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2017年8月24日 (木)

ニセスナホリムシが人の体を食べた事例

前のページに、海に足を入れたらヨコエビ?に食われて重傷を負ったというニュースについて書いた。

BBCのニュース(画像に注意)ではニセスナホリムシの可能性も挙げている。


ニセスナホリムシは海に住む肉食のダンゴムシ。

スナホリムシ科には肉食の種類が多い。

死んだ魚を食べるが、人の死体を貪食することがある。



ニセスナホリムシによる土左衛門の蚕食例

平沢、喜田、柳瀬 1999. ニセスナホリムシの蚕食によって24時間で白骨化した一例(A Case Report of Encroached Corpse Skeletonized within 24 hours by the Ravage of Cirolana harfordi japonica) 法医学の実際と研究 42巻 221-223ページ

柏木、杉村、原 2010. 特異な蚕食を認めた水中死体の1剖検例:ニセスナホリムシによる死後損壊(A Forensic Autopsy Case of Drowning with Peculiar Encroaching Ravage: Postmortem Injuries by Cirolana harfordi japonica) 法医学の実際と研究 53巻 17-20ページ


どちらも白骨化した死体の写真が掲載されているので注意。

法医学はこういう分野だったのを思い出した。

人の死後何日で何の種類のウジやカビが出現するか、という研究を聞いたことがある。



1999年の三重県の事件

志摩半島沖で転覆した漁船に乗っていた漁師が、翌日、顔面が白骨化した死体で海底から見つかった、という三重県警の捜査一課による報告。

以下引用。

…「頭皮を残し…顔面、前頭部は軟部組織はなく白骨化し、」…

…「食道等は全てなく、…気管は一部蚕食され遊離し、頸椎前面を露出し、多数の小動物が這い出してきた。前胸部は蒼白で多数の小動物が蠢くが、皮膚表面に損傷はない。」…

…「胸腹部の諸臓器は概ね小動物によって蚕食されていた。」…


蠢く小動物は、ニセスナホリムシだと同定された。

眼や鼻、口、傷口から侵入し、内部を食べたと推測している。健康な皮膚からは侵入しにくいようだ。

24時間でこうなるようだ。



2010年の事件

入水したおばあさんの死体が、38~42時間後に海面を浮遊しているのが見つかった、という報告。

これも顔が集中して食われている。

…「ニセスナホリムシは粘膜や軟化した皮膚においては、小孔をあけて粘膜下ないし皮下に侵入することもあるが、未だ軟化していない皮膚においては、表皮をかじる程度」…



これらの事例から推測するに、健康な皮膚であればスナホリムシが問題になることはないと思われる。

スナホリムシは表皮に留まりたがらないようなので、じっとせず振り払えば問題ないようだ。

とりあえず安心して海水浴ができる。



海を漂う人の体を食べるのは、エビやカニ、ウミホタルのような甲殻類が多い。

サメのような魚も食べる。



Yahoo知恵袋にタコも死体を食べると書いてあるけれど、これは本当なの?

「法医学の実際と研究」には書いていなかった。

まーyahoo知恵袋だから信憑性がない



今まで書いてきた中で、一番きつい内容であった。

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