ダンゴムシのオスは匂い?でメスの交尾経験の有無がわかる
ダンゴムシは目があまり見えないので、触角を使って周りの匂いを嗅ぎ、相手を知る。
化学物質を常に出し、仲間か、性別、交尾ができるかを区別できる。
ダンゴムシ間の連絡で使うフェロモンの類はわかっていない。
下の研究では、炭化水素、ケトン、脂質が甲羅から検出されたとある。
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甲殻類の性フェロモンの特定は非常に難しいらしい。
2011年にヨーロッパミドリガニCarcinus maenasの性フェロモンがウリジン二リン酸であることがわかり、これが甲殻類で最初の性フェロモンとなる化学物質の特定である。
Hardege JD, Bartels-Hardege HD, Fletcher N, Terschak JA and others (2011) Identification of a female sex pheromone in Carcinus maenas. Mar Ecol Prog Ser 436:177-189.
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ダンゴムシのオスは性フェロモンでメスを認識し、交尾ができるか(脱皮の直前か)も確認して、メスにアプローチする。
コシビロダンゴムシ Venezillo evergladensis では、交尾を経験したメスよりも未交尾メスはオスの交尾行動を強く誘発する。
オカダンゴムシで実験して、オスはメスの交尾経験を知ることができると結論づける研究があった。
未交尾メスと既交尾メス
1匹の未交尾オスを用意して、未交尾メスと既交尾メスを選ばせている。
一緒のケースに入れると、交尾までしようとするのは未交尾メスの方が多い。2倍近い差がついている。
(未交尾メスが交尾を受け入れる確率は1/2。対して、既交尾メスのほとんどは交尾を拒否する。)
メスを檻に閉じ込めて、オスがどちらに近づくかも試している。
この場合も、2倍以上の時間、未交尾メスのそばにいる結果。
オスにとって既交尾メスの魅力が低い理由は、交尾を拒否されやすく、すでに精子を保持していて残せる子孫が減るから。
メスは長期間、精子を保持でき、メスが産める子供の数は限りがあるので、
既交尾メスの場合、他のオスと競合して自分の子供の数が減ってしまう。
既交尾メスが交尾を拒否する理由は、交尾がコストだからとしている。
交尾の何がコストとなるのかはわからないと書いてある。
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