山の森林にいるフナムシ、それに似るワラジムシ
フナムシは海岸にいるダンゴムシの仲間である。
足が速く、大きさは5センチを超える種もある。
釣りエサにもなる。
日本には、フナムシ、キタフナムシ、リュウキュウフナムシ、アシナガフナムシなどがいる。
ヒメフナムシ
実は森林にも「ヒメフナムシ」というフナムシがいる。
日本にはニホンヒメフナムシ、チョウセンヒメフナムシ、ニホンチビヒメフナムシなどがいる。
体は茶色で1cm未満で、てかてか光る。
目が大きくてかわいい。
フナムシ同様にめちゃくちゃ足が速いが、群れはつくらない。
ダンゴムシと一緒に飼うとダンゴムシに食われることがあるぐらい甲羅が軟らかい。
湿っぽい杉林を好むので、生息場所の狙いをつけるのは簡単。
よく落ち葉の下にいるが、稀に水中にいることもあるようだ。ヒメフナムシは水の中で生きられるか?
住宅街にはまずいない。
ヒメフナムシに似たトゲモリワラジムシ属
ヒメフナムシに似ているワラジムシがいる。
足が速く、体がてかてかした茶色なので、フィールドではヒメフナムシと見分けがつきにくい。
ヒメフナムシとモリワラジムシの見分け方
1、頭の違い
ヒメフナムシは目が大きく、大人は頭が黄色い。
モリワラジムシは目が小さく、頭も茶色。
(子どもだとわかりにくい)
2、尾の違い
ヒメフナムシは胸部と腹部の幅が連続的で、一番後ろにある2本の尾肢内肢が腹部から離れて生える。
尾肢外肢は内肢より僅かに太い程度。
尾肢外肢は前方や真横を向くことがある。(このページの上から2枚目の写真はヒメフナムシの尾肢外肢が前を向いている。)
フナムシ、キタフナムシ、フナムシの隠蔽種に、典型的なフナムシの尾肢を載せた。
モリワラジムシは胸部より腹部の幅が明らかに狭く、尾肢内肢の根元と腹部がほぼ接するように見える。
尾肢外肢は内肢より明らかに太く、前を向くことはない。(ただし子どもの外肢はあまり太くない)
3. 触角
ヒメフナムシの触角はL字のことが多い。
モリワラジムシはZ字になることがある。
ヒメワラジムシ科によく見られる。
4、分布
ヒメフナムシは、北海道から沖縄まで見られる。
モリワラジムシは、温暖な気候を好む。北日本にはいないと思われる。近畿地方以南でよく見られ、九州では数もかなり多い。
千葉県では、低地の一部でモリワラジムシが見られるが、圧倒的にヒメフナムシの分布域が広い。
和歌山県では、ヒメフナムシもモリワラジムシも普通に見られる。
沖縄県では、モリワラジムシの分布域が広がり、リュウキュウヒメフナムシは高山地帯の川沿いに限られる。
小笠原では、ヒメフナムシはおらず、モリワラジムシだけが分布する。
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コメント
>>経験上、これは嘘である
そんなことはないかと・・・ただこの二種類は頭の黄色いのがないorメチャ薄いらしいから
わかりづらいとは思う
投稿: ps | 2014年12月30日 (火) 12:34