八景島シーパラダイスのミクロモンスター展
神奈川県の八景島シーパラダイスで7月12日までミクロモンスター展をやっている。
ウミクワガタ、ヘラムシなどのワラジムシ目(等脚類、Isopoda)とクーマ目(Cumacea)、ヨコエビ目(Amphipoda)が展示されている。
マニアックすぎる。ダンゴムシ好きとしては行くしかない。
オオグソクムシ(Bathynomus doederleini)
コーナーの目立つところにいたのは、オオグソクムシ。全然ミクロじゃない…
「キモッ」
「あれだろ?でっかいフナムシ」(←違います)
「ダイオウグソクムシだ!」(←違います)
オオグソクムシの学名は
(誤)Batynomus doederleini
(正)Bathynomus doederleini
別の場所で赤ちゃんも展示中
ヒラタヤリボヘラムシ Symmius planus
実は見たことなかった。初めて見た。
ヤリボヘラムシはトガリヘラムシ科(Chaetiliidae)に属する。
脚は第1胸脚から、場合によっては第6胸脚まで亜鎌状である。
周りにいた人たちの感想
子ども「ポケモンかっ」
ウミクワガタ(Gnatiidae科)
ウミクワガタ
これも初めて見た。
この仲間は、胸脚が5対である。(ほとんどのダンゴムシの仲間は7対)
「うわっ、魚に寄生して血を吸うだって。」
小さい甲殻類のパネルがいっぱい壁に貼ってあった。
…(シーン)
誰も見てない。スナホリムシモドキかわいいのに。
この展示を見て、とても興奮した。大満足。
でもこの展示は一般受けしないと思う。
とりあえず、学芸員が必死になって一般向けな展示にしようとしているのがわかった。
この手のマイナーな生き物は展示が難しいとはいえ(実際おもしろくないが)、やはり広く知ってもらわないといけない。
そうしないと、文学部の二の舞か、「2位じゃダメなんですか?」と言われ、研究が進まなくなるかもしれない。
この論文を思い出した。
Small, E. (2011). The new Noah's Ark: beautiful and useful species only. Part 1. Biodiversity conservation issues and priorities. Biodiversity, 12(4), 232-247.
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コメント
今度の8月8日と9日に九段下の科学技術館で開催される「博物ふぇすてぃばる」で、
穿孔性コツブムシ観察術と標本いろいろを出展することになりました。
生き物趣味人やダンゴ愛好家にとってコツブ・ウミセミの分野は意外に盲点ゆえ、
いろいろな場に出て裾野を広げなくてはと思い…
http://hakubutufesshoukai.blog.fc2.com/blog-entry-399.html
2メートル弱の小ブースですが、ミクロモンスター展に負けないよう頑張ります。
もしよろしければお立ち寄り下さいまし。
投稿: 川崎ピースケ | 2015年7月10日 (金) 15:51
コメントありがとうございます。
博物ふぇすてぃばるに是非行ってみたいです。
磯の生き物の図鑑を見ると、エビとカニはいても、コツブムシやスナホリムシは普通載っていません。
エビやカニより簡単に見つかるけど、知らない人は多いかもしれないですね。
投稿: だんだんダンゴムシ | 2015年7月11日 (土) 10:38