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2014年6月

2014年6月28日 (土)

海を漂うコシビロダンゴムシ

海の浮遊物にダンゴムシがついていたという記録

Heatwole, H., & Levins, R. (1972). Biogeography of the Puerto Rican Bank: flotsam transport of terrestrial animals. Ecology, 53(1), 112-117.

カリブ海のプエルトリコ周辺から船で漂流物をあつめている。

アブラナ科の植物が海岸から500mぐらいの海に漂っていて、ネッタイコシビロダンゴムシ(Cubaris sp. )がいたとある。


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「ダンゴムシの本」(奥山風太郎+みのじ著)の表紙

日本のネッタイコシビロダンゴムシ



ヒメワラジムシの一種(Philoscia sp. )も、海面をただよっていたと書いてある。

植物といっしょに流されることはあるようだ。



フジツボに覆われた木材の穴から、ハチの幼虫を見つけたともある。

ダンゴムシもよく木の隙間にもぐっているし、塩分に強そうだから、木をつかって海を移動することもありそう。

小笠原などの火山島にもダンゴムシがいるのは、ごくまれにダンゴムシがついた流木が打ちあがるせいだと思う。



ダンゴムシの移動できる距離が長すぎる: だんだんダンゴムシ

ここでも書いたが、この発見はダンゴムシの分布の広げ方の理由になるかもしれない。





ダイオウグソクムシの雑誌

ダイオウグソクムシの雑誌を買った。「大好き!ダイオウグソクムシ」
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絵がリアル。



…ワラジムシ目で一番原始的なのはウミナナフシだとあったが、

きちんとした研究はない気がする。

一部の文献でPhreatoicideaが基部にくるというのをみた。




「先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!」も読んだ。コツブムシが性転換(♀→♂)すると書いてあった。

 

 

 

(この本には、オカダンゴムシはコツブムシから、ワラジムシはミズムシから進化したのかもみたいな想像するページがあるけど、オカダンゴムシやワラジムシなどの陸上等脚類の単系統性は遺伝子と形態でほぼ支持されている。)

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2014年6月16日 (月)

神奈川県の猿島のダンゴムシ、ワラジムシ

神奈川県の猿島に行った。

双胴船でわたる。日経新聞にものっていたが、船が新しかった。

ネズミをみた。



フナムシ

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フナムシ

波打ちぎわには大量の海藻が打ちあがっていて、フナムシがいっぱい。



タマワラジムシ

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海岸にはタマワラジムシがいっぱいいた。


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タマワラジムシの裏

脚の一部が黒い。腹肢の全てに白体がある。

横須賀周辺は人工的な港になってしまったが、猿島は自然の海岸が残っているので、タマワラジムシがいるようだ。



在来種のワラジムシ

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ヤマトサトワラジムシみたいなワラジムシ

タマワラジムシのなかに模様が似る個体もいる。

タマワラジムシは尾肢が短いのでなんとか区別できる。




コシビロダンゴムシ

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コシビロダンゴムシ

塩分に比較的つよいようで、海岸の近くにもいた。



オカダンゴムシもいっぱいいた。




棲み分け

島は海岸のがけが切り立っている。

島での棲み分けをみると、海岸と崖の上ですむダンゴムシの2つに分かれる。



・海岸は大量のタマワラジムシ、わずかにコシビロダンゴムシのみである。

・崖の上は、オカダンゴムシ、コシビロダンゴムシ、ヤマトサトワラジムシみたいなワラジムシ、ナガワラジムシ、わずかにタマワラジムシとなる。



館山とよく似ていると思った。



オカダンゴムシやヤマトサトワラジムシみたいなワラジムシには塩分が強烈なダメージなのだろうか?

タマワラジムシは他のワラジムシがいなければ、崖の上を支配できるのだろうか?




コスプレ

島ではコスプレしてる人が4組ぐらいいた。

有名な場所らしい。

髪の毛が赤かったり、白かったり。




よこすかYYのりものフェスタ2014
を港のそばでやっていた。

横須賀市上下水道局の災害二輪調査隊の実技を見た。ブゥーン......

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2014年6月15日 (日)

アリの巣の中によくいるオカメワラジムシ

オカメワラジムシをもらった。

「見たことないワラジムシがいた」という理由でくれた。視点が鋭すぎる。


オカメワラジムシ
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1cm弱ぐらい


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好蟻性動物でアリの巣の中によくすんでいる。

都会でも珍しくないが、アリの巣の中にいるので見かけることは滅多にない。

見つけるのはむずかしい。



今回はアリと一緒というわけではなかった。

必ずしもアリが必要ではないのかもしれない。



(追記)

自分の家でも見つけた

オカメワラジムシが住宅地にいた:だんだんダンゴムシ

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2014年6月13日 (金)

サソリが脱皮した

西表島で捕まえたサソリが脱皮した。
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ダンゴムシと違って、一回で脱皮が終わる。

ダンゴムシは脱皮殻を食べるけど、サソリは脱皮殻を食べない。



庭でスズメが死んでいた。
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オカダンゴムシがそのスズメに群がっていた。



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千葉大でアルビノのオカダンゴムシを見た。

1年に1回ぐらいのペースで見る。

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2014年6月 6日 (金)

安房小湊駅のダンゴムシ、ワラジムシ

千葉県の安房小湊駅のホームそばでダンゴムシを探した。

オカダンゴムシとコシビロダンゴムシが一緒にいた。


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コシビロダンゴムシ

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真っ黒


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ナガワラジムシ

卵が重そう

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ヘラムシ、コツブムシ

千葉県の勝浦で海藻の葉をとり、海水を入れたバケツに突っこんで、洗った。


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ホソヘラムシ。細長い。

いっぱいとれる。



オヒキヘラムシ?
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でかい。


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白いコツブムシ
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フナムシ、キタフナムシ、フナムシの隠蔽種?

フナムシについてはあまりくわしくない。ダンゴムシのほうが好きなもので。

雑多な知識をまとめた。


フナムシ科とワラジムシの見分け方


フナムシ科 Ligiidae のフナムシ属 Ligia は、おもに海岸にいる動物である。

群れでいるとキモい。1匹だとかわいい。

(例外的に淡水域(ナガレフナムシ)や森林にいる種(オガサワラフナムシ)もある。)


ワラジムシとフナムシの違いは尾肢にある。
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フナムシ科は、尾肢内肢が腹尾節からかなり離れる特徴がある。

またフナムシ科はペニスが2本で、ワラジムシは1本である。



フナムシ属とヒメフナムシ属の見分け方


海岸にいるフナムシと山にいるヒメフナムシの違いは、第2触角の鞭(※)の節の数がフナムシは20節以上で、ヒメフナムシは10節ぐらい
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ヒメフナムシ


※第2触角の鞭とは
Imgp23302タテジマコシビロダンゴムシ
触角の先端の節がいっぱいあるところ。

ダンゴムシやワラジムシは2節だけだが、フナムシ科は数多く節がある。



フナムシ属の種類


日本ではフナムシ Ligia exotica 、キタフナムシ Ligia cinerascens 、リュウキュウフナムシ Ligia ryukyuensis の3種がメジャー。

小笠原諸島や島根県宍道湖にはそれぞれ固有のフナムシがいる。

日本語でフナムシというと、L. exoticaだけを指すときとフナムシ属全体を指すときがあって紛らわしいことになっている。


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フナムシ

海藻や死肉などをたべている。



日本のフナムシの遺伝子研究


日本の広い範囲にいるフナムシはフナムシ Ligia exotica とキタフナムシされた。


伊谷結(2000):分子系統解析に基づく日本産フナムシ類(等脚目、甲殻亜門)の系統生物地理、月刊海洋

ミトコンドリアのCOI遺伝子で系統を調べた結果、フナムシ Ligia exotica とキタフナムシの中はいくつかの遺伝的に違う系統があることがわかった。

海岸はずっと続いているにもかかわらず、混ざらず系統ごとに生息地がわかれている。

一部の人工的な海岸では外来のフナムシが移入しているので、遺伝子汚染の危険があるかもしれないと書いてある。


1種類だとされたアマガエルが最近の研究で東西2つの別種に分けられた。

キリギリスやメダカも似たことがわかっている。フナムシも似たようなことが見つかっているらしい。



「フナムシ」の隠蔽種


関東地方の「フナムシ」は他の地域の「フナムシ」と遺伝子が大きく異なっている。

論文の中ではこの系統を、伊豆グループ、八丈グループと名付けている。

伊豆グループは関東と神津島、八丈グループは関東と八丈島にいる。


遺伝子で分けているだけなので、交配の有無や形態の差異についてはわからないが、別の種かもしれない。

一緒に飼育したら交尾するのかな?

かなり昔に伊豆半島、伊豆諸島に流れついたフナムシが隔離されて分化し、伊豆半島の本州への衝突で再び戻ってきたようだ。

まるでニホントカゲとオカダトカゲのようでおもしろい。



キタフナムシの隠蔽種


北海道や東北地方だけにいるとされたキタフナムシ Ligia cinerasens は、四国、九州、朝鮮半島にまでいることがわかった。

(四国の初記録は2012年。「徳島県の礫浜海岸における四国初記録のキタフナムシとマメアカイソガニ」を参照

キタフナムシも関東とそれ以外の場所で遺伝的に違う。


キタフナムシは礫浜に多く、海藻や海草を好む。

フナムシとキタフナムシは一緒にいない。(関連:かわいいフナムシ Ligia pallasii


キタフナムシとフナムシの違い

フナムシの方が、体がスマートで尾肢が細長い。

触角の鞭節の数は、フナムシは30節以上、キタフナムシは26前後。ただし中間的な個体もいることがあるらしい。

確実なのはオスの第2腹肢の形。フナムシは先端がとがり、キタフナムシは平ら。


佐賀県の礫浜で採集したものは、
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鞭節の数が26。

キタフナムシだ。


館山のフナムシ(場所的にフナムシの隠蔽種?)。
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30を超えている


鳥取のフナムシ
Or
鳥取で捕まえたのもキタフナムシのようだ。



フナムシ Ligia exotica の世界的な遺伝子解析


フナムシ Ligia exoticaは世界に広く分布している。

世界中のL. exoticaの遺伝子解析がある。

Hurtado, L. A., Mateos, M., Wang, C., Santamaria, C. A., Jung, J., Khalaji-Pirbalouty, V., & Kim, W. (2018). Out of Asia: mitochondrial evolutionary history of the globally introduced supralittoral isopod Ligia exotica. PeerJ, 6, e4337.

これによると、フナムシはアジア原産でアメリカやアフリカに外来種として侵入していることがわかっている。

日本を入れた東アジア、東南アジアで各地域で遺伝的に分化しているのに、アメリカやアフリカのフナムシは同じ遺伝子型だったとある。

アジアにいたフナムシのほんの一部が船で世界中に散らばったと予想している。

 

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