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2012年10月

2012年10月25日 (木)

ヒメフナムシは水の中で生きられるか?

ベントスとは水の中で生きる生物のうち底で生きる生物を指す。

千葉県の水生生物の調査のサイトを見ると、ベントスとしてヒメフナムシが載っている。


ヒメフナムシは土壌動物であり、森の土の隙間で生きている。

エサは落ち葉。

山の森林にいるフナムシ、それに似るワラジムシ



本当に水の中で生きられるか確かめるために、ヒメフナムシを8匹捕まえて水の中に入れた。

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5匹は数時間であっけなく死んだ。


いっぱい入れすぎて酸欠で死んだと予想し、残りは生き続けるだろうと予測して次の日の朝見たら

3匹とも死んでいた。


腹部の腹肢を盛んに動かして呼吸はしていたので、すぐに窒息はしない。

ずっと水中にはいられないようだ。

時々、水面に上がろうとする個体がいたので、空気呼吸したかったのだろう。










ベントスではないかもしれない。

それとも一部のヒメフナムシは水中に適応しているのだろうか?

エアーをいれたらどうなるかな?



ヒメフナムシを捕まえたとき一緒にいた、ヨコエビの一種(オカトビムシ?)も水中に入れた。

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こちらは一日経っても生き続けていたが、その後すぐ死んだ。

 

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2012年10月 9日 (火)

船橋市の県民の森のフナムシ

千葉県船橋市の県民の森に行って来た。

オカダンゴムシがいた。


ヒメフナムシもいた。(フナムシの仲間だが、森にいる)
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ヒメフナムシの子ども

子どもは真っ白。体長約2.5mm


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マンカ幼生

脚が6対、胸節も6節。



マンカ幼生とは、ワラジムシ目、クーマ目、テルモスバエナ目などの幼生を指す言葉である。

産まれた直後の幼生は脚が1対少なく、この段階をマンカ manca と呼ぶ。




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コシビロダンゴムシ(千葉大で捕まえた)のマンカ幼生

こちらも胸節6つ。

どちらもコンパクトな体つきに見える。



少し大きいヒメフナムシ。
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成長すると脚は7対になる。

前半分の脱皮殻を食べていた。



脱皮時の体は弱く、オカダンゴムシと一緒にいれておくと、

いつのまにかヒメフナムシが跡形もなく消えている(涙)



他にはワラジムシ、ヤマトサトワラジムシ、ナガワラジムシと普通のメンバーがそろっていた。







採集したのは平成24年10月8日。

そして、千葉県の放射線関連のサイトをみたら、「県民の森の西口付近の空間放射線量が基準値を超えていたので、平成24年10月11日、12日に除染しました」と書いてあった。

実にタイムリーな採集であった。

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2012年10月 4日 (木)

ワラジムシから出るねばねばの分泌物

ワラジムシ Porcellio scaber やクマワラジムシ Porcellio laevis は、驚いたとき警戒フェロモンを出す。


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ワラジムシは、おしりからねばねばの液体を出す。

ぎゅっとつかんだら、指にべとべとするものがついた。

これが警報フェロモンを含むらしい。



ねばねばの出し方はこちら

ワラジムシから、ねばねばの分泌物を出す方法: だんだんダンゴムシ



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白い分泌物を出すワラジムシ

エタノールに入れたとき、腹部の後方からなにかがでた。


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タマワラジムシも出した。出た場所が違う



オカダンゴムシやコシビロダンゴムシをエタノールに入れたときも出てきた。(消化管内の内容物の可能性も)

 

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2012年10月 3日 (水)

佐賀県のタテジマコシビロダンゴムシ

佐賀県の名護屋城跡に行った。

いろんなワラジムシ亜目がいた。

オカダンゴムシ (Armadillidium vulgare)
コシビロダンゴムシの一種
ワラジムシ (Porcellio scaber)
ホソワラジムシ (Porcellionides pruinosus)
タマワラジムシ?(逃げられてよく確認できなかった)



タテジマコシビロダンゴムシを発見できた。

初めて見たので、とてもうれしい。
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タテジマコシビロダンゴムシ

三の丸の落ち葉の中で一匹だけ捕まえた。




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触ると不完全に丸くなった。

すきまが空いているので、「これはダンゴムシなのか?」と思ってしまった。

(タテジマコシビロダンゴムシは見たことがなかったのですぐにわからなかったが、先生に教えてもらった。)




一緒に捕まえた別種のコシビロダンゴムシはびっちり閉まっている。
Photo





腹尾節(体の一番後ろの節)での見分け方

タテジマコシビロダンゴムシ
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タテジマコシビロダンゴムシの腹尾節がビーカー型である。研究者らしい表現。



セグロコシビロダンゴムシ
Photo_3
土壌動物図鑑では腹尾節が砂時計型と書いてある。

(タテジマコシビロダンゴムシも砂時計に見えてわかりにくい)




最後にタテジマコシビロダンゴムシの顔をどうぞ
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