深海のワラジムシ目。上野科学博物館の深海展、紀伊國屋の新宿本店
上野の科博で深海展を見た。
シンカイウミクワガタ
シンカイウミクワガタのポストカード買ってしまった。
タイヘイヨウオナシグソクムシ、ウミコロギス、オニナナフシ、ヘラムシ科の一種
パネル展示
深海から採集された等脚類の標本や写真が並んでいた。
しかし、生きた個体や生活史などの説明はなく物足りない。
なので自分で調べた。
シンカイウミクワガタ Bathygnathia affinis
深海に生息する体長1.5cm弱のウミクワガタ。日本では鹿島灘の水深約1500mから採集された。生態についての記述なし。
この論文では房総半島沖300mからBathygnathia japonicaも報告している。
タイヘイヨウオナシグソクムシ Anuropus pacificus
ウオノエ亜目。ワラジムシ目の中でオオグソクムシ属に次ぐ最大級の種の一つ。
採集数は極めて少なく、生態不明。海中を泳いでいるとされる。
初記録はガラパゴス諸島のカモメが吐いたゲロから。
Lincoln, R. J., & Jones, M. B. (1973). A new species of Anuropus from the Galapagos region (Isopoda: Flabellifera: Cirolanidae). Journal of Zoology, 170(1), 79-86.
ウミコロギス Vanhoeffenura (=Vanhoeffenella) chelata
ミズムシ亜目ムンノプシス科。太平洋の深海6000mで採集される大型ミズムシ。
最初はVanhoeffenellaとしたが、有孔虫に使われている属名だとわかりVanhoeffenuraに変更された。
Malyutina, M. V. (2003). Revision of Storthyngura Vanhöffen, 1914 (Crustacea: Isopoda: Munnopsididae) with descriptions of three new genera and four new species from the deep South Atlantic. Organisms Diversity & Evolution, 3(4), 245-252.
オニナナフシ Arcturus crassispinis
胸節と腹節全てに棘がある、4cm越えのヘラムシ亜目。写真は学名にスペルミスあり。
ヘラムシ科の一種 Synidotea sp.
ヘラムシ科Idoteidaeワラジヘラムシ属。ワラジヘラムシ属は腹節に縫合線があり、側方に1対の不完全な縫合線があるのが特徴。
Munna属
「a whale-fall isopod」「獲物を狙うカマキリのように見えるが、ハサミで獲物に襲いかかることはない」「奇妙な指先はメスを抱えるためにある」「相模湾:水深923mにて採集」
ミズムシ亜目 Asellota ウミミズムシ上科 Janiroidea ムンナ科 Munnidae。
深海に沈んだ鯨骨のバイオマットを食べ、鎌状の脚はメスを捕まえるために発達していると本にあった。
鯨骨生物群集を構成しているダンゴムシの仲間は他にもいて、鯨骨特異的なJaera tyleri というミズムシも最近見つかっている。
深海にいるワラジムシ目は、浅い海より巨大な種類とそうでない種類がいるようだ。
ダイオウグソクムシのストラップ
買おうかと思ったけどおしゃれすぎてやめた。
新宿の紀伊國屋書店でダンゴムシのグッズを買った。
ダンゴムシ手ぬぐい
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