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2015年12月23日 (水)

デンマークの博物館

デンマークのzoologisk museum(Københavns Universitet)に行ってきた。無料。

外の階段を上がって、2階(first floor)から入り、入って左のエレベーターで一気に5階に行く。


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恐竜


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世界最大の貝の化石の一つ

貝殻が187cmもある。

名前はInoceramus/Sphenoceramus steenstrupi


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150年以上前に採集されたビカクシダの一種の標本


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昆虫の樹脂包埋標本



ちなみに6階もある。

クジラ、ゴリラ、マグロなどのホルマリン標本、乾燥標本、模型が展示されている。

展示も説明もおもしろくなかった。

先生に引率された子どもがいっぱいいた。恐竜をみてた。







上の話と関係ない、水族館に関して思ったこと

長いです。

なかなかマイナーな生き物は注目されないみたいなことを以前書いた。

特に海にいる生き物なんかは、食べ物以外なじみがなくて注目されにくいと思う。



かと言って、海に存在する生態系からの恩恵は大きく(水産物、水質浄化、レクリエーションなど)、無視できるものではない。

だから、上のような博物館で子どもがなじみがない生き物にも興味を持ってくれると、私としてはうれしい。



水族館のイルカのショーが見られなくなるかもみたいなニュースが以前あった。これには少し危機感を覚える。

世界動物園水族館協会の「残酷なイルカ漁で捕られたイルカは購入しない」という方針に沿って、日本の水族館もイルカの購入を止めて、繁殖にシフトし始めた。ただ、繁殖は難しく、今の飼育個体数を維持できないと言われている。

さらに、イルカなどの動物の芸は虐待であるという意見もある。



この動物保護の点で動物に芸をさせるのは良くないみたいなことを言う人がいるけど、逆に保護するために見せ物が必要だと思う。

もし、イルカショーがなくなったら、どれだけの人がイルカに興味を持つのか?



海にいる生き物には基本的にアクセスしにくい。

野生の昆虫は都会でも簡単に捕まえられるが、海を泳ぐエビやカニには難渋する。

さらに、海岸にあまり近づかないイルカなどは水族館にいない限り、一般の人は見ることすらなくなる。

海にどんな生き物がいるかを知る機会はあまりなく、調査もしにくいと思われる。



中国漁船によって小笠原諸島周辺の赤サンゴが密漁され、サンゴを基礎にした生態系が破壊されたときも、密漁前のデータがないのでどの程度の被害か正確にわかっていない。

陸なら過去の衛星写真を見れば、植生がある程度はわかるだろう。



もし多くの人にとって、水族館がなく海の生き物について知る機会がない状態で海の生態系が危機に陥ったとき、どうなるか。

たぶん保護を訴えてもスルーされるだろう。

例えば、アフリカのあるカエルが絶滅しそうだと言っても、普通は「なんで守るの?自分とは関係ないでしょ?」となる。

そして多くの人が実感できるほど事態が深刻化したときは、最悪水産物が全く取れないなどの取り返しのつかない事態になっているだろう。

そもそも、世間に注目されないものにお金は落ちない。研究に予算がつかなければ、緊急事態に気づかないかもしれない。



これを避け、生き物の保護を多くの人に訴えるには、「パンダ」が必要である。

その点で、イルカショーは一つの大きなきっかけになり得ると思う。

イルカやアザラシは最も人気のある生き物である。

そして、これだけ見て帰る人はまずいない。いろんな魚やエビ、クラゲも見て帰る。



もしイルカを知る人であれば、海に異変が起きてイルカが苦しんでいると知ったら、生態系の保護活動を支持するだろう。

イルカを絶滅から保護して、苦しまないようにするとなると、エサとなる魚やイカなども守ることになる。

また、水族館で別の生き物に興味を持ってくれる人があらわれて、その生き物も大切にしようとなるかもしれない。

これは結局、生態系の恩恵をうける人間にとってもプラスになる。



人は120年も生きないから、もし水族館からイルカが消えて120年経ったら、みんなイルカを知らない世界になる。

例えば、日本は夫婦別姓の国だったが、ヨーロッパを真似て夫婦同姓が明治に導入された。

まだ100年ちょっとしか経っていないのに、夫婦同姓はすでに日本の伝統だと言う人がいる。



同様に、イルカが水族館から消えれば、すぐにイルカという生き物の存在も忘れ去られるだろう。

そうなると、海の環境が破壊されたときイルカが苦しんでも、気づかないかもしれない。



それを防ぐための、イルカショーの影響力はとても大きいと考えられる。

確かに、イルカを飼育し、ショーをやらせることは、飼育されているイルカにはマイナスかもしれない。でも、イルカ全体を長い目でみた時、プラスになると思う。

目の前のイルカを救っても人間がなんとなく「いい気分だなー」となっただけの自己満足で、将来的に環境破壊によりイルカから警告がでても無視され、最終的には未来の人間も困ることになるかもしれない。



イルカショーをなくしたら、結局自分(というより我々の子ども)の首を絞めることになる気がする。

なじみがあるないに関わらず、イルカは生態系の中で重要なのは変わらないからである。



もちろん、動物ショーなしの展示で、イルカを含めた海の生き物に視線が注がれ、万が一のときの生物保護が進むならば、それが最適解だろう。

しかし暮らしに大きな影響をもたらす事柄であっても、福島の原発事故の前にあまり原発の問題点が議論されなかったみたいに、後戻りできないほど酷い状態にならなければ注目されないことはある。



上で書いたような大規模な密漁事件や事故(石油タンカーや洋上石油備蓄基地から原油が漏れたとか)を除いて、イルカショーの替わりはなにがあるだろう。

イルカの骨格標本を並べておいてもどうせ誰も見ないだろうし、

世界の流れを受けるなら今のうちに替わりのおもしろい展示を考えておいた方がいいのかもしれない。



長々書いたが、このような話題はよく議論されるようで、Yahoo知恵袋にも同じようなことが書いてあった。

…水族館というのは、観光施設であるのも事実ですが、水棲生物について学べる学習施設だと私は思っています。…イルカショーを客寄せのための見世物としてとらえる方は多いですが、「ショー」だけでなく「イルカ」自体に目を向けて、楽しむと同時に学習することが、水族館の有意義な利用方法ではないかな、と思います。…

確かに、博物館法の第二条、第三条にも、教育を手助けするように書いてある。



現実として、イルカショーが、というより水族館そのものが、遊ぶための娯楽施設だと思われているのは感じる。

今の水族館が、「教育」「研究」という目的を達成できているとは言い難いあたりもイルカショー問題につながっているのかな。

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