エビノコバンに1ヶ月エサをやらなかったが、生きている。
大学祭で展示されていた、川に住むダンゴムシ「エビノコバン」をもらった。
それを飼育してみたが、宿主のスジエビがすぐに死んだ。酸素不足と水の腐敗が原因のようだ。
一方、エビノコバンは腐敗臭のする水でもしぶとく生きている。
ホストのスジエビの採集は面倒なので、水だけ替えていた。
自動的に、エサなしでどのくらい生きるのか確かめることになった。
結局1ヶ月以上、エビなしで生き続けている。ワラジムシ目は基本的に絶食に強いようだ。
小さいヌマエビは食べない…
この後、エビノコバンは2匹中1匹が死ぬ。
結局、ペットショップで大きいミナミヌマエビを5匹324円で買った。
5匹以上じゃないと売らないと言われた。5匹もいらない。
くっついた
くっついて数日経つが、離れないので寄生成功のようだ。
柔らかいエビならなんでもいいのかな?
長生きできなさそう。
せっかくなのでエビノコバンについて調べた。
琵琶湖のエビノコバンの生活史の記録
Ota, Y. (2019). Habitat utilization and seasonal occurrence of Tachaea chinensis (Isopoda: Corallanidae) infesting freshwater shrimps in Lake Biwa, central Japan. Crustacean research, 48, 133-143.
ヌマエビ、スジエビ、カワリヌマエビ属に寄生する。種によって寄生率が違う。
基本的に一匹のエビに一匹のエビノコバンが寄生する。
エビの体長と寄生しているエビノコバンの体長は比例することがある。
8月から孵化し、来年5月まで宿主に寄生して成長するが成熟はせず、夏に湖の底に降りて性成熟する。
6、7月は寄生率が0になる。
未成熟な個体は性別がわからないが、成熟するとオスは背中に突起ができコイル状のペニスができ、メスは育房ができる。
エビノコバンの分布の研究
エビの養殖場から捕ったスジエビ、バナメイエビ、テナガエビなどにエビノコバンが寄生していたと書いてある。
寄生率は0.62~4.42%と高い。
日本の大阪と中国各地のエビノコバンはミトコンドリアの16Sがほぼ同じになっている。らしいが、配列が公開されるとあるのにされていない。
エビノコバンは外来種の可能性があるらしいが、裏付けるものかもしれない。
同じ研究者がエビノコバンが寄生するとエビの遺伝子発現がどう変わるかのRNA-seqの研究も出していた。
Li Y, et al. 2018 Comparative transcriptome analysis of Chinese grass shrimp (Palaemonetes sinensis) infected with isopod parasite Tachaea chinensis. Fish & shellfish immunology, 82, 153-161.
寄生されると成長や繁殖に関わる遺伝子の発現が落ちるらしい。
エビノコバンに寄生されるとエビが痩せ細る傾向があり、これと一致する結果である。
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