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2018年9月30日 (日)

水中で暮らすワラジムシ、陸上で暮らすミズムシ

ワラジムシ目(等脚類)のうち、ワラジムシ亜目(ダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシ)は全て陸にいて、

それ以外のミズムシやスナホリムシなどは水の中にいる。

しかし、例外がいる。



水中生活に戻ったワラジムシ


Williams, W. D. (1983). On the ecology of Haloniscus searlei (Isopoda, Oniscoidea), an inhabitant of Australian salt lakes. Hydrobiologia, 105(1), 137-142.

ワラジムシの仲間に例外的に水生のものがいる。

オーストラリアの塩分濃度の高い湖に Haloniscus searlei が住んでいる。



塩分耐性が強く、<1‰~159‰(海水は35‰)まで生きられ、血リンパの濃度も維持できる。

生息場所は浅く、水深4mまでで、最深でも14m。

オーストラリア大陸に散らばる地底湖に点々と分布する。

陸上生活のワラジムシが、水生に進化したと考えられている。




陸上に暮らすミズムシ


Yamaki,  A.,  Shimomura,  M.,  Watanabe,  H.,  Karube,  H.,  & Kishimoto, T., 2011. Asellote isopods (Crustacea: Isopoda) from soil habitat in southern Japan. Proceedings of the  8th  International  Symposium  of  Terrestrial  Isopod Biology ISTIB, Bled, Slovenia, 117–118.

ミズムシ亜目はほとんど水生だが、例外的に1種だけ陸生の可能性がある種がいる。

南硫黄島の土壌に暮らすミズムシ Asellus sp. である。

採集記録が2007年の1度だけで生態は不明。

ワラジムシ亜目で陸上に暮らす等脚類は、このミズムシだけである。



もし事実なら進化学的に大発見であり、今後の調査に期待したい。

ワラジムシ目が陸上に上がったのは、南硫黄島のミズムシを除けば一回だけで、そこからダンゴムシやワラジムシが進化したとされている。



科博の昆虫展に行った。
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ダンゴムシいた

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