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2020年8月

2020年8月27日 (木)

ダンゴムシのオスはメスより触角が長い

オカダンゴムシは雌雄で体が微妙に違う。

甲羅の模様がわかりやすい。

オカダンゴムシのオスメスの見分け方(オスはすね毛が濃い): だんだんダンゴムシ

他にも、触角はオスの方が長めとなっている。

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オカダンゴムシの第2触角



水生と違い、陸生のダンゴムシの第1触角は短く、第2触角が長い。

第2触角は物に触れたり匂いを嗅いだりしてエサ、異性、天敵を探す器官である。

オスは攻撃的で、触角でオスどうしで突き合うことがある。

メスはしないので、エサでなくメスをめぐる戦いだとされる。

オスの触角が長いのは、メスを探すためか攻撃に使うためか確かめる研究があった。



性と触角の長さ、攻撃性

Lefebvre F, Limousin M, Caubet Y (2000) Sexual dimorphism in the antennae of terrestrial isopods: a result of male contests or scramble competition? Can J Zool 78: 1987–1993.

ワラジムシ Porcellio scaber、オビワラジムシ Porcellio dilatatus、オカダンゴムシ Armadillidium vulgare、ハナダカダンゴムシ A. nasatum、ホンワラジムシ Oniscus asellus、ホソワラジムシ Porcellionides pruinosus、Porcellionides cingendus。

7種の触角の外骨格の長さを調べている。



体が大きいほど触角も長い。ダンゴムシはメスの方が体が大きい。

なので、性的二型がないと推測できる第3胸脚のbasis(基節)の長さをreferenceとして共分散分析をしている。

体長はばらつきが出るので使っていない。



攻撃性のレベルも調べている。

5日間一人にした後、オス同士を20分間一緒にしている。(甲殻類はぼっちになると攻撃性が増すらしい。知らなかった)

攻撃(小刻みな振動、触角で突く、相手への突進、乗っかる、追いかける、噛み付く)の時間と回数を記録している。

種の系統の縛りを考慮してCAICを使っている。




オスのオカダンゴムシの触角はメスより13.5%長い

結果、7種とも触角はオスの方が長いとなっている。ただし、Porcellionides cingendusだけ有意でない。

他の研究でもオスが長いと言われるので、ダンゴムシは皆こうなのかもしれない。

オカダンゴムシはオスが13.5%(0.626 mm)長い。幅も5.8%広い。



節毎にみると、オカダンゴムシやハナダカダンゴムシは最も先端の第2鞭節が長く、

ワラジムシやオビワラジムシは基節や柄節が長い。ホソワラジムシは全節に雌雄差がある。

オカダンゴムシの触角
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長い毛が生えている右下の2節が鞭節。

ダンゴムシは先端の節がオスの方が長い。



攻撃性と触角の長さの関係なし

オカダンゴムシとハナダカダンゴムシは触角を使った攻撃はなかった。

触角を使った攻撃をする種については、攻撃性が高いほど触角の性差がない傾向にある。

つまり、触角を使うからオスは触角が発達していると説明できず。



このことから、長い理由を化学的な能力を上げるためと推測している。

身体的な競争ではなく、化学的なメスの見つけ合いを制した方が勝つオカダンゴムシは、触角に差があり戦いもしないということらしい。





触角の長さが違うのは知らなかった。

ネットで検索しても見つからない情報。

とりあえず雌雄の見分け方のページに追記しました。






ムシミル

ダンゴムシをネットで検索していたら、昆虫写真家の村松佳優氏のムシミルというサイトを見つけた。

ダンゴムシやワラジムシについてのページを見るとやはり写真がうまい。

誤同定があり、「ハヤシワラジムシの一種」としている写真はヒメフナムシだろう。

ハヤシワラジムシ科をTrachelipidaeとしているが、正しくはAgnaridae。

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2020年8月17日 (月)

メスのダンゴムシはオスに近寄り、オスはメスに近づく

ダンゴムシを交尾させる実験を見つけた。


オカダンゴムシの交尾相手の探索のタイミング

Beauché F, Richard F-J (2013) The Best Timing of Mate Search in Armadillidium vulgare (Isopoda, Oniscidea). PLoS ONE 8(3): e57737.


Y器官という脱皮腺からの分泌が脱皮サイクルに対応する。血液に分泌される脱皮ホルモンは脱皮サイクルで起きる化学的、生理的な変化を起こす。

普通の脱皮サイクル。脱皮後の2日間はあまり動かない。脱皮間期は活発に動く。

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生殖脱皮。脱皮前には脱皮に向け卵巣の成熟が始まる。D1に炭酸カルシウムの移動が起きる。D0から脱皮ホルモンが増える。脱皮直前に交尾する。

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近距離で反応するか、性別や脱皮の時期で魅力が異なるかを見ている。

オカダンゴムシを飼育し、前年に卵を持つ母親を集め、産まれた子どもは性別が判断できるようになったら雌雄別にして、交尾をしないようにする。近親交配は起きないようにしている。

餌は人参とシナノキ。

こうして1才の未交尾ダンゴムシを用意。1匹につきテスト1回。

メスは脱皮期を分けた。white plateなし=C/D0、white plate出現=D1、white plate発達=D2-4。実験後、生殖脱皮であることを確認?オスはC/D0。

Y字の迷路で、最初と5分後に空気を流して、10分間ダンゴムシもしくは抽出物を選ばせる。選ぶ側が選ばれる側のそばに滞在した時間の中央値でWilcoxon検定。

実験は繁殖期の午後2-5時、1ルクス、温度20度、湿度60度。



オスもメスも、何もいない空間とC/D0の同性のダンゴムシを選ばせると有意差はない(多少同性が多い)が、何もない空間とC/D0の異性だと異性を選ぶ。

つまり、雌雄とも異性に引き寄せられ、同性には引き寄せられないという結果。




オスは、C/D0よりもD1を選び、C/D0とD2-4との差はない。オスのオカダンゴムシは空中を漂う化学物質でメスのD1を知ることができる。

D2-4のメスは、D2-4のメスとオスの差はない。

この実験だけだと振動を使っている可能性が否定できない。

しかし、オスはメスのクチクラ抽出物と何もなしは抽出物の方を選ぶ。



化学的キューによる集合は交尾の機会も増やせる。

しかし集合するとライバルも増やす。

オスは脱皮時以外、一年中活発である。メスは限られる。



オカダンゴムシのメスは12ヶ月精子を保存でき、次の出産でも使える。

メスが2番目のオスと交尾すると、最初のオスの精子が優先されて少なくとも半分が1番目のオスの子となる。

交尾後はすぐメスはrefractory periodになる。

なので、他のオスより先にメスを見つけるのが重要となる。

メスのreceptivityが最も高いD1にattractivenessも最大になる。

D2-4で魅力が下がるのは、すでに交尾が終わってrefractory periodかもしれからか。



メスはメスよりオスを好むが、D2-4のメスは有意差がなかった。

脱皮サイクルによって好みが変わることは証明。だが、メスの好みについての適応的な意義は不明。



オカダンゴムシは同種の性別と脱皮サイクルを短距離で化学物質で知ることができる。

繁殖期の集合は生理的に同調させ、卵巣の成熟を加速させ、交尾できる状態にまで至らしめる。

メスは魅力を高めるので、交尾ができるようになるまでオスが傍に留まるように促せる。

という結論が書いてある。

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2020年8月13日 (木)

ダンゴムシの触角の動かし方

ダンゴムシの頭には触角が4本ある。

そのうち第2触角の2本は目立つ。

周りの物を触って確かめたり、匂いを嗅いだりできる。



歩くときは第2触角で頻繁に地面や壁を突く。

動画で見ると、かなりの頻度で突いているのがわかる。



空中で振りかざす時もある。

このときの動かし方は決まっていて、前から見て左の触角(ダンゴムシにとって右の触角)を反時計回りに動かす。
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オカダンゴムシの動画をスローモーションで見るとわかる。


地面を突くとき外側から中心へと突く形になる。



ニコニコ生放送のダイオウグソクムシを見たが、特に規則性はないように見える。

触角を上下や前後に動かすだけだった。

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2020年8月 3日 (月)

放課後ていぼう日誌のフナムシの足

「放課後ていぼう日誌」というアニメでフナムシが出演しているという情報を得たので、さっそく見た。

フナムシがいっぱいいた。

一瞥しただけだとわからないが、コマ送りで見るとフナムシを意識して書いていることがわかる。
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放課後ていぼう日誌1話のフナムシのgif動画


・フナムシの脚が7対14本であり、胸節から胸脚が1対ずつ生えている。(節の数は間違っている?)

・胸節の縁の色が違う

・複眼が大きい

・触角や尾肢が長い

・胸脚も長い

・尾肢がY字である



フナムシの持つ特徴をきちんと書いている。

おそらくフナムシにそんなに詳しくないアニメーターが本物のフナムシの写真をコピーしたと思われる。


フナムシが歩くシーンで、脚の向きや動きが揃っていないことに気が付いた。

これはリアル。

ダンゴムシを見ると、左右で同調したりしなかったりする。

前後では微妙にずれ、3つおき(例:第2と第5)で同調していることが多い。

小学生の自由研究のサイトにちょっと書いてあった。



フナムシの動かし方の動画はこちら↓

フナムシの歩き方。他: だんだんダンゴムシ

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