グソクムシ科Aegiochus属
歌魚風月さまからグソクムシをもらいました。
腹が膨れている。
おそらく魚の寄生虫。
グソクムシ科、スナホリムシ科、スナホリムシダマシ科、ウオノエ科、ニセウオノエ科: だんだんダンゴムシを参考にすると、グソクムシ科だった。
前3対の胸脚が鎌型、後ろ4対は歩行用で、maxillipedの頂端に棘あり。
グソクムシ科の属への検索表
Bruce, N. L. (2009). The marine fauna of New Zealand: Isopoda, Aegidae (Crustacea) NIWA.
グソクムシ科の検索表があった。
簡単な日本語訳。(訳が怪しい)
1.第7胸節より第1腹節の幅は断絶するように狭い;第5腹節の左右の端はどの節にも完全に接しない;多くは目がない━━━2
1.第7胸節より第1腹節の幅は断絶するように狭いと言えない;第5腹節の左右の端は第4腹節に重なっている;大きな目がある━━3
2.額葉frontal laminaあり、maxilliped palp3節、尾肢のramiが層状━━━━Syscenus
2.額葉なし、maxilliped palp2節、尾肢内肢のramiはstub状、外肢は糸状━━Xenuraega
3.背中が潰された形、額葉は細く、盾型か下膨れ、rostrumの前方が広く円いか切り欠け━━ウオノシラミ属 Rocinela
3.背中がアーチ状、額葉は広い、rostrumは狭く円いか先が尖る━━━━━━━━━━4
4.rostrumの前方が尖る、額葉の背面が平ら、第1触角柄節が平ら━━5
4.額葉は後端がフリーで狭い、触角は平らでない━━━━━━━━6
5.尾肢のramiが同一平面上で腹尾節の先端に届く、尾肢内肢の側面に凹みがない、腹尾節後端が強く突き出ない━━━━グソクムシ属 Aega
5.尾肢外肢に対して内肢は斜めで、腹尾節の先端を越えない、略尾肢内肢の側面に凹みがある、腹尾節後端がグッと突き出る━Aegapheles
6.rostrumは腹側へもしくは腹側と後方へ曲がる、maxilliped palp第5節は幅より長さが長く、第4節とくっつかない━━Aegiochus
6.rostrumは小さく、突き出ず、背中側から見えない、maxilliped palp第5節は小さく、第4節の幅の0.3倍未満━━━━Epulaega
Aegiochus 属
同定したところ、Aegiochus属の特徴を持っていた。
長方形な体
大きい目
第1触角の節が棒状
目の間の前方の正中線上にある先端部分(rostrum)が下方に折れ曲がり、頭楯の腹面が広く平たくならない。
maxilliped
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グソクムシ属 Aega
rostumは際立って鋭く前方に突き出る、第1触角の柄節のうち2節は背腹軸方向に押しつぶされた形になり、そこに前外側にlobeや細い第3節があることがある、尾肢原節に細長い正中するlobeがあり、それは尾肢内肢の長さまで伸びる。
グソクムシ科のグソクムシ属Aegaは、鳥羽水族館のブログに写真があった。
第1触角の節が平たく、頭楯の腹面が平たいので、Aegiochus属ではなくグソクムシ属であるとわかる。
メナガグソクムシはAega属、メダマグソクムシはAegiochus属。
ウオノシラミ属 Rocinela
魚の血を吸う。海底によく潜んでいて、食事のときだけ魚に貼り付く。
体側面の縁は徐々に先細る、顎脚の鬚は2~3節、第1触角柄節は平たくならない、額葉は小さく頭楯は幅広、上唇は小さくフリー、大顎の鬚の第1節は細長い。
BRUSCA, R. C., & FRANCE, S. C. (1992). The genus Rocinela (Crustacea: Isopoda: Aegidae) in the tropical eastern Pacific. Zoological journal of the Linnean Society, 106(3), 231-275.
サーモンのお寿司に似るウオノシラミ属が有名。
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