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2020年9月30日 (水)

ハヤシワラジムシ科とハクタイワラジムシ科の違い

外来種のワラジムシの白体(偽気管)は腹肢に2対ある。

一方で、日本在来のワラジムシは5対ある、もしくは偽気管がない。
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5対ある在来ワラジはハヤシワラジムシ科とハクタイワラジムシ科に分けられる。

ハヤシワラジムシ科とハクタイワラジムシ科は肉眼では区別できない。

顕微鏡で偽気管の構造を見る必要がある。



ハヤシワラジムシ科Agnaridaeの偽気管


ハヤシワラジムシ科は、偽気管が腹肢に5対(AgnaraHemilepistusなど)または3対(Orthometoponなど)あり、枝分かれする偽気管が腹肢の外側の側面の縁で1つの管となって開口する、という特徴で定義づけられている。

Ferrara F, Argano R. 1989. Terrestrial isopods from Sri Lanka, V: trachelipidae and Porcellionidae (Crustacea). Rev Suisse Zool. 96:219–229.

ワラジムシ科Porcellionidaeはこのタイプの偽気管を腹肢に2対持つ科である。

ハヤシワラジムシ科は日本全体から知られている。


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千葉県のハヤシワラジムシ科。ヒナワラジムシ属 Agnara

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第1腹肢外肢

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細かい網目の外側に1つの穴がある。



ハクタイワラジムシ科Trachelipodidaeの偽気管


ハクタイワラジムシ科は、偽気管があまり覆われておらず、スポンジ状の部分が露出していることで区別される。これは原始的な形質と言われる。

日本では沖縄県と東京都の小笠原諸島から知られている。


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沖縄県国頭郡のハクタイワラジムシ科。ミナミハヤシワラジムシ属 Nagurus

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第3腹肢外肢

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スポンジのような網目があるだけ。



ハクタイワラジムシ科とハヤシワラジムシ科の腹肢の違いのイメージ
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わかりにくい









どうでもいい話

ウオノエの研究者が作ったと思われるサイトを見つけた。

ウオノエおるおるhttps://uonoe-oluolu.wixsite.com/index/blankという図鑑。

まだ種数が少ないが、今後増やしていくらしい。



ナラ枯れ

千葉県の鴨川に行ったら夏なのに山の木々が茶色くなっていた。

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緑は生きた木、茶色は今年枯れた木、灰色は去年以前に枯れた木。


ブナ科のナラ枯れで多くのマテバシイが枯死しているらしい。

2、3年前に行ったときはこうではなかった。

ここ数年、マテバシイの純林で大規模に発生しているらしい。


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生きた木は幹から樹液が浸み出ている。


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樹液が出る穴


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見渡す限り全てのマテバシイの根本がフラスと思しき木くずで覆われていて、健全木は発見できなかった。

マテバシイを皆伐して、ブナ科以外の木を植えるしかなさそう。



ナラ枯れの犯人はワラジムシ目でない、昆虫の方のキクイムシ。

これはワラジムシ目のキクイムシ。
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