« 2021年6月 | トップページ | 2021年9月 »

2021年7月

2021年7月22日 (木)

ダンゴムシの病気:寄生する線虫、ヤドリバエ

新潟県でワラジムシヤドリバエが見つかったというニュースを見た。

珍しいハエ見つかる 新潟県では初 欧州などに生息 謎多き生態(投稿しようとして忘れていたらリンク切れになってた)

twitterのリンク↓

[新潟日報モア] 珍しいハエ見つかる 新潟県では初 欧州などに生息 謎多き生態

写真を見ても普通のハエにしか見えない。


ワラジムシヤドリバエはダンゴムシの体内に寄生するらしい。

いつかダンゴムシに寄生しているところを見たい。

twitterを検索したらワラジムシヤドリバエを見たという投稿があって気になる。





日本のヒメフナムシには線虫のシヘンチュウ(メルミス)が寄生する。

Yoshino, H., & Waki, T. (2021). First report on Mermithidae (Mermithida) infection in Ligidium sp.(Isopoda, Ligiidae). Parasitology International, 82, 102304.

シヘンチュウはダンゴムシやワラジムシにも寄生するらしい。

ダンゴムシの病気:シヘンチュウ:だんだんダンゴムシ


こっちもtwitterを検索したら、ワラジムシに寄生するシヘンチュウを見たという投稿があった.



ダンゴムシの生態に影響しているのだろうか?

オカダンゴムシだけを殺す殺虫剤になりそうと思ったが、実際はなかなか難しいらしい。

| | コメント (0)

2021年7月 1日 (木)

フナムシはダンゴムシの仲間ではない?

今はダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシは一つのグループになっている。

「オカダンゴムシ科+コシビロダンゴムシ科+Eubelidae+ワラジムシ類29科+フナムシ科+ハマダンゴムシ科」で、ワラジムシ亜目Oniscideaが構成される。

ワラジムシ亜目に共通する特徴

1. 基節の腹側にある剛毛によるWCS
2. 短い腹尾節
3. 3節以下の第1触角
4. mandibular palpがない
5. 2グループの大顎の毛がある、1つはlacinia mobilisにある
6. 第2小顎の基部に1つだけ可動性の骨片がある
7. 顎脚に1つの基部片
8. 第1胸脚が亜鋏状でない
9. 第1胸脚に性的2型
10. 背板にscale-setaeがある



ワラジムシ亜目の高次系統


オカダンゴムシ科+コシビロダンゴムシ科+Eubelidae+ワラジムシ類29科を合わせてOrthogonopodaと呼ぶ。

Orthogonopodaは単系統で間違いないとされる。

OrthogonopodaはMesonicus属のみからなるMicrochetaとその他のEuoniscidaに分かれる。EuoniscidaはSynochetaとCrinochetaに分かれる。


ワラジムシ亜目のうちOrthogonopodaに入らないのは、フナムシ科とハマダンゴムシ科だが、

Orthogonopodaと近縁なのは、1:フナムシ科か、2:ハマダンゴムシ科か不明である。

1. Orthogonopoda+フナムシ科=Ligiamorpha

2. Orthogonopoda+ハマダンゴムシ科=シンセイワラジムシ下目Holoverticata

と呼び、図のようになる。
1_20201227164101


今は2のハマダンゴムシ近縁説が有力視されているようである。

その場合のフナムシ科について、単系統2-Aか側系統2-Bか、それともどちらでもないか不明である。

色々あって全てをまとめきれない。


そもそもフナムシ属がワラジムシ亜目に入るか疑問視する人もいる。

決着がつかないらしい。



ワラジムシ亜目がバラバラになるかも?


Dimitriou, A. C., Taiti, S., & Sfenthourakis, S. (2019). Genetic evidence against monophyly of Oniscidea implies a need to revise scenarios for the origin of terrestrial isopods. Scientific reports, 9(1), 1-10.

4ヶ所の遺伝子で系統樹を作っている。NAK、PEPCK、18S、28S

MLはギャップを使わないのでrRNAのインデルの情報を使えるベイズを示している。
1_20210703095201
Orthogonopodaと近縁なのはハマダンゴムシ科となっている。

ヒメフナムシ属はHoloverticataの姉妹群となる。

フナムシ科は崩れていて、ヒメフナムシ属はダンゴムシやワラジムシにくっつくが、フナムシ属はコツブムシ亜目やヘラムシ亜目に近い。


Orthogonopodaの中については形態的によく似るオカダンゴムシ科とワラジムシ科は遠縁となった。

Crinochetaは基部からウミベワラジムシ科Scyphacidae、コシビロダンゴムシ科Armadillidaeとなっている。



祖先は海に住んでいるので、もしかしたら海から陸への進化は1回だけではなかったのかもしれない。

形態で裏付けるのが難しく、おそらく多数の系統が絶滅していて、ワラジムシ亜目の起源が古すぎておそらく進化を知ることはできないかもと弱気に書いている。



ハマダンゴムシよりヒメフナムシの方が原始的だと思って良さそうかも?

海岸にいるフナムシの方は、新しい研究が出るたびにワラジムシ亜目じゃない証拠が積みあがってく気がする。

もしそうなら実際の系統が直感と合わない最たる例だと思う。



しかし、この論文は核ゲノムを見ているが、ミトコンドリアゲノムを見るとフナムシ属はワラジムシ亜目に入るらしい。

しばらくは答えが出なさそう…

| | コメント (0)

« 2021年6月 | トップページ | 2021年9月 »