鳥・両生類の寄生虫(鉤頭虫)がダンゴムシやヒメフナムシを中間宿主にする
去年、北海道でワラジムシ目の新しい寄生虫が見つかったらしい。
ニホンヒメフナムシを中間宿主とし、両生類に寄生する鉤頭虫の話が67ページに載っている。
オカダンゴムシ、ワラジムシを中間宿主とする鉤頭虫
鉤頭虫 Plagiorhynchus cylindraceus は、陸上等脚類を中間宿主として、終宿主を鳥とする。
Schmidt, G. D., & Olsen, O. W. (1964). Life cycle and development of Prosthorhynchus formosus (Van Cleave, 1918) Travassos, 1926, an acanthocephalan parasite of birds. The Journal of parasitology, 721-730.
Bouchon, D., Zimmer, M.,
& Dittmer, J. (2016). The Terrestrial Isopod Microbiome: An
All-in-One Toolbox for Animal–Microbe Interactions of Ecological
Relevance. Frontiers in microbiology, 7.
この鉤頭虫は、オカダンゴムシ、ワラジムシ、ハクタイワラジムシから見つかっている。
アメリカやヨーロッパから見つかっている。
「日本から」、「ヒメフナムシから」、は初めて?
生活史
鳥の腸に寄生する親が、卵を鳥の糞に排出
この糞を食べたダンゴムシ、ワラジムシの腸で孵化、腸の表皮に侵入
休眠後、さらに体腔内に侵入
2ヶ月で感染性のシストに発育
ホストが鳥に食われると、鉤頭虫は鳥の腸壁に刺さり、性成熟
ワラジムシ目の感染率は極めて低い。
感染するには、幼虫がダンゴムシの腸の表皮を食い破る必要がある。
ダンゴムシの実験で、細胞性免疫の包囲化で、大人では感染が阻止されやすく、子どもは成功しやすいことがわかっている。
感染が成功すると、ダンゴムシのメスは繁殖力が落ちる。
イリドウイルス同様、感染個体は行動が変わり、土の外に出て来るようになる。
鳥に見つかりやすくなるためだと考えられる。
鉤頭虫プラギオリンクスの話はこの寄生虫の本にも書いてあるそうです。
鉤頭虫はヒトに感染することもあるので、ダンゴムシ、ワラジムシの生食は避けた方が良いだろう。
ダンゴムシのWikipediaに「毒などを持っていないダンゴムシは、災害時の非常食として利用できる。」とあるが、火は通すべきかもしれない。
イリドウイルスのページで、感染ダンゴムシが明るい所でも出て来ることと、鳥に食われやすくなることの関係に疑問を呈してしまった。
この事例を見ると関係があるようだ。
鳥はダンゴムシを食べるようです。
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