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2017年3月

2017年3月27日 (月)

フナムシのおなかの白い点々

ダンゴムシやワラジムシに、おなかに白い模様があるものがいる。

ヒメフナムシ
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体の裏側に、まるい点が並ぶ。


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普通は白色部が全くない。


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腹部が全身白い。

前半分が全体的に白く、脱皮の直前であることを示している。

脱皮前に廃棄予定の古い殻が濁る。



脱皮は、後ろ半分→前半分、と行うため、

後ろ半分の脱皮を終わらせたあと、前側にカルシウムなどを移動させていて、それが蓄積して見えているのかもしれない。

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2017年3月23日 (木)

ダンゴムシの鰓

ダンゴムシには、昔に海にいた名残と思われる性質が少し見られる。

腹肢に偽気管(白体)と呼ばれる、スポンジ状の板のような呼吸器官がある。

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黒線の白い部分。

体のおしりの方の腹側にある。



陸にいるとき、腹肢をほとんど動かさない。

しかし、水の中ではエビのように動かす。

 


水の中では、パタパタさせた方が呼吸の効率が良いのかもしれない。

と言っても、あまり長い時間は生きられない。



魚の鰓呼吸みたいだったから鰓としたけど、正確には鰓じゃないです…

ダンゴムシに鰓はないです。





フナムシの腹肢

ヒメフナムシも陸上では腹肢を動かさないが、

水に沈めると盛んに動かす。

動かさないときは、ほんの少し温めるとよい。



腹肢を動かす筋肉は、普段使わないはず。

維持しているのはなぜ?

よく水につかるから?









ダンゴムシの祖先は海の中で生きていた。

ワラジムシ目(Isopoda)はデボン紀に、さらにワラジムシ亜目(Oniscidea)は石炭紀に海で誕生したらしい。

甲殻類
┣ヨコエビ目
┣十脚目
┣ワラジムシ目
… ┣ワラジムシ亜目(陸棲)
   ┣コツブムシ亜目(水棲)
   ┣ミズムシ亜目 (水棲)
   …


ほとんどのワラジムシ目は海産であり、最初のワラジムシ亜目も海産だったと考えられている。

ワラジムシ亜目の一部は陸にあがってダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシに進化し、

海に残ったワラジムシ亜目は絶滅したと思われる。

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2017年3月20日 (月)

ダンゴムシも卵の薄皮が好き?

ワラジムシが卵の薄皮(卵殻膜)を食べるとネットで見た。

ワラジ虫を観察している元ひよこの中の人だより

飼っている三重県のコシビロダンゴムシも食べるのかなと思って、容器に入れてみた。

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食べた。

日に日に面積が縮小していく。

主成分はタンパク質でおいしい?

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2017年3月 8日 (水)

荒川周辺のワラジムシ、ヒメフナムシ

フナムシの仲間のヒメフナムシは森林にいる。

東京23区は住宅地が広がりヒメフナムシは大体いない。


ただ、インターネットに荒川周辺にいると書いてあった。

東京23区内の虫 2 ニホンヒメフナムシ

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探してみたらヒメフナムシがいた。


在来のワラジムシMongoloniscus
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一緒にいた。ヒメフナムシより乾燥や捕食者に強いからか広くいる。

不思議とオカダンゴムシがいない。

23区には在来種のワラジムシが見られるが、この種類はあんまり見ない気がする。



カメノコハムシ
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ジンガサハムシを見つけた。

この河原はいろんな昆虫がいた。

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昔のダンゴムシの呼び方。日本産陸棲等脚類に就て 岩本嘉兵衛(1943年)

ダンゴムシを昔から「ダンゴムシ」と呼んでいたわけではなかったらしい。

「マルムシ」と呼ぶこともある。



以下のダンゴムシの資料を見ると、ダンゴムシを「テマリムシ」と書いてある。

岩本嘉兵衛 1943 日本産陸棲等脚類に就て 植物及動物 第11卷 第12號 959-974ページ

Iwamoto K. 1943. On Japanese terrestrial isopods. Shokubutsu Oyobi dobutsu. 11: 959−974.

(正確には「産」の文字は「滻」の右側になっている。英訳には揺れがある。)



Iwamoto 1943


昭和初期のダンゴムシについての資料は珍しい。

筆者は横浜海運局植物検査課の人

1
最初のページ




I 緒言

>陸棲等脚類が農作物の重要害虫なることは周知のことであって…

ダンゴムシが害虫であること、植物の移動で広まることなどが書いてある。



昔は虫の研究というと、害虫の退治とみなされたようである。

単に虫の生態を調べる基礎科学は理解されなかった。

これもダンゴムシは害虫であるという側面をおしている。




II 記載の術語の解説、III 分類一覧

和名が今とだいぶ違う。

和名がついていないはずのものまで和名がついている。

ダンゴムシ研究者の布村氏も言っていたが無視されている状態である。



カナエムシ亞目=ワラジムシ亜目

Oniscidae カナエムシ科=ホンワラジムシ科

Asellidae アセルムシ亞目=ミズムシ亜目

Trichoniscidae ヘラムシ科=ナガワラジムシ科

ハラウネムシ亞目=フレアトイクス亜目

Armadillidium vulgare テマリムシ=オカダンゴムシ

テマリムシ科=オカダンゴムシ科

Armadillidae コシビロテマリムシ科=コシビロダンゴムシ科

Ligidium japonicum ヤマフナムシ=ニホンヒメフナムシ

Mesoniscidae トモムシ科=?。和名がない

Tylidae ダンゴムシ科=ハマダンゴムシ科

Eubelidae ナラベムシ科=?。和名がない

Armadillo tropicalis コシビロテマリムシ=?。新種だと書いてあるが、よくわからない。農作物への加害が大きいそうだ。タテジマコシビロダンゴムシのこと?

ハナダカテマリムシ=ハナダカダンゴムシ

ヒレフリムシ科 Scyphacidae=ウミベワラジムシ科



ワラジムシPorcellio scaber、ヲビワラジムシPorcellio dilatatusは今も同じ。

以下の4種のワラジムシが新種記載されているが現在使われていない。

Porcellio solifugus セグロワラジムシ

Porcellio maculatus フイリワラジムシ

Porcellio submaritimus イソワラジムシ

Porcellio fuscatus ヘリジロワラジムシ




IV 種類の識別

Ws000449
ハナダカダンゴムシ。特徴をとらえている。

オカダンゴムシ、セグロコシビロダンゴムシについても載っている。



布哇:ハワイと読むらしい

昭南:シンガポールと読むらしい




この雑誌は…

この本は全体的に戦中らしい匂いがする。

一冊七十八銭。



発行が皇紀2603年とあり、西暦がない。

北大、九大、東北大などが帝國大学。

南洋(現パラオ、ミクロネシア等)が委任統治領。

皇軍比島進駐。大東亞共榮圏。

このあたり学校で習った。



比島科學局(フィリピン科学局)の近況と女性科学者の活躍

というページがある。日本の力でフィリピンがアメリカの植民地から独立したこと、日本軍の規律が高くフィリピンの標本や設備が戦争で全く破壊されなかったこと、フィリピンの科学の発展に日本が貢献していることを称賛している。

フィリピンは女性の地位が高く、日本より女性研究者が多いと書いてある。

さらにフィリピンのように日本の女性が活躍することを促している。

今の日本も女性の進出は東南アジアより低いとされる。今も昔も変わらないのかな。



フィリピン人への差別的な内容があるかと思ったが、それはなかった。

フィリピンを褒めていて、潜在力が高く発展するだろうと期待している。

ただし、日本人の優秀性みたいな前時代的な民族主義な内容はあった。



この雑誌はこの号で廃刊になっている。その理由が、

>…決戦下の現状は用紙その他の材料をして益々不足を来たしつつあり…

などと物資が逼迫していると書いてある。

1943年は日本本土への空襲が始まり、太平洋で負けが込んでくるころ。



>本誌は本号をもって、皇国の勝ち抜くまで、一先ず休刊いたします。

とあり、戦争に負けたので、復刊していないようだ。

戦争よって科学の発展が妨げられてしまった。残念だ。

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