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2013年6月

2013年6月28日 (金)

丸くなるワラジムシ

ダンゴムシは丸くなる。ワラジムシは丸くなれない。

しかし、ハマワラジムシArmadilloniscus sp. というワラジムシはそれなりに丸まれる。


丸まるワラジムシ
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ほぼ丸くなれている。

触角は飛び出たまま、丸まっている。


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これが限界か。わずかに隙間が…


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指で押しつぶすと隙間がなくなる。(良い子はマネしてはいけません)

このハマワラジムシが丸くなるのは、ほんの一瞬。


ハマワラジムシは珍しいワラジムシ。

自然度の高い海岸にいて、石の下に隠れていることが多い。


この触角を外に出した状態で丸くなれる性質を exoantennal conglobation ability と呼ぶ。

他にも Cylisticus convexus などが同じように丸くなる。

画像→https://www.bmig.org.uk/species/cylisticus-convexus


これがダンゴムシでない理由はこっちに書きました。

ダンゴムシとワラジムシの違い。「丸くなるか」は関係ない。: だんだんダンゴムシ


丸くなれるワラジムシの逆で、ちゃんと丸くなれないタテジマコシビロダンゴムシというダンゴムシもいる。

 

 

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フナムシの尾肢の再生

ダンゴムシは脚や触角は切られても、再生できる。

怪我をしたダンゴムシが復活した: だんだんダンゴムシ



怪我をしたフナムシ

ある日、フナムシを捕まえた。


しっぽ(尾肢 uropod)がとれてしまったフナムシがいた。(14時半ごろ撮影)
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尾肢は水分補給につかうとWikipediaに書いてある。

ということは水分不足で死ぬんじゃないかと思って、飼ってみた。


(追記)

フナムシじゃなくてキタフナムシでした。



30分後

30分するとフナムシは脱皮をした。(15時ごろ)

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脱皮殻。脱皮殻に尾肢は当然ないが…


フナムシを見たら、
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尾肢が再生

脱皮の瞬間見たかった



2日後
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元の形に戻り、尾肢に色がつく。

(上より体色が薄いのは暗い所に置いたから。フナムシは周囲の光量によって体色の濃さを変える)



4日後
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また脱皮し
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さらに立派になる。

怪我をした場合、傷を治すために急速に脱皮を繰り返すようだ。



尾肢は

再生させなければいけないほど重要な部位であるが、

短期間生きるためには必ずしも必要ではない。

ということだろう。



フナムシの尾肢の再生について、CiNiiに大正七年の論文のPDFがあった。

>再生した尾肢は色や外側のキチン質が薄い
>尾肢の切れる場所は決まっていて、途中から切れると再生しない
>再生方法は、残ったキチン質の中に新しい尾肢ができて脱皮とともに外に出る

と書いてある。




おまけ

ワラジムシの再生途中の脚
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1本だけ白い

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2013年6月26日 (水)

ハマダンゴムシとハマワラジムシ

佐賀県の波戸岬でハマダンゴムシやハマワラジムシを採った。


ハマダンゴムシの学名が Tylos granuliferusTylos granulatus とネットに2つあるのはなぜ?

(追記:コメントにありがとうございます。これからは正しいTylos granuliferus を使います。サイトを見ると確かにTylos granulatus の分布は南アフリカとナミビアでした。

Wikipediaのダンゴムシのページにミスがあり、間違いが広がっているようです。)



ハマダンゴムシ

転石海岸で、石をひっくり返した。
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ハマダンゴムシが古いクモの巣に隠れていた。


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ハマダンゴムシの顔。みんな千葉県より白くて小型。



ハマワラジムシ
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小判型をしている

尾肢がピンせずワラジムシっぽくない。短いマクラギヤスデみたい。



フナムシ キタフナムシ

台風のおかげで海岸は海藻の山ができ、そこに大量のフナムシが群がっていた。
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オスがメスに乗っている。第一胸脚でつかんで、離さずに歩く。

求愛中である。配偶者防衛である。


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捨てられたごみのプラスチックケースに閉じ込められたフナムシ

這い上がれない…

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2013年6月12日 (水)

オオグソクムシ とげとげの脚

ダンゴムシの研究者にオオグソクムシ Bathynomus doederleini をもらった。

日本では一番大きいダンゴムシの仲間(ワラジムシ目)で、ダイオウグソクムシの近縁種。



写真を撮ったので載せていく。

もっと詳しくはオオグソクムシの付属肢(前編)オオグソクムシの付属肢(後編)に書いた。



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おなか。やわらかい。

脚は前三対が前向き、後ろ四対が後ろ向き。

ダンゴムシより細長い。臭い液を出す。

オオグソクムシの胸脚の数はダンゴムシと同じ7対14本。


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背中。硬い。ピンク色

底板は色が白い。


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甲羅をよく見ると模様がある。

オカダンゴムシの模様とパターンが似ている。


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頭部。第一触角(上。短い)と第二触角(下。長い)がある。


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黒い目


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口器。歯がするどい



口器についてはオオグソクムシの付属肢(後編)で詳しく書きました。



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腹肢

うちわのような腹肢を水中で動かして呼吸する。泳ぐときの推進力を得る。

オスの生殖器が2本みえる。


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2対の尾肢と腹尾節の後端。尾肢は細かい毛が生えている。(写真では棘のように見えてしまっている)

腹尾節の後ろの縁に棘がある



写真を見るとダイオウグソクムシとの違いがわかる。

ダイオウグソクムシの尾肢は円形に近く、腹尾節の棘の数も13本(11本?)と多いような気がする。



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第一胸脚。節の構造が複雑。

若干フック状。


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第七胸脚。前三対と違い、まっすぐな構造。

つかんだとき、脚のとげが刺さって痛い。



オオグソクムシの脚についてはオオグソクムシの付属肢(前編)で詳しく書きました。



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脚の中は身が詰まっている。果たしておいしいだろうか?


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底板



大型のカニの例をまねて乾燥標本にしたい。

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2013年6月 9日 (日)

浜辺で足をかじってくるスナホリムシ

海水浴をすると、足にくっついてチクチクかじってくる虫がいる。

あの虫はたいてい「スナホリムシ」というダンゴムシの仲間。


海に行って、海水中を泳いでいたスナホリムシを捕まえてみた。(採集方法
Photo
この写真のはヒメスナホリムシExcirolana chiltoniである。



ヒメスナホリムシは海水浴場など浅い砂浜の海底によくひそんでいる。

人が少ない海に多くいるらしい。

日本には他にもニセスナホリムシ Cirolana harfordi 、ヤマトスナホリムシ Natatolana japonensis が磯や海中林にいる。



ヒメスナホリムシの大きさは1cmほどで、体に透明感があり、ゼリーみたいにやわらかい。
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あしの数はダンゴムシと同じ。

胸脚は真っすぐで、前3対が前向き、後ろ4対が後ろ向き。

しばらくは飼育できた。



普段は海底の砂に潜っているが、餌を探して海水中をすばしっこく泳ぐことがある。

魚など漁獲物を食べてしまう被害を出すことがある。

そして人間の足にくっついて、かじってくる。



スナホリムシは肉食であり、チクっと噛むのは食べようとしてるかも。

毒もなく力も弱いので、噛まれても基本的に害はない。

ただし傷口があったら悪化させるかもしれない。



ニセスナホリムシが水死した人間を食べたケースはある。

ニセスナホリムシが人の体を食べた事例: だんだんダンゴムシ

スナホリムシの他に、ウオノシラミがダイバーに噛み付き、出血させた報告もある。

Garzón-Ferreira, J. (1990). An isopod, Rocinela signata (Crustacea: Isopoda: Aegidae), that attacks humans. Bulletin of marine science, 46(3), 813-815.



ヒメスナホリムシの画像


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顔。触角を横につけて死んだふりをしている。


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体断面は半球


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後ろの腹部。体表に独特の紋様がみられる。


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お尻にある2対の尾肢。毛がいっぱい。

このひれは、陸にいるダンゴムシでは退化して小さい。


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スナホリムシの まるくなる!
スナホリムシの ぼうぎょりょくが あがった!



甲殻亜門ワラジムシ目ウオノエ亜目スナホリムシ科に属している。

あのダイオウグソクムシも同じスナホリムシ科で、多少は近縁らしい。

深海に進出するとあんなサイズに…

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海にいるダンゴムシを採る方法

海にすむダンゴムシ(ワラジムシ目)の飼育を前ページに書いた。

ここでは水に濡れずに捕まえる方法を書く。



スナホリムシ


一番簡単なのは、スナホリムシ。

砂浜ならば比較的よくいる。いないところは全くいないので、あきらめた方がよい。

 

波打ち際ぎりぎりの部分に穴を掘る

下から海水が湧き出し、水たまりができる

水たまりを徐々に広げる

 

そうすると砂に隠れているスナホリムシが飛び出してくる。再び砂に潜る前に捕まえる。
Photo
ふるいを使って砂を濾してもとれると思う。



コツブムシ


コツブムシは、海岸や干潟の水際に転がっている石や岩をひっくり返すと貼り付いていたり、隙間に潜っていたり、穴を掘って隠れていたりする。

磯によっている種類がまちまち。

海岸の岩場ならば、ミリメートル単位のコツブムシが、ほぼ必ず岩に張り付いている。
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よーく見ると、ダンゴムシそっくり



水底に目を凝らしたり、

海岸に打ちあがった新鮮な海藻や海草などを採って隠れてそうなところ(海藻に付着する小石や海綿、ゴカイの巣の隙間)を探すと見つかる。

大きい海藻を引っこ抜き、海水を張ったバケツでがしゃがしゃ洗うと、くっついているコツブムシが海水に飛び出してくる。



海の中に生える海藻や海底の砂を集め、

真水で洗って撹拌し水に出てきたものを濾しとるという大変な方法もある。



これをすれば、ヘラムシ、ミズムシ、ウミクワガタ、ウミナナフシなどが捕まえられるはず。



オオグソクムシは漁師に頼むしかなさそう…

さらに大きいダイオウグソクムシは残念ながら日本にいない…



淡水のワラジムシ目の採集は経験がないので、わからない。

水底の枯れ葉を取って探すといるらしい。

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2013年6月 8日 (土)

海にいるダンゴムシを飼う方法

海の生き物は一般的に飼育が難しいようだ。

海のダンゴムシの仲間も難しい。

イワホリコツブムシとシリケンウミセミを飼っているが、シリケンウミセミは多くが死んだ。

コツブムシは2ヶ月経って7割ぐらい生き残っている。


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産まれたコツブムシの子どもは9割死んでしまった。

飼育は難しい。



太平洋の海水1L弱ぐらいに全部(5、6匹)入れて、10日に1回のペースで1/3ぐらいを水替えしている。

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あまり海水は汚れず、塩分濃度が多少ずれても問題なし。

ただ、調べたらイワホリコツブムシは海水を1.5倍量に薄めた方が生存率が高いらしいことがわかった。



コツブムシの餌は市販の「川魚のエサ」を試しにやっている。

おそらく有機物なら何でもいいと思われる。死んだ個体も食べていた。

餌をやったら水替えをした方がいいと思われる。

人工海水でも問題はない。





(追記)

イワホリコツブムシじゃなくてナナツバコツブムシかもしれない。

コツブムシの子ども: だんだんダンゴムシ

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