日本産ハヤシワラジムシ科(トウヨウワラジムシ科)の形態
日本在来のワラジムシのうち、ハヤシワラジムシ科(昔のトウヨウワラジムシ科) Agnaridae (Trachelipidae) のワラジムシが一番よく見られる。
種類が多くて、分類も混乱している。
日本産土壌動物図鑑をもとに、チェックしておくべきポイントを書いた。
(このページを読んでも属、種名を特定できないです。日本のワラジムシ限定かもしれないです。)
ハヤシワラジムシ科と他のワラジムシの見分け方は以下
ハヤシワラジムシ科とハクタイワラジムシ科の違い: だんだんダンゴムシ
ハヤシワラジムシ科の属への落とし方
ハヤシワラジムシ科3属の見分け方: だんだんダンゴムシ
まず、5対の白体(偽気管)があることを確認。
腹節に白い部分があることがある。ハヤシワラジムシ科は全ての種が左右5対ある。
ハクタイワラジムシ科も5対だが、顕微鏡で見ると偽気管が覆われない。
他のワラジムシは、0対か2対。
0対
ナガワラジムシ
2対(矢印)
外来ワラジムシ
noduli lateralesの位置
ダンゴムシ、ワラジムシ類は甲羅表面に、際立って太い毛 noduli laterales が生えている。
これの位置が重要。属、種によって位置が違うことがある。
このワラジムシの毛は、全胸節で縁近くに生えていて、第5胸節以降は後ろよりになっている。
例外があるが、第2~4胸節の毛が全て縁近くに生えるとヒトザトワラジムシ属かヒナワラジムシ属、縁から離れるとオオハヤシワラジムシ属
第2触角
第2触角の先端に2つの節の長さの差が、種によって違うことがある。
長さにあまり差がない。
先端の節が、根元の節の2.5倍以上の長さ。
ただし、成長によって変化することがあるワラジムシもいる。
腹尾節の形
一番後ろの節の形。
頭の形
一番前の節の前縁、目の前方の突出具合
前縁が円い種、目の前方の突出が強い種もある。
オスの腹肢
オスの腹肢は分類上、非常に重要。
オスの第1腹肢の先端のへこみ具合や第2腹肢内肢の形状をみる。
このほかに、甲羅の色、胸節の縁の形などを見る。
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