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2018年7月 2日 (月)

オカダンゴムシは近親交配の悪影響が起きる

https://tel.archives-ouvertes.fr/tel-00340823/document

ここに、「メスの繁殖力(卵の数?)は、オスが存在することで上昇する」といことが書いてあるらしいのだが、フランス語で読めない。



血縁関係の強い個体間で交配すると、繁殖に悪影響が出ることは昔から知られる。

オカダンゴムシもこれがあるらしく、

オスは遺伝的に離れたメスを好む、ヘテロ接合度が高いオスが勝つ、遺伝的に近縁な両親の子供は数が少ない、という現象が起きることから、そう予想された。




実際証明した研究

Durand, S., Loiseau, V., Prigot, C., Braquart‐Varnier, C., & Beltran‐Bech, S. (2018). Producing offspring in Armadillidium vulgare: Effects of genetic diversity and inbreeding. Evolution & development, 20(2), 65-77.

オカダンゴムシを数百匹掛け合わせて、生存率やサイズを調べている。

11のマイクロサテライトマーカーで genotyping している。



同系交配の実験

兄弟姉妹の個体どうし VS 少なくとも2世代先まで共通祖先がいない個体どうしで掛け合わせる。



メス親のサイズが大きいほど、卵の数も多い。メス親のヘテロ接合度が高いほど、卵の数が多い。

しかし、親が兄弟姉妹かどうかは関係なし。

卵が孵化まで到達した割合は、メス親のサイズだけに正の相関。




遺伝的な近さで比較する実験

兄弟姉妹の個体どうし VS そうでない個体どうし

父母と産まれた子どものヘテロ接合度と子どもがきちんと成長したかを調べている。



コントロールは14ペア全部成功したが、兄弟姉妹どうしの場合、7ペア中1ペアは発育せず失敗。子どももヘテロ接合度が低い。

兄弟姉妹どうしは孵化した子どもの数が2/3ぐらい少ない。しかし、子どものサイズや生存率は変わらない。



結論として、兄弟姉妹間の交配で多少は悪影響がある。

しかしあんまり強くない印象を受けた。



オカダンゴムシが日本全体に侵入しているのは、乾燥した都市部に強いからだと思うが、

もしかしたら、少数の個体でも近交弱勢が起きにくいから、も理由かもしれない。

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