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2018年7月

2018年7月29日 (日)

ワラジムシ、ホソワラジ、クマワラジ、オビワラジの見分け方

日本ではダンゴムシと一緒にワラジムシがよくいる。
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ワラジムシ


日本で有名な外来種のワラジムシはこの5種

ワラジムシ
クマワラジムシ
オビワラジムシ
ホソワラジムシ
ヘリジロワラジムシ(チョビヒゲワラジムシ)


5種ともヨーロッパや北アフリカ由来の外来種。

ワラジムシは東日本に多く、ホソワラジムシとクマワラジムシは西日本に多い気がする。

ヘリジロワラジムシは侵入口となる港に多い。

オビワラジムシは珍しい。


住宅街の緑地に多い。(オビワラジムシだけちょっと違う印象)

wikipediaのワラジムシ亜目にホンワラジムシ Oniscus asellus が「全国に広く分布している」と書かれているが、実際は日本からの記録がないので間違い。ホソワラジムシの誤記だと思われる。


ワラジムシやホソワラジムシは飼いやすいらしい。

ホソワラジムシはエサとしてレプタイル系のペットショップで売ってることもある。

白化型やオレンジなどの美しい色のワラジムシやホソワラジムシもしばしば売られている。(私はこの手の販売品の魅力があまりよくわからない。自然にいるワラジムシこそ至高であり、それを自分で捕まえに行くのが楽しいと思っている。)



外来ワラジムシ5種の特徴


この5種と他の日本産ワラジムシの違いは、腹肢の白い部分(偽気管、白体)の数である。

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矢印が偽気管

5種は偽気管が2対あることで他と区別できる。

他の外来種ナガワラジムシは0対、日本在来のワラジムシは0対か5対。


追記

ヘリジロワラジムシを完全に失念しておった。

偽気管が2対ある外来種ワラジムシは他にヘリジロワラジムシがいる。

このページの一番下に追記する。



外来ワラジムシ4種の同定


この種類は肉眼で見分けられる


ワラジムシ Porcellio scaber
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体形がスマート

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(場合によっては幅広だけど…)

Photo_2

腹尾節の後端(黄色)が尖る

尾肢外肢(緑)が体の割にあまり長くない

甲羅がゴツゴツ

体色は灰色が多いが、黄色や茶色、オレンジのこともある



クマワラジムシ Porcellio laevis
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メス(上)、オス(下)

体型がずんぐり。体の大きさは4種の中で最大

腹尾節の後端が尖る

尾肢が長くて鋭い

甲羅がテカテカのツルツル

色は、濃い灰色(+薄っすら茶色がかることがある)~黒



オビワラジムシ Porcellio dilatatus
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左がオビワラジムシ、右は在来種のハヤシワラジムシ科の仲間。

体型が4種の中で一番ずんぐり

腹尾節の後端が円い(微妙に尖る印象の個体もあり)
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尾肢が短い

甲羅はテカテカだがゴツゴツ

色は明るい灰色~茶色



ホソワラジムシ Porcellionides pruinosus
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体型がスマート。足がはやい

甲羅に粉がふいているように見えることがある

色は白~明るい灰色、ほんのり赤味やオレンジ味を帯びることがある

触角が黒白のしましま(第4節と第5節の末端側に白い部分がある)



メモ

ワラジムシやホソワラジムシは体型がスマートだが性的二型があり、大人のメスは若干オスより幅広になる。成長によっても幅広になる。

Ismail TG. 2021. Seasonal shape variations, ontogenetic shape changes, and sexual dimorphism in a population of land isopod Porcellionides pruinosus: a geometric morphometric study. The Journal of Basic and Applied Zoology, 82(1), 1-15.


ホソワラジムシには隠蔽種があるため、ホソワラジムシ種群 Porcillionides pruinosus complex と呼ぶことがある。形態的に同じだが遺伝的に違う隠蔽種どうしでは交尾が起きないので完全に別種である。

Lefebvre F., Marcadé I. 2005 New insights in the Porcellionides pruinosus complex (Isopoda, Oniscidea): biological, behavioural, and morphological approaches. Crustaceana, 465-480.



Porcellio属とPorcellionides属の違い


第1~4胸節の後方側面が、Porcellionides属は円い。
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ホソワラジムシ


Porcellio属は外へ張り出し、尖る。
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オビワラジムシ




ヘリジロワラジムシ(チョビヒゲワラジムシ)Agabiformius lentus


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兵庫県の甲子園や神奈川県横浜市、沖縄県久高島などに侵入している。

地中海原産(模式産地アルジェリア)の外来種で、アジア、中東、アメリカ大陸などにも侵入している。

Schmalfuss H. 2000 The terrestrial isopods (Oniscidea) of Greece. 20th contribution: genus Leptotrichus (Porcellionidae). Stuttgarter Beiträge zur Naturkunde Serie A 618: 1–64.


ヘリジロワラジムシ Porcellio fuscatusモンツキワラジムシ Leptotrichus kudakaensis、チョビヒゲワラジムシ Leptotrichus chobihigeはシノニムである。

Iwamoto 1943の使用した和名であるヘリジロワラジムシが引き継がれているようである。


他の4種のワラジムシ科と比較して、頭部の眼の出っ張りが大きく、色も明るい傾向があるが個体差が激しい。

まるで別種だと勘違いさせられるほどなので、シノニムが極めて多い。

https://www.bmig.org.uk/species/agabiformius-lentus




日本のワラジムシ科Porcellionidae
┣ワラジムシ属 Porcellio
┃ ┣ワラジムシ Porcellio scaber
┃ ┣クマワラジムシ Porcellio laevis
┃ ┗オビワラジムシ Porcellio dilatatus

┣ホソワラジムシ属 Porcellionides
┃ ┗ホソワラジムシ Porcellionides pruinosus

┗チョビヒゲワラジムシ属 Agabiformius
  ┗ヘリジロワラジムシ Agabiformius lentus

 

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2018年7月23日 (月)

最終氷期の後、海のワラジムシ目の数が急増している

日本の海岸にいる等脚類の遺伝子を調べている研究でヘラムシとキクイムシを調査して、

個体数の変動で似たような結果を出していた。



北海道のヘラムシ


Hiruta, S. F., Ikoma, M., Katoh, T., Kajihara, H., & Dick, M. H. (2017). A matter of persistence: differential Late Pleistocene survival of two rocky-shore idoteid isopod species in northern Japan. Hydrobiologia, 799(1), 151-179.

オホーツクヘラムシ Idotea ochotensis と、イソヘラムシ Cleantiella isopus

北海道と東北の岩場の磯でそれぞれ200匹ぐらい採集している。
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海草に擬態するオホーツクヘラムシ?

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イソヘラムシ?

どっちも海藻をとると付いていることがある。



北海道では、オホーツクヘラムシは13万年ぐらい前から増えていて、イソヘラムシは最終氷期(約2万年)後に数が増えていると推測している。

オホーツクヘラムシは寒い所が好きで、氷河期を乗り越えて増え続け、

イソヘラムシは寒い所が苦手なので、氷河期が終わってから数が増えた、

ということらしい。



太平洋のキクイムシ


Yoshino, H., Yamaji, F., & Ohsawa, T. A. (2018). Genetic structure and dispersal patterns in Limnoria nagatai (Limnoriidae, Isopoda) dwelling in non-buoyant kelps, Eisenia bicyclis and E. arborea, in Japan. PloS one, 13(6), e0198451.

太平洋と日本海のナガタキクイムシ Limnoria nagatai について調べている。

ナガタキクイムシは海藻のアラメにいて100匹ぐらい集めている。
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キクイムシ

最終氷期の後、太平洋のナガタキクイムシは数が増えていると推測している。




太平洋のイワホリコツブムシ


イワホリコツブムシも似たような結果のようだ。

Kitaura, J., Yoshida, R., & Nunomura, N. (2018). Genetic population structure of Sphaeroma wadai Nunomura, 1994 (Isopoda: Sphaeromatidae) along the Japanese coast. Crustacean Research, 47, 111-123.



浅い海にいると亜目が違っても似た結果になるのはおもしろい。

陸にいる昆虫とかも氷河期が終わってから増えた例はあるらしい。

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2018年7月22日 (日)

植物苗にくっつくワラジムシ

沖縄から購入したマンゴーの苗からどんな生き物が出るかの調査結果のpdfを発見

世界自然遺産地域小笠原諸島新たな外来種の侵入・拡散防止に関する検討の成果と今後の課題の整理



マンゴーの苗を25株買って、ワラジムシ6匹、ヒメフナムシorヒメワラジムシ2匹見つけている。



こうやって外来ダンゴムシやワラジムシが広がる?

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2018年7月17日 (火)

キクイムシと軍隊

海中に木材を沈めると、穴だらけになる。

フナクイムシ Teredinidae (二枚貝綱)とキクイムシ Limnoriidae (ワラジムシ目)という木材穿孔性の動物のせいであることが多い。
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フナクイムシは石灰でできた白い巣を作る(下)。

キクイムシもよく一緒にいる(左中央)。



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キクイムシ Limnoria ?のmanca幼生



木造船の被害は昔からよく知られる。

銅板を張ったり、陸揚げして干したりして対策をとっていた。



Shipworms and the Making of the American Coastline

これに海軍と木材穿孔性動物の戦いについて少し書いてある。

キクイムシとフナクイムシには昔から苦労してきたらしい。

木造の港湾施設が破壊されたり、木造船に穴が開いたり。

今は海に沈んだ木造船の保存で問題になっている。



意外にも鉄の船が主流になっても軍による研究は続いていて、第二次世界大戦後でも進められている。

調べたら今の自衛隊もまだ木造船を持っていた。

キクイムシの研究は軍隊が中心に進めていたと某等脚類研究者から聞いたことがある。

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2018年7月14日 (土)

また青いダンゴムシを見つけた

ダンゴムシがかかる病原体の一つにイリドウイルスがある。

青いダンゴムシ: だんだんダンゴムシ

これに感染すると、体が青く変色する。



千葉県香取市で青いダンゴムシを見た。

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微妙に左のオカダンゴムシが青い。右は健康。



何日か飼育したら、さらに青くなった。
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数百匹ぐらい見たが、これ1匹だけだった。



青いダンゴムシは全国で見られるが、

珍しい病気で、なかなか見つけられない。

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2018年7月 6日 (金)

ダンゴムシのオスの好みは、交尾済みメス<未交尾メス化オス<未交尾メス

ダンゴムシはボルバキア Wolbachia という細菌に感染することがある。

この細菌は感染先のダンゴムシがオスの場合、メス化させることがある。

メス化したオスは、遺伝的にオスだが生理的にはメスとなり、子どもを産むこともできる。



「オス」

「オスのはずがボルバキア感染で性転換したメス」

「真のメス」

の3種類が存在することになる。



ボルバキア感染者は好かれない

Moreau, J., Bertin, A., Caubet, Y., & Rigaud, T. (2001). Sexual selection in an isopod with Wolbachia‐induced sex reversal: males prefer real females. Journal of Evolutionary Biology, 14(3), 388-394.


オカダンゴムシ Armadillidium vulgare のオスが、ボルバキア感染メスや非感染メスと交尾するかの実験。

結果、交尾率は非感染メスは8割、感染メスは5割。

感染メスは注入された精子の数も少ない。



メス化されているとはいえ、遺伝的にはオスのため、本物のメスとは匂いが違って抑制的になるのかもしれないと書いてある。

ボルバキア感染で嫌われているわけではなく、メスになり切れていないからかも?



ボルバキア感染メスの場合、産む子供が全てボルバキアに感染してメスとなる。

フィッシャーの原理からも、ボルバキアの感染率が高い場合、感染メスを避けるのは合理的。

ボルバキア感染メスとの交尾率が低いのは、ボルバキアへの反撃とみなせるかもしれない。




では、交尾済みメスとボルバキア感染の未交尾メスではどっちが良いのか?



交尾済みメス<ボルバキア感染の未交尾メス

Fortin, M., Debenest, C., Souty‐Grosset, C., & Richard, F. J. (2018). Males prefer virgin females, even if parasitized, in the terrestrial isopod Armadillidium vulgare. Ecology and evolution, 8(6), 3341-3353.


結果、交尾済みのメスより、ボルバキアに感染していても未交尾のメスが好まれるらしい。

メスを檻に閉じ込めてオスに選ばせると、既交尾メスよりボルバキア感染未交尾メスのそばに1.5倍ほど長くとどまる結果に。

交尾もボルバキア感染の未交尾メスとしたがる傾向になっている。



この研究の実験結果では既交尾メスは交尾したがらない結果だけど、

私が見る分には、大きめのメスでも交尾しているのをよく見る。

意外な結果だ。


















関係ない話

最近、外国人に声をかけられた。


東アジア系の観光客に電車に乗りたいと言われて、駅名を聞いたら、

「ホエバー」

と言われた。


どこの駅だ?

と思ったら、wherever と言っているようだった。

どこでも良い、ということらしい。

(この場合、正しくは、anywhere かな?)



別のときは、東南アジア系?の通行人に

「チューブエスプッス」はどこ?

と言われた。


チューブ?地下鉄?

聞き返したら、つくばエクスプレスだった。

発音がなまり過ぎててわからない。近くを通ってないから余計にわからなかった。


英語で道案内できず、結局どちらも、駅まで連れてってしまった。

英語はできた方が良いと感じる。

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2018年7月 4日 (水)

ダンゴムシのオスは匂い?でメスの交尾経験の有無がわかる

ダンゴムシは目があまり見えないので、触角を使って周りの匂いを嗅ぎ、相手を知る。

化学物質を常に出し、仲間か、性別、交尾ができるかを区別できる。


ダンゴムシ間の連絡で使うフェロモンの類はわかっていない。

下の研究では、炭化水素、ケトン、脂質が甲羅から検出されたとある。


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甲殻類の性フェロモンの特定は非常に難しいらしい。

2011年にヨーロッパミドリガニCarcinus maenasの性フェロモンがウリジン二リン酸であることがわかり、これが甲殻類で最初の性フェロモンとなる化学物質の特定である。

Hardege JD, Bartels-Hardege HD, Fletcher N, Terschak JA and others (2011) Identification of a female sex pheromone in Carcinus maenas. Mar Ecol Prog Ser 436:177-189.
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ダンゴムシのオスは性フェロモンでメスを認識し、交尾ができるか(脱皮の直前か)も確認して、メスにアプローチする。

ダンゴムシの交尾、フナムシの交尾: だんだんダンゴムシ

コシビロダンゴムシ Venezillo evergladensis では、交尾を経験したメスよりも未交尾メスはオスの交尾行動を強く誘発する。


オカダンゴムシで実験して、オスはメスの交尾経験を知ることができると結論づける研究があった。



未交尾メスと既交尾メス

Fortin, M., Debenest, C., Souty‐Grosset, C., & Richard, F. J. (2018). Males prefer virgin females, even if parasitized, in the terrestrial isopod Armadillidium vulgare. Ecology and evolution, 8(6), 3341-3353.

1匹の未交尾オスを用意して、未交尾メスと既交尾メスを選ばせている。



一緒のケースに入れると、交尾までしようとするのは未交尾メスの方が多い。2倍近い差がついている。

(未交尾メスが交尾を受け入れる確率は1/2。対して、既交尾メスのほとんどは交尾を拒否する。)



メスを檻に閉じ込めて、オスがどちらに近づくかも試している。

この場合も、2倍以上の時間、未交尾メスのそばにいる結果。




オスにとって既交尾メスの魅力が低い理由は、交尾を拒否されやすく、すでに精子を保持していて残せる子孫が減るから。

メスは長期間、精子を保持でき、メスが産める子供の数は限りがあるので、

既交尾メスの場合、他のオスと競合して自分の子供の数が減ってしまう。



既交尾メスが交尾を拒否する理由は、交尾がコストだからとしている。

交尾の何がコストとなるのかはわからないと書いてある。

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2018年7月 2日 (月)

オカダンゴムシは近親交配の悪影響が起きる

https://tel.archives-ouvertes.fr/tel-00340823/document

ここに、「メスの繁殖力(卵の数?)は、オスが存在することで上昇する」といことが書いてあるらしいのだが、フランス語で読めない。



血縁関係の強い個体間で交配すると、繁殖に悪影響が出ることは昔から知られる。

オカダンゴムシもこれがあるらしく、

オスは遺伝的に離れたメスを好む、ヘテロ接合度が高いオスが勝つ、遺伝的に近縁な両親の子供は数が少ない、という現象が起きることから、そう予想された。




実際証明した研究

Durand, S., Loiseau, V., Prigot, C., Braquart‐Varnier, C., & Beltran‐Bech, S. (2018). Producing offspring in Armadillidium vulgare: Effects of genetic diversity and inbreeding. Evolution & development, 20(2), 65-77.

オカダンゴムシを数百匹掛け合わせて、生存率やサイズを調べている。

11のマイクロサテライトマーカーで genotyping している。



同系交配の実験

兄弟姉妹の個体どうし VS 少なくとも2世代先まで共通祖先がいない個体どうしで掛け合わせる。



メス親のサイズが大きいほど、卵の数も多い。メス親のヘテロ接合度が高いほど、卵の数が多い。

しかし、親が兄弟姉妹かどうかは関係なし。

卵が孵化まで到達した割合は、メス親のサイズだけに正の相関。




遺伝的な近さで比較する実験

兄弟姉妹の個体どうし VS そうでない個体どうし

父母と産まれた子どものヘテロ接合度と子どもがきちんと成長したかを調べている。



コントロールは14ペア全部成功したが、兄弟姉妹どうしの場合、7ペア中1ペアは発育せず失敗。子どももヘテロ接合度が低い。

兄弟姉妹どうしは孵化した子どもの数が2/3ぐらい少ない。しかし、子どものサイズや生存率は変わらない。



結論として、兄弟姉妹間の交配で多少は悪影響がある。

しかしあんまり強くない印象を受けた。



オカダンゴムシが日本全体に侵入しているのは、乾燥した都市部に強いからだと思うが、

もしかしたら、少数の個体でも近交弱勢が起きにくいから、も理由かもしれない。

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