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2015年6月27日 (土)

電車の広告にダンゴムシのイリドウイルスの話があった。

電車の日能研の額面広告にイリドウイルス Iridovirus と青いダンゴムシの話があった。
Imgp82342
日能研の広告


「ダンゴムシは、ある種類のウイルス(イリドウイルスの一種)に感染すると、体の色が青くなる…」

イリドウイルスはダンゴムシに死をもたらす病原体。

感染したダンゴムシをだんだんと青くする性質がある。

末期症状として、甲羅の細胞内にウイルスが結晶化して、それが青く見えている(詳しくは後述の論文を読んで下さい)。

(ダンゴムシの血液は青い色素ヘモシアニンを含むが、ほとんど透明にみえる。)


黒、赤、黄色、オレンジのダンゴムシは健康なダンゴムシで、青だけ病気によって出る色である。



昔、千葉県のヒメフナムシで見た。
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青いフナムシ(左)。右下は正常な茶色

感染ダンゴムシは美しい。

ダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシを青くできることがわかっている。



Photo
少し青いオカダンゴムシ

青くなり始めは微妙に残念な色合いで、時間が経つにつれ青味が強くなり、肉眼でもはっきりするほど青くなったら死ぬ。

稀に長生きすると聞いた。



新宿など東京都心でも青いダンゴムシが見られる。

東京大学の青いダンゴムシ: だんだんダンゴムシ

自然が残りダンゴムシが多くいる場所で見かける気がする。

見つかった場所をまとめているサイト→青色ダンゴムシ・ワラジムシ情報



イリドウイルスは日本中、世界中に分布するが、青いダンゴムシを見つけるのはなかなかに難しい。

私も見つけるのは1年に1回ぐらい。



「普通のダンゴムシは暗いところに隠れる習性がありますが、青いダンゴムシは明るいところに出てきやすくなります。」

聞いた話によると、非感染ダンゴムシは明るさを嫌うが、実験すると青いダンゴムシは明るさを気にしないらしい。

しかし自然環境下でもそうなのか不明。



「このような体の色や習性の変化が感染したウイルスにとってはどのような利点があると考えられますか。簡単に説明しなさい」



解答、解説

「感染後の色と行動は、感染ダンゴムシを目立たせる。

目立つと鳥などに捕食されやすくなる。

ウイルスはふんに混ざり、再び外に出て、近くのダンゴムシに感染する。

捕食者を介した他のダンゴムシへの感染が起きやすくなり、ウイルスは仲間を増やせる。」



断定口調だが、日本や海外の文献をかなり探してもソースが見つからない。

先生に聞いたところ、しっかり確かめた人はいないようだ。



そもそも鳥はダンゴムシを食べるのか?スズメはあまりダンゴムシを好まないと聞く。

他のダンゴムシ捕食者は、カエル、サンショウウオ、ムカデ、ハサミムシ、ゴミムシと夜行性で目も良くない。
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ダンゴムシの天敵ゴミムシ

色で目立って捕食者を利用できるのかな?



色が青の理由もいろいろ考えられる。

ダンゴムシを弱らせる太陽光を反射するために青くしているとか…

ダンゴムシ以外でも青くなるらしいので、色に何の意味もない可能性も?

青さの機能は証明されていないので気になる。



イリドウイルスの形

イリドウイルスの結晶構造や感染ダンゴムシの病状について調べた研究がある。

Iridovirus infection in terrestrial isopods from Sicily (Italy), Tissue and Cell, 2013

リンク先に、青いオカダンゴムシやワラジムシの写真やウイルスの結晶構造のイメージが載っている。



電子顕微鏡の写真から、ウイルスは正20面体ではないかと書いてある。
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イリドウイルスのイメージ

なんかすごくウイルスだ。



イタリア、日本、アメリカのウイルスの配列がほぼ一致している。(イリドウイルスは外来種?or 鳥を使って大移動してる?)

ウイルスは母子感染しないらしい。

日本でダンゴムシ研究をしている唐沢教授(福岡教育大学鳥取大学)の論文も引用されていた。

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