« 2017年12月 | トップページ | 2018年2月 »

2018年1月

2018年1月31日 (水)

山の渓流にいるフナムシの一覧。ヒメフナムシじゃない方

「ダンゴムシの本 まるまる一冊だんごむしガイド (奥山 風太郎, みのじ著)」という本に淡水周辺にいるフナムシが出てくる。

小笠原諸島の川の周りにナガレフナムシがいて、南西諸島の池にも名前がないフナムシがいると書いてある。


山にいるフナムシというとヒメフナムシ属が浮かぶが、これは海岸のフナムシとは姿形がだいぶ違う別属である。

ナガレフナムシはヒメフナムシではなく正真正銘のフナムシで、海岸にいるときの形を保ち、渓流域で一生を過ごす。

上の本ではナガレフナムシを「世界初の淡水フナムシ」としている。これはおかしい。


原因を探したら、ナガレフナムシの記載論文にも淡水域に生息するフナムシは初と書いてある。

「本種は純粋な淡水域に生息する種としては本属で初めての記録と思われる。」「The new species is the first representative of the genus inhabiting in small streams on steep slopes.」

布村 昇, 堀口 弘子, 佐々木 哲朗, 弘中 満太郎, 針山 孝彦 2011 小笠原諸島父島・兄島の渓流から発見されたフナムシ属(甲殻亜門:等脚目:フナムシ科)の1新種. 富山市科学博物館研究報告. 34, pp 73-79.

Nunomura, N., Horiguchi, H., Sasaki, T., Hironaka, M., & Hariyama, T. (2011). A new species of the genus Ligia (Crustacea: Isopoda: Ligiidae) from steep streams of Chichijima and Anijima Islands of the Ogasawara Islands. Bulletin of the Toyama Science Museum, 34, 73-79.


うーん…???

海岸以外にすむフナムシはすでに見つかっている。

川や陸で生きる陸生、淡水性フナムシを下にあげる。



海岸以外で生きるフナムシたち


今のところ、ナガレフナムシと合わせて8種見つかっている。

フナムシ属が50種ぐらいだから、少なくない割合である。

分布域は限定的かも。


Ligia simoni (Dollfus, 1893)
Colombia and Venezuela
ベネズエラのバレンシアの山頂の海抜1200mが模式産地。

Ligia perkinsi (Dollfus, 1900)
the Hawaiian islands
ハワイのカウアイ島やオアフ島の標高650-2000mに分布する。

Ligia platycephala (Van Name, 1925)
Venezuela, Guiana, and Trinidad
枯死木から捕れたと書いてある

Ligia latissima (Verhoeff, 1926)
New Caledonia

Ligia philoscoides Jackson, 1938
the Austral Islands

オガサワラフナムシ Ligia boninensis Nunomura,1979
the Bonin Islands, Japan
Nunomura N (1979) Ligia boninensis, a new isopod crustacean from Hahajima Island, Ogasawara. Islands, Japan. Bulletin of Toyama Science Museum, 1: 37–40

Ligia taiwanensis Lee, 1994
Taiwan
台湾の恒春の標高150mの山地の渓流が模式産地。海抜80-300mの渓流周辺に分布する。

ナガレフナムシ Ligia torrenticola Nunomura, 2011
Hahajima Island, Japan


Taiti, S., Arnedo, M. A., Lew, S. E., Roderick, G. K. (2003). Evolution of terrestriality in Hawaiian species of the genus Ligia (Isopoda, Oniscidea). Crustaceana Monographs, 2, 85-102.

Santamaria, C. A., Mateos, M., Taiti, S., DeWitt, T. J., Hurtado, L. A. (2013). A complex evolutionary history in a remote archipelago: phylogeography and morphometrics of theHawaiian endemic Ligia isopods. PloS one, 8(12), e85199.



熱帯に多い。

普通のフナムシが川に進出できないのは他の生き物がいるのが原因かな?

小笠原諸島はライバルがいないのかもしれない。


ちなみに市販の図鑑ではフナムシを海の生き物としているが、フナムシは立派な陸の等脚類 terrestrial isopod である。




小笠原諸島、伊豆諸島、琉球列島の海岸性のフナムシ


小笠原諸島には海岸性のアシナガフナムシがいて、三宅島、八丈島、琉球列島にはそれぞれ固有の海岸性のフナムシがいる。

小笠原諸島 Ogasawara Islands
アシナガフナムシ Ligia yamanishii Nunomura, 1990
Nunomura, N. (1990) Studies on the terrestrial isopod crustaceans in Japan V. Taxonomy of the families Armadillidiidae, Armadillidae and Tylidae, with taxonomic supplements to some other families. Bulletin of the Toyama Science Museum. 13 1-58.

三宅島 Miyake Island
ミヤケフナムシ Ligia miyakensis Nunomura, 1999
Nunomura N. (1999) Sea shore isopod crustaceans collected from Izu Islands, middle Japan Bulletin of the Toyama Science Museum, 22: 7–38

八丈島 Hachijo Island
ハチジョウフナムシ Ligia hachijoensis Nunomura, 1999
同上

琉球列島 Ryukyu Islands
リュウキュウフナムシ Ligia ryukyuensis Nunomura, 1983
Nunomura N. 1983 Studies on the terrestrial isopod crustaceans in Japan. 1. Taxonomy of the families Ligiidae, Trichoniscidae and Olbrinidae. Bulletin of the Toyama Science Museum 5, 23-68

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月25日 (木)

ダンゴムシの甲羅から出る白い分泌物

千葉県南房総市のコシビロダンゴムシをもらった。

セグロコシビロダンゴムシ?
Photo_2


Imgp1509
甲羅の側面から白い物を分泌した。


Imgp1507



オカダンゴムシはほとんど出さない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月20日 (土)

鳥・両生類の寄生虫(鉤頭虫)がダンゴムシやヒメフナムシを中間宿主にする

去年、北海道でワラジムシ目の新しい寄生虫が見つかったらしい。

ニホンヒメフナムシを中間宿主とし、両生類に寄生する鉤頭虫の話が67ページに載っている。



オカダンゴムシ、ワラジムシを中間宿主とする鉤頭虫

鉤頭虫 Plagiorhynchus cylindraceus は、陸上等脚類を中間宿主として、終宿主を鳥とする。

Schmidt, G. D., & Olsen, O. W. (1964). Life cycle and development of Prosthorhynchus formosus (Van Cleave, 1918) Travassos, 1926, an acanthocephalan parasite of birds. The Journal of parasitology, 721-730.

Bouchon, D., Zimmer, M., & Dittmer, J. (2016). The Terrestrial Isopod Microbiome: An All-in-One Toolbox for Animal–Microbe Interactions of Ecological Relevance. Frontiers in microbiology, 7.



この鉤頭虫は、オカダンゴムシ、ワラジムシ、ハクタイワラジムシから見つかっている。

アメリカやヨーロッパから見つかっている。

「日本から」、「ヒメフナムシから」、は初めて?




生活史

鳥の腸に寄生する親が、卵を鳥の糞に排出

この糞を食べたダンゴムシ、ワラジムシの腸で孵化、腸の表皮に侵入

休眠後、さらに体腔内に侵入

2ヶ月で感染性のシストに発育

ホストが鳥に食われると、鉤頭虫は鳥の腸壁に刺さり、性成熟



ワラジムシ目の感染率は極めて低い。

感染するには、幼虫がダンゴムシの腸の表皮を食い破る必要がある。

ダンゴムシの実験で、細胞性免疫の包囲化で、大人では感染が阻止されやすく、子どもは成功しやすいことがわかっている。

感染が成功すると、ダンゴムシのメスは繁殖力が落ちる。



イリドウイルス同様、感染個体は行動が変わり、土の外に出て来るようになる。

鳥に見つかりやすくなるためだと考えられる。

鉤頭虫プラギオリンクスの話はこの寄生虫の本にも書いてあるそうです。




鉤頭虫はヒトに感染することもあるので、ダンゴムシ、ワラジムシの生食は避けた方が良いだろう。

ダンゴムシのWikipediaに「毒などを持っていないダンゴムシは、災害時の非常食として利用できる。」とあるが、火は通すべきかもしれない。




イリドウイルスのページで、感染ダンゴムシが明るい所でも出て来ることと、鳥に食われやすくなることの関係に疑問を呈してしまった。

この事例を見ると関係があるようだ。

鳥はダンゴムシを食べるようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月12日 (金)

榛名山のヒメフナムシ

榛名山の伊香保神社に初詣に行った。
Imgp15182
見晴台から望む赤城山


森で落ち葉をひっくり返した。
Photo
落ち葉の下にいたヒメフナムシ


採集は大変だった。
Imgp1512

普通に落ち葉が積もっているだけだと思っていたら、中は凍っていた。
Imgp1513

氷の層をどけると、凍っていない層に到達し、ここにヒメフナムシがいた。
Imgp1517
すごく寒かったが、ヒメフナムシは歩いていた。







関係ない写真

榛名山にも行った。頭文字Dだった。

おもちゃの博物館
Imgp1511
TOYOTA 2000GT

昔見たこれと似ている。
Imgp99492
Mazda Cosmo L10B

Imgp15212
八ッ場ダム

Imgp15232
草津の中和工場

Imgp15242
ノーマルタイヤでこの道を走ったら、帰れなくなった。

冬の山道はチェーンが必須です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年12月 | トップページ | 2018年2月 »