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2016年6月30日 (木)

epipodとはなにか。

以前の記事でオオグソクムシの脚を並べて紹介した。

オオグソクムシの付属肢(後編)



副肢 maxillipedal epipodはないの?、と書いた。

なぜ、このオオグソクムシに大顎の副肢がなかったのか。

BRUSCA, R. C. (1991). A phylogenetic analysis of the Isopoda with some classificatory recommendations. Mem Queensl Mus, 31, 143-204.



maxillipedal epipodの役割

maxillipedal epipod とはmaxillipedのcoxa節から前方に向かって生えている部位である。

口の部分のふたとしての機能がある。ウミナナフシ亜目などでは育房から卵が失われないようにする機能を持つ。

一部のコツブムシ、ヘラムシなどの、卵を抱えるメスでは後方に向くことがあり、卵の保護や卵に水流を送っていると考えられている。



maxillipedal epipodがない種

ヤドリムシ亜目やスナナナフシ亜目、カラボゾア亜目は、maxillipedal epipodは見られない。

ウオノエ亜目のオナシグソクムシ科、キクイムシ亜目のハドロマスタックス科なども、例外的に見られない。

オオグソクムシの属するスナホリムシ科グソクムシ科、ウオノエ科は、卵を抱えるメスを除いて、全ステージでmaxillipedal epipodがないか、小さい。



解剖したオオグソクムシは卵を抱えていないメスなので、epipodがないようだ。

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