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2014年7月

2014年7月30日 (水)

ワラジムシ目の化石

ダンゴムシやワラジムシが属するワラジムシ亜目は海から陸へ進化したとされる。



ワラジムシ亜目の出現は、約3億年の石炭紀ごろだと推測している論文があった。

The origin of terrestrial isopods (Crustacea:Isopoda: Oniscidea)

ワラジムシ亜目で3600種以上、ワラジムシ目全体で10300種だそうだ。

この論文にワラジムシ目の化石があった。




ワラジムシ目の化石

ダンゴムシやワラジムシは、化石はすくない。

時代を遡るほど、減る。

運よく残った化石は、多くが琥珀に閉じ込められている。



スペイン北部から採取された琥珀

Ws000151
Delclos X, Arillo A, Peñalver E et al (2007) Fossiliferous amber deposits from the Cretaceous (Albian) ofSpain. C R Palevol 6:135–149 引用

約1億年前の白亜紀のワラジムシ目の一種

陸上のワラジムシ?

このころから、形はあまり変わっていないようだ。



バルト海から採取された始新世のスナホリムシ科(Cirolanidae)の腹尾節
Ws000152

海の生き物も琥珀に入るらしい。

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2014年7月16日 (水)

ダイオウグソクムシの近縁種や化石種

ダイオウグソクムシやオオグソクムシは、Bathynomus属(オオグソクムシ属)というグループに属している。


ダイオウグソクムシの近縁種

鳥羽水族館の日記にもあるが、Bathynomus属は17種。

B. affinis Richardson, 1910
B. brucei
Lowry & Dempsey, 2006
B. bruscai Lowry & Dempsey, 2006
B. crosnieri Lowry & Dempsey, 2006    *
B. decemspinosus Shih, 1972
B. doederleinii Ortmann, 1894       (オオグソクムシ)
B. giganteus Milne Edwards,1897   (ダイオウグソクムシ) *
B. immanis Bruce, 1986
B. kapala Griffin, 1975
B. keablei Lowry & Dempsey, 2006       *
B. kensleyi Lowry & Dempsey, 2006     *
B. lowryi Bruce & Bussarawit, 2005      *
B. miyarei Lemos de Castro, 1987       *
B. obtusus Magalhães & Young, 2003
B. pelor Bruce, 1986
B. richeri Lowry & Dempsey, 2006          (ニューカレドニアオオグソクムシ?)   *
B. propinquus
Richardson, 1910 (nomen dubium)   (コウテイグソクムシ?)  *

(*印がつくものは、体長が最大50cmを超える。)

種によって顔や尾肢などが違う。



The giant deep-sea scavenger genus Bathynomus (Crustacea, Isopoda, Cirolanidae) in the Indo-West Pacific

という論文にそれぞれが発見された場所の図があった。
Ws000147
発見例が1つしかないものもいる。

学名がないものもいる。



海の深度で棲み分けているなど、いろいろ書いてある。

まだまだ未知の生き物のようだ。




オオグソクムシ属の化石

ダンゴムシの仲間の化石は珍しいとされるが、

日本ではオオグソクムシ属の化石が見つかっている。

中新世の地層からジュウイチトゲオオグソクムシ B. undecimspinosus やコミナトダイオウグソクムシ Bathynomus kominatoensis など。

オオグソクムシ属の化石は全国のいろいろな県からみつかっているらしい。

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2014年7月13日 (日)

タテジマコシビロダンゴムシの子ども

昨年、タテジマコシビロダンゴムシをつかまえて、1匹飼育していた。


そしたら、冬を越して、初夏に子どもを産んだ。
Photo

タテジマコシビロダンゴムシは長い間、精子を保存でき、暖かくないと、子どもを産まないようだ。

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2014年7月 9日 (水)

クジラの死体にいる海のダンゴムシのなかま

ダイオウグソクムシは深海にいる。

いろんなダンゴムシが深海にすんでいる。

ダンゴムシの仲間は飢えに強く、貧栄養なところでもいる。



赤道の深海のマンガン団塊地帯で、493匹130種のダンゴムシの仲間をみつけたと聞いたことがある。

「深海は、赤道に近いほど生き物は減る」ときいたことがあるが、ダンゴムシはなんのその?




深海の生物の論文

Ramirez-Llodra, E. Z., Brandt, A., Danovaro, R., De Mol, B., Escobar, E., German, C. R., ... & Narayanaswamy, B. E. (2010). Deep, diverse and definitely different: unique attributes of the world's largest ecosystem. Biogeosciences, (9).

ダンゴムシの仲間は、南半球では大陸棚より深海に多い、ふつう深海にいくほど体が小さくなり繁殖に投資するがダンゴムシは例外的。



ムンナ科(Munnidae)のミズムシ
Ws000143(論文より)
オスは鎌をもっている




深海ではときどきクジラの死体が落ちてくる。

その死体を核にできる生き物の群れを「鯨骨生物群集」という。



クジラの死体を食べるダンゴムシの新種

Natural History Museum (London)のホームページに、深海のクジラの死体からみつけた生き物のページがあった。

ワラジムシ目の新種をみつけたとある。
http://www.nhm.ac.uk/about-us/news/2013/march/first-whale-bone-habitat-spotted-on-antarctic-seabed118667.html



真っ白なワラジムシにみえる。おそらくミズムシ亜目(Asellota)。
Ws000134サイトより



クジラの生息数などを考えて、鯨骨はアメリカ沿岸で、5~15kmに1つほどあるとされる。

エサをもとめてそんなに移動できるのかな




鯨骨特異的なミズムシについての論文

Shallow-Water Northern Hemisphere Jaera (Crustacea, Isopoda, Janiridae) Found on Whale Bones in the Southern Ocean Deep Sea: Ecology and Description of Jaera tyleri sp. nov

クジラの死体にいるダンゴムシの仲間であるミズムシの新種である。



海底にクジラがしずむと、いくつかのステージにしたがって遷移していき、生物群集も変わる。

1.mobile-scavenger stage
2.enrichment opportunist stage
3.sulphophilic (“or sulphur-loving”) stage

(くわしくはwikipedia「鯨骨生物群集」をみてください。)

深海1400mに水中ロボット(ROV)をおくり、骨を回収している。



骨にくっついていたミズムシの一種(Jaera tyleri)を発見。
Ws000144論文より
目がない。

飼育も試したようだ。



北九州市立いのちのたび博物館でも深海のダンゴムシを調べているらしい。

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キクイムシに共生するミズムシ、木に穴を掘るダンゴムシのなかま

「ウオノエ」とよばれる寄生虫は、ダンゴムシの仲間である。

魚の体に口を刺し、体液を吸っている。

寄生でなく片利共生するダンゴムシの仲間もいる。




キクイムシ
(ダンゴムシの仲間)

海にいくと、穴だらけの木材がある。

フナクイムシという貝の喰い跡である。

キクイムシも、いるときがある。

Imgp68522
キクイムシ




キクイムシと共生するミズムシ

キクイムシが食べた木に、ミズムシのCaecijaeraが住むことがある。

このミズムシはキクイムシが掘った穴のかべにつく、子嚢菌や担子菌を食べているらしい。

この菌類は海水中の木材をたべている。

キクイムシがつくことで、菌の増殖が促進されるといわれる。



キクイムシは、木材にさまざまな菌を繁殖させているようだ。

Thiel, Martin. "Reproductive biology of Limnoria chilensis: another boring peracarid species with extended parental care." Journal of Natural History 37.14 (2003): 1713-1726.




木に穴を掘る海のダンゴムシ

キクイムシ亜目とコツブムシ亜目は木に穴を掘る。


キクイムシは、熱帯から北極ちかくまでいる。海水から汽水域にいる。木材を食べる。
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とても小さい



コツブムシは、熱帯から温帯までいる。海水から淡水域にいる。木にできた穴にすみ、海水中のプランクトンをこして食べるフィルターフィーダーである。

Imgp5654
木材に穴を開けているコツブムシ

Imgp5301
引っ張りだして撮影した写真






宮城県石巻市北上町橋浦の北上川汽水域の北上大橋付近での調査の記録にコツブムシがいた。

http://www.shiokaze.biodic.go.jp/PDF/h24report/h24_report_06.pdf(リンク切れ)

↑ここのサイトにコツブムシの写真がある。

59ページに「Limnoria属の一種と思われる」と紹介されている写真がある。

これはコツブムシの一種(おそらく Sphaeroma 属)。



Limnoria属(和名キクイムシ属)はキクイムシ亜目の一属である。

勘違いしていると思う。

 

 

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