がバンダイから出た。

https://gashapon.jp/blog/?p=15320

前回のガチャガチャでもかなりの完成度だったが、今回はさらに本物に近づけているらしい。

画像でもオカダンゴムシの体節構造やオスの腹肢までだいぶ寄せているのがわかる。


この生き物シリーズはダンゴムシが最初だったのか。

あれがすごく売れてたとは知らなかった。




別のある人から教えてもらったのだが、

クレイジージャーニーにグソクムシ科?がアカギンザメの胸鰭にくっついている動画が流れていた。

https://tver.jp/episodes/epgpdgtg2g

サメの血液を飲んで生活する寄生性グソクムシは珍しくないが、深海で生活している動画は初めて見た。

すごい映像なのでは。

それと、上の人が「グソクムシみたい」とつぶやいていてびっくりした。

あの動画だけ見てわかるのすごい。

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2025年4月 1日 (火)

やっぱりフナムシはダンゴムシの仲間っぽい

前にフナムシはダンゴムシやワラジムシの仲間ではないかもという研究があると書いた。

フナムシはダンゴムシの仲間ではない?

しかし昨年新しい研究が出ていて、それによるとフナムシはダンゴムシの仲間に入るという結果になっていた。

Thomas Thorpe, J. A. (2024). Phylogenomics supports a single origin of terrestriality in isopods. Proceedings B, 291(2033), 20241042.


ワラジムシ亜目は支持され、陸上進出は約3億年前に1回だけ

フナムシ下目とハマダンゴムシ下目が単系統

ヒメワラジムシ科は単系統でない

ミズムシ亜目は支持される

ミズムシ亜目の深海への進出とウオノエ亜目の寄生性への進化は複数回

タイトルはあっさりしているけど内容はかなり多い。



当たり前かもしれないが、ウオノエ科が進化した年代は硬骨魚類がすでに存在していた年代と重なっている。

ワラジムシ亜目の出現は約3億年前だが、海産等脚の亜目の出現時期もそれほど変わらない。

一方で科レベルの分岐年代になるとワラジムシ亜目は数千万年前と新しい物ばかりになっている。



ミズムシ亜目やキクイムシ亜目の進化の考察を色々しているけど、

データ不足な所があり今後に期待な感じ。





ブログの更新をさぼりすぎである

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2024年11月29日 (金)

オアフタマワラジムシの分布

海岸性の陸上等脚には1種1種の分布が細かく分かれる属と1種が広く分布する属があるようで、

タマワラジムシ属の種はかなり分布が広いが、フナムシ属やヒイロワラジムシ属などは細分化されている気がする。

なぜ?


オアフタマワラジムシの分布は広い


オアフタマワラジムシ Alloniscus oahuensis Budde-Lund, 1885はハワイ諸島の海岸で新種記載されたタマワラジムシ。

和名は私が仮につけたので正式なものではない。


Santamaria CA, & Koch MR 2023. Cryptic genetic diversity in the coastal isopod Alloniscus oahuensis from the Pacific Ocean. Zoological Studies, 62.

ハワイから、バヌアツ、フィジー、ポリネシア、サモアまで広大な分布域を持つと書いてある研究があった。

しかも数千キロの範囲で遺伝的にほぼ均一らしい。

移動能力がすごい。(論文の中では外来種説も挙げていた)

太平洋には小さい島が点在していてどこでもタマワラジムシがいるらしいが、たくさんの種がいるわけではないのかも。


形態的にはオアフタマワラジムシだがフィリピンとミクロネシアには遺伝的に別種がいることも明らかにしている。

ニホンタマワラジムシとも遺伝的に異なることも書いてあった。


日本でも沖縄の海岸でリュウキュウタマワラジムシAlloniscus ryukyuensis、与那国島でマダラタマワラジムシAlloniscus maculatus、小笠原の内陸でオガサワラタマワラジムシAlloniscus boninensisが発見されている。

写真を見るとニホンタマワラジムシとオアフタマワラジムシは似ているので、

もしやオアフタマワラジムシも探せば日本にいるのでは?

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2023年10月13日 (金)

小笠原のダンゴムシ、ワラジムシ。危機的な固有種

東京都小笠原諸島の森でダンゴムシを探した。

で、全然ダンゴムシがいない。

陸上等脚目相が崩壊しているのは本当らしい。

外来種リクヒモムシの侵入が原因と言われている。

父島で探して、固有種は発見できなかったがコスモポリタン種?と外来種は見つけられた。


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コシビロダンゴムシの仲間(Venezillo parvus?)

過去にムニンコシビロダンゴムシSphaerillo boninensis Nunomura, 1990として記載され、その後V. parvusのシノニムになった。

住宅地から森の中までどこでもいた

頭がオレンジでおしゃれ


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ヒメワラジムシ科の一種

これは森の中にいた

小笠原固有のハラダニセヒメワラジムシにみえたが、目があるので違うと思う


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モリワラジムシの仲間(Burmoniscus kathmandiusかな?)

過去にオガサワラモリワラジムシSetaphora boninensis (Nunomura, 1986)という固有種として記載され、その後B. kathmandiusのシノニムになった。

なぜか森ではかなり少なく、海岸林にいる

海浜性ではないはず

足が速い


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ホソワラジムシ(外来種)

森にはおらず、道路沿いや海岸林の乾燥した場所にいた

住宅地や海岸林ならどこでもいるぐらいいた

触角がいい



小笠原諸島の陸上等脚目のうち、固有種は以下

アシナガフナムシLigia yamanishii Nunomura, 1990
ナガレフナムシLigia torrenticola Nunomura, 2011
オガサワラハヤシワラジムシLucasioides boninshimensis (Nunomura, 1987) 
オガサワラフナムシLigia boninensis Nunomura, 1979
オガサワラタマワラジムシAlloniscus boninensis Nunomura, 1984
ハラダニセヒメワラジムシPseudophiloscia haradai Nunomura, 1986
タテスジハヤシワラジムシNagurus lineatus Nunomura, 1987
ハハジマコシビロダンゴムシSpherillo hahajimensis Nunomura, 2008
トミヤマコシビロダンゴムシSpherillo tomiyamai (Nunomura, 1991)

オガフナ、オガタマは父島や母島の各地の森林土壌で過去に記録がある。

詳しい人から聞いたところ、ヒモムシの広がりとともに状況は毎年のように厳しくなり、記録がすでに途絶えている固有種もあるらしい。

どうりで全然見つからないわけだ。



日本の絶滅種の「その他無脊椎動物」に今いるのはトキウモウダニだけ。

ここに加わってほしくないが、

現地での個人的な感触では絶望的である。



http://hahoman.seesaa.net/article/49622238.html

母島でオガサワラフナムシを見つけている2007年のブログがあった。

>その後,広範囲を探したのですが,その分布域は山の上にかなり限定されているようです.

過去の記録では住宅地そばのもあるので、

2007年はリクヒモムシによって生息地が縮小している途中だったのだと思う。

オガサワラフナムシは母島の乳房山の山頂には何年か前までいたが、今はもういないという話を現地で聞いた。



昆虫と自然の2022年4月臨時増刊号には、小笠原のリクヒモムシについて詳しく書いてある。

これによると、小笠原諸島の父島の宮野浜で1981年に陸生ヒモムシが最初に発見、母島は1995年発見で、

小笠原の等脚を食べ尽くしているリクヒモムシは学名も原産地も不明らしい。

海外でもヒモムシが侵略的であるという報告はないし、侵略的外来種に指定されていない。

なぜ小笠原でこんなことに…












リクヒモムシの侵入前の等脚目の記録

青木淳一・原田洋(1978)小笠原の土壌動物相の研究I.土壌節足動物の群集構造.国立科博専報,11: 91- 106

リクヒモムシがいないときの小笠原の貴重な記録をみてみた。

父島と母島で大型土壌動物を採集して、73.9%が等脚だったとある。


信じられないのが等脚の数であり、25cm×25cm枠×5個の合計で、

大半の地点で100個体を超え、1000個体近くなる地点もある。


ムニンヒメツバキ林やテリハボク林を「自然林」とみなしているが、これは2次林のはず。

自然林と言えるのはウドノキ林やシマイスノキ林ぐらいでは。



実際に地点に行ってみたが、ダンゴムシが全く見られない場所もあり、ショックが大きい。

ダンゴムシが残る場所でもこの数字は出せそうにない。

リクヒモムシがいない時代はダンゴムシの天国だったのかもしれない。



リクヒモムシの侵入による等脚の減少の記録


Shinobe, S., Uchida, S., Mori, H. et al. Declining soil Crustacea in a World Heritage Site caused by land nemertean. Sci Rep 7, 12400 (2017)

リクヒモムシの侵攻が進む母島南崎で、25cm コドラート×3枠を35ヶ所を設置し、土壌を採集して土壌動物をハンドソーティングしている。

南崎の北部はヒモムシがいて、等脚が140匹/m2、

南崎の南部はヒモムシがいなくて、等脚が1200匹/m2。

ヨコエビも桁が2~3つほど違う。


捕食者も差があり、エサがヒモムシに横取りされたからとしている。

ただし、クモは数が変わらない。種構成が変わりそうだが種まで同定していないようである。


トビムシはヒモムシに食われないとあるが、ネットで検索すると捕食動画が見つかる。

おそらく繁殖力が強くて数が減らないのだと思う。



画像の埋め込み
アジアモリワラジムシが食われたという文でこの写真が使われているが、

このワラジムシはモリワラジムシではなく、本州のオオハヤシワラジムシ属では?

オガサワラハヤシワラジムシでもなさそう。




捕食者1種で、等脚相が不可逆的なレベルにまで破壊されるなんて信じがたいのだが。

脆弱な海洋島の生態系だからなのか。

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2023年10月11日 (水)

オカダンゴムシ属とエルマ属

日本の外来種のオカダンゴムシ科は2種いる。

オカダンゴムシ Armadillidium vulgare

ハナダカダンゴムシ Armadillidium nasatum


オカダンゴムシ科の全種の原産地は地中海周辺で、多くの種がいる。

なんとなく調べたことをメモした。


オカダンゴムシ属 Armadillidium


とても種数が多い。

Armadillidium album
Armadillidium depressum
Armadillidium granulatum
Armadillidium nasatum
Armadillidium opacum
Armadillidium pictum
Armadillidium pulchellum
Armadillidium versicolor
Armadillidium vulgare
などなど200種ぐらいいる。


世界的に広まった種類はA. vulgareとA. nasatumぐらいで、他は分布が狭く石灰岩地帯に多い。

分布が重なっていて、細かい違いで種を分けるらしく、原産地では誤同定も多いらしい。




Armadillidium opacumの写真(埋め込み)

https://www.researchgate.net/publication/375792473_Occurrences_of_the_terrestrial_isopod_Armadillidium_opacum_C_Koch_1841_Isopoda_Armadillidiidae_outside_ancient_forest_in_Belgium

ベルギーの石灰地形にいるらしい。

オカダンゴムシと似ているが、少し違っていておもしろい。



Eluma属


オカダンゴムシ属によく似るエルマ属がヨーロッパにいる。

オカダンゴムシ属より珍しく、背板につやがあり地中にいる傾向がある。

オカダンゴムシと同じで、丸くなり、腹尾節は三角。

オカダンゴムシ属は眼に多数の個眼がある複眼だが、エルマ属は左右の眼に大きな個眼が一つずつの単眼という違いがある。


以下の3種が知られる。

Eluma caelata
https://www.bmig.org.uk/species/eluma-caelata

Eluma praticola
https://www.researchgate.net/publication/273633890_Terrestrial_isopods_from_the_Oued_Laou_basin_north-eastern_Morocco_Crustacea_Oniscidea_with_descriptions_of_two_new_genera_and_seven_new_species

Eluma tuberculata


単眼はナガワラジムシなどでも見られる。

おそらく複眼が退化したものだと思う。

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2023年7月17日 (月)

昆虫の気管のような偽気管を持つダンゴムシがいるらしい

昆虫は気管があるがダンゴムシはない。

ただし、ダンゴムシのPeriscyphis属は例外的に気管のような呼吸器官があるということを最近知った。


Periscyphis属はEubelidae科の仲間で、イスラエルから熱帯アフリカに分布する。

ほとんどのダンゴムシは偽気管が腹肢に収まっているが、このダンゴムシは偽気管が体の本体まで広がるらしい。

腹肢1枚に1個の気門があり、そこから分枝する気道が腹肢内に広がり、

一部の気道は腹節へ通って、体内に広がる。

強い乾燥に適応した結果らしい。


昆虫の気管とは起源が違うもので、論文でも気管とは呼んでなくて発達した偽気管と書いてある。

ダンゴムシやワラジムシの呼吸器官はとても面白くて、3タイプとかを簡単にまとめたいのだが、

勉強不足でよくわかっていない……


Paoli, P., Ferrara, F., & Taiti, S. (2002). Morphology and evolution of the respiratory apparatus in the family Eubelidae (Crustacea, Isopoda, Oniscidea). Journal of Morphology, 253(3), 272-289.

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2023年2月 8日 (水)

Cylisticus convexusに和名がつくならダンゴムシになるのかワラジムシになるのか

ワラジムシ亜目の和名は、丸くなる種類をダンゴムシ、丸くならない種類をワラジムシと分けているが

和名がまだついていない種類にはワラジムシっぽいのに丸くなるという微妙なやつが結構いる。


たぶん中間な見た目で一番有名な種はCylisticus convexusだと思う。

https://www.bmig.org.uk/species/cylisticus-convexus

一見ワラジムシだが、背中が盛り上がっていてダンゴムシっぽく丸くなれる。

ヨーロッパ原産で近縁種は中東までいるが、外来種としてアメリカやアフリカなどに広がっている。


日本に分布せず和名がないので、まだダンゴムシなのかワラジムシなのか決まっていない。

しかし最近は中国でも発見されているので、そのうち日本に持ち込まれると思っている。

その時どっちに決まるか。



予想

Imgp50142
見た目ワラジムシだが丸くなれるハマワラジムシはワラジムシなので、

Cylisticusもワラジムシになる、に一票。



ちなみに、和名がついてないけど丸くなれるのは他にもたくさんいる。

Scleropactidae、Tendosphaera属とかもダンゴムシとなるのかワラジムシとなるのか…



ちなみにBuchnerilloという、完璧に丸くなるのにオカダンゴムシでもコシビロダンゴムシでもハマダンゴムシでもない種がいる。

https://www.researchgate.net/figure/A-B-Alive-specimens-of-Buchnerillo-atlanticus-sp-nov-in-their-habitat-photo-N_fig4_360783929

地中海やコスタリカ、ソマリアなどにいる海浜性ワラジムシ亜目。

ぱっと見はダンゴムシだが、細部はどのダンゴムシとも全く違う形態をしている。

論文は科未定(incertae sedis)とあり、どこに近縁かわからないらしい。

著者はかなりの有名研究者だが、科を決めるには遺伝解析が必要だと締めくくっている。

Taiti, S., Montesanto, G., & Vargas, J. A. (2018). Terrestrial Isopoda (Crustacea, Oniscidea) from the coasts of Costa Rica, with descriptions of three new species. Revista de Biologia tropical, 66(1-1), S187-S210.

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