水中で暮らすワラジムシ、陸上で暮らすミズムシ
ワラジムシ目(等脚類)のうち、ワラジムシ亜目(ダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシ)は全て陸にいて、
それ以外のミズムシやスナホリムシなどは水の中にいる。
しかし、例外がいる。
水中生活に戻ったワラジムシ
ワラジムシの仲間に例外的に水生のものがいる。
オーストラリアの塩分濃度の高い湖に Haloniscus searlei が住んでいる。
塩分耐性が強く、<1‰~159‰(海水は35‰)まで生きられ、血リンパの濃度も維持できる。
生息場所は浅く、水深4mまでで、最深でも14m。
オーストラリア大陸に散らばる地底湖に点々と分布する。
陸上生活のワラジムシが、水生に進化したと考えられている。
陸上に暮らすミズムシ
Yamaki, A., Shimomura, M., Watanabe, H., Karube, H., & Kishimoto, T., 2011. Asellote isopods (Crustacea: Isopoda) from soil habitat in southern Japan. Proceedings of the 8th International Symposium of Terrestrial Isopod Biology ISTIB, Bled, Slovenia, 117–118.
ミズムシ亜目はほとんど水生だが、例外的に1種だけ陸生の可能性がある種がいる。
南硫黄島の土壌に暮らすミズムシ Asellus sp. である。
採集記録が2007年の1度だけで生態は不明。
ワラジムシ亜目で陸上に暮らす等脚類は、このミズムシだけである。
もし事実なら進化学的に大発見であり、今後の調査に期待したい。
ワラジムシ目が陸上に上がったのは、南硫黄島のミズムシを除けば一回だけで、そこからダンゴムシやワラジムシが進化したとされている。
科博の昆虫展に行った。
ダンゴムシいた
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