« 2016年10月 | トップページ | 2016年12月 »

2016年11月

2016年11月28日 (月)

コツブムシの繁殖機構を乗っ取るヤドリムシ

ワラジムシ目(等脚類)のうち、約8割は自由生活で、

残りの2割は、他の動物に寄生して血液、体液を吸うことがある。
Imgp7783
スジエビに寄生するエビノコバン


ウオノエ亜目には寄生する種が多い。タイノエ、ウミクワガタ、ヤドリムシ…


ウオノエ亜目カクレヤドリムシ上科の Ancyroniscus bonnieri は、同じ等脚類のコツブムシ亜目の Dynamene bidentata に寄生することがわかっている。



コツブムシの Dynamene bidentata

Dynamene bidentata は地中海など大西洋北部にいる。

オスは背中に2本のとげを持つが、メスは持たない。


磯や浅い海の、岩の隙間や死んだフジツボの殻をすみかにしている。

日本にも死んだフジツボを住処にするコツブムシがいる。
Imgp2818


ワラジムシ目なので、メスは卵を胸節の育房で保護し、孵化するまで抱える性質を持つ。

カクレヤドリムシは、この卵を抱えているメスに寄生する。



カクレヤドリムシの Ancyroniscus bonnieri

Holdich, D. (1975). Ancyroniscus bonnieri (Isopoda, Epicaridea) infecting British populations of Dynamene bidentata (Isopoda, Sphaeromatidae). Crustaceana, 28(1), 145-151.


A. bonnieri
D. bidentata だけに寄生する。

寄生率は高く、1~3割ほど。

成体と寄生型幼生は、見た目がハエの幼虫のようで、目はなく、口器や胸脚などは退化している。

プランクトン幼生は発達した胸脚を持つ。


カクレヤドリムシの幼生は、コツブムシの体内に侵入し、内臓の組織に住み着く。

このときは、オスのコツブムシに寄生することもあり、一匹のコツブムシに最大4匹まで寄生する。


ただし、カクレヤドリムシのメスが卵をつくる場合は、コツブムシのメス一匹を独占する。

コツブムシの卵を食べ、代わりに自分の卵を産み付けてしまう。


寄生されたコツブムシは、カクレヤドリムシの卵を育てる。

ほとんどのダンゴムシが持つ、卵が孵るまでメスがお腹で保護する形質を逆手にとっている。



詳しい生活史

1.コツブムシが成熟し、卵が育房内にできると、カクレヤドリムシのメスは繁殖行動を開始する。

2.外骨格を破り、育房内に、頭と胸節の前半分を出す。
1
寄生されたコツブムシの断面図。論文の図を参考

寄生虫: 成熟前のカクレヤドリムシのメス。卵: 吸収されているコツブムシの卵


3.体組織に後ろ半分を固定したまま、コツブムシの卵を食い尽くす。

カクレヤドリムシのサイズが小さいと食べ残すことがある。

寄生しているのに口器や胸脚がわずかに残るのは、卵をエサにするため。


4.カクレヤドリムシのお腹は卵を消化して得た脂質で膨れる。

成熟したメスは、この栄養を元に自分の卵を作り出す。


5.作った卵は、コツブムシの育房と体組織内の両方に産む。

コツブムシよりも数が多い。

2
カクレヤドリムシに卵を産み付けられたコツブムシ。論文の図を参考


6.数ヶ月すると卵が孵り、カクレヤドリムシの幼虫が出てくる。

親のコツブムシ、カクレヤドリムシは共に死ぬ。


7.そして、出てきた幼虫はプランクトンになり、一次寄生者のカイアシに寄生しながら生活する。

コツブムシが見つかるまで漂い続ける。




カイアシに寄生するヤドリムシの写真

Medeiros GF, Medeiros LS, Henriques DM, Carlos MT, Faustino GVBDS, Lopes RM. 2006 Current distribution of the exotic copepod Pseudodiaptomus trihamatus Wright, 1937 along the northeastern coast of Brazil. Brazilian Journal of Oceanography, 54, 241-245.

ヤドリムシに寄生されているカイアシは珍しいと書いてある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年11月27日 (日)

ダイオウグソクムシがポケモンになった

ダイオウグソクムシをモチーフとしたポケモンが登場したようです。

名前が「グソクムシャ 」。英語はGolisopod。

 

1
上半身がかっこいい。(本物が一番かっこいい)



進化前が「コソクムシ」

グソクムシ+コツブムシみたいな名前だが、見た目はセロリスっぽい。



ついにワラジムシ目がポケモンになる時代になった。

ぬいぐるみ、スマホケース、ティーパック、マグネット、衣類、ウィンナー…

グソクムシ流行が廃りませんように

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年11月26日 (土)

ダンゴムシの尾肢は動く

コシビロダンゴムシの尾肢外肢は後ろに突き出る。
Imgp0074

左右に1本ずつある。

突つくと、尾肢がピクピク動く。

尾肢は動かせるみたい。



ダンゴムシは枯葉をバリバリ食べて、いっぱいフンをする。
Imgp0071
ダンゴムシが生きているとケースの中がフンだらけになる。

いっぱいフンをする割にあんまり大きくならない。

落ち葉は栄養少ない?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年11月24日 (木)

カナリヤ諸島のダンゴムシ

ダンゴムシをもらった。

大西洋に浮かぶカナリヤ諸島のダンゴムシ
Imgp0077
山の奥にいたらしい。



Ecological data of isopods (Crustacea: Oniscidea) in laurel forests from the Western Canary Islands

カナリヤ諸島は全島でオカダンゴムシが外来種として見られるらしい。

島にいるワラジムシ亜目11種のうち、少なくとも5種が外来種で、外来種の方が数も多い。

もらったのはオカダンゴムシかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年10月 | トップページ | 2016年12月 »