カテゴリー「おすすめサイト」の24件の記事

2016年12月24日 (土)

ダンゴムシの触角は2本ではなく4本。第一触角・第二触角

第2触角

ダンゴムシの頭には2本の触角がみえる。

Imgp2596
オカダンゴムシ



この2本の触角は第2触角と呼ばれている。
Imgp0177_2



第1触角

よく見ると、第2触角の他に小さい触角がある。これが第1触角である。

Imgp0183
頭の拡大


第2触角の根本を見ると…
Imgp0185
第1触角がある



Imgp0779
第1触角の拡大

(気泡がついてしまった…)



3_2
第1触角のスケッチ

ダンゴムシの第1触角は3節で、一番先端の節からは aesthetasc と呼ばれる特殊な毛がたくさん生えている。

第1触角が3節(鞭節1節+柄節2節)なのは、ダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシに共通する。

この3つが1つの種から進化した証拠の一つだとされている。

(第1触角の他に27ヶ所ほど共通点がある。)



Taiti, S., & Rossano,C. (2015). Terrestrial isopods from the Oued Laou basin, north-eastern Morocco (Crustacea: Oniscidea), with descriptions of two new genera and seven new species. Journal of Natural History, 49(33-34), 2067-2138.

ここにEluma praticola の第1触角のスケッチがある。

エルマ属はオカダンゴムシ科のダンゴムシ。



http://lanwebs.lander.edu/faculty/rsfox/invertebrates/armadillidium.html

ここにもオカダンゴムシの体の構造について詳しく書いてある。



ダンゴムシジャパンさんも書いているが、

第1触角は、周囲の化学物質を感知して仲間や天敵の有無を調べる嗅覚、

第2触角は、物理的な接触を感知する触覚を司ると言われる。



ダンゴムシでは、第2触角が第1触角の役割も担っているのかもしれない。

でも毛が生えているから機能は残っているのかも。




ミズムシ、コツブムシの触角

他のワラジムシ目(等脚類)も触角は4本。


Imgp6918_2
ミズムシ


Imgp6267_2
コツブムシ



オオグソクムシ

オオグソクムシの付属肢(前編)



淡水や海水にいる種類は触角が4本とも目立つ

陸にいるダンゴムシやワラジムシだけ第1触角が退化している。




触角当てクイズ

下の図は、いろんなワラジムシ目の第1触角のスケッチです。

A~V、どれが何という種類でしょう?

22
Brusca, R. C., & Wilson, G. D. (1991). A phylogenetic analysis of the Isopoda with some classificatory recommendations. Memoirs of the Queensland Museum, 31, 143-204.



答えは次のページ

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2016年8月10日 (水)

ダンゴムシとワラジムシの違い。「丸くなるか」は関係ない。

Wikipediaの「ダンゴムシ」のページには、いくつかミスがある。



「ダンゴムシとは、ワラジムシ目(等脚目)の動物のうち、陸生で刺激を受けると丸くなる習性を持つものを指す。」

正しいのだが、厳密には間違いのこともある。



丸くなる性質は、ワラジムシ(別名:ゾウリムシ)の一部にも見られる。

丸くなれるワラジムシは、「ダンゴムシ」とは言わない。

丸くなるワラジムシ: だんだんダンゴムシ




ダンゴムシとワラジムシの形の見分け方

陸生のワラジムシ目は、日本語ではダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシの3つに分けて呼ぶ。

日本産の場合、おしりの形で分けられる。

(外国のダンゴムシには尾肢が飛び出るような種類があるようだ。)




ダンゴムシのおしり

Imgp9400
おしりから尾肢が飛び出ていない。

体の縁がきれいな曲線を描いている。




ワラジムシのおしり

Imgp0865
尾肢が飛び出ている。(オレンジ色の4本)

縁がギザギザ。


「キルギス産ダンゴムシ」で検索すると出てくる種類は、ワラジムシ。




フナムシのおしり

Imgp97862
おしりから尾肢が2本飛び出ており、Y字に見える。



住んでいる場所も、フナムシは海にいて、ダンゴムシとワラジムシは山にいる、という違いもあるが、

フナムシにも山にいる種類がある。




ダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシの科

・ダンゴムシ

コシビロダンゴムシ科 Armadillidae
Eubelidae
オカダンゴムシ科 Armadillididae
ハマダンゴムシ科 Tylidae



・ワラジムシ

ホンワラジムシ科 Oniscidae
ワラジムシ科 Porcellionidae
クキワラジムシ科 Styloniscidae
ヒメワラジムシ科 Philosciidae
タマワラジムシ科 Alloniscidae

など



・フナムシ

フナムシ科 Ligiidae




ダンゴムシと呼ばれるのは、4科。

4科とも丸くなれる。

この4科は、遺伝的に近縁でない。

偶然、おしりがダンゴムシなので「ダンゴムシ」と呼ばれているだけ。





1
こうではない。

実際はこう。
2
ダンゴムシはワラジムシの一部





ハマダンゴムシの学名

以前、日本のハマダンゴムシの間違った学名が、出回っていると書いた。

ハマダンゴムシとハマワラジムシ

ハマダンゴムシの学名は「T. Granulatus 」ではなく、T. granuliferus である。

(しかも、なぜwikipediaはGが大文字なのか。)



昔はgranulatusだったらしい。




コシビロダンゴムシの属名

コシビロダンゴムシ属 Sphaerillo

とあるが、これは昔の話。

日本のコシビロダンゴムシの属名は、

Armadillo

Sphaerillo

Venezillo(カガホソコシビロダンゴムシ属)

と変遷し、現在は Spherillo 属(タマコシビロダンゴムシ属)になっている。

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2016年8月 7日 (日)

ダンゴムシの生殖脱皮、生理周期、求愛

交尾と脱皮

ダンゴムシの仲間(海にいる種類も含めて)は、メスが脱皮するときに交尾する。

このときの脱皮は、生殖脱皮(parturial molt)と呼ばれ、メスの体を子育てモードに切り替える役割がある。

※体を大きくするための脱皮は、成長脱皮(growth molt)と呼ばれる。

つまり、成体のメスは常に交尾ができるわけではない。



脱皮は、一ヶ月~数ヶ月おきに周期的にしか起こらない。(ダンゴムシの種類や栄養状態によって周期は異なる。)

冬など栄養状態が悪い時期は止まる。

よって、オスは脱皮直前のメスを探すために必死になる。




脱皮と排卵

生殖脱皮と同調して、卵巣からの排卵が起きる。

つまり、ダンゴムシは排卵も周期的である。

生殖脱皮の直前に交尾するのは、このためである。



オスは、メスに脱皮が起きそうかどうかを匂いで知ることができる。

メスは脱皮の数日前から、体臭(おそらく甲羅の表面に分泌されているの炭化水素の成分構成)が変化し、オスはそれを触角で感知して、メスを捕まえていると、昔から考えられている。

メスが交尾できる間(後述)は短いので、オスは事前にメスを捕まえ、脱皮をじっと待つのである。



個人的に、オカダンゴムシを観察して、匂い成分の炭化水素は不揮発性で、触角で甲羅に触らないと感知できないのだと思った。

しかし、コシビロダンゴムシの論文(次のページ)では、揮発した匂いにオスが反応するみたいに書いてあった。



1
メスの体のイメージ

黄色:卵巣(体内)、オレンジ:生殖孔(腹側に開く)、直線:胸節の境、点線:育房(腹側)



第5胸節(※)の腹側にある左右の生殖孔から精子が中に入り、卵と受精したり、貯精嚢(受精嚢?)に移動したりする。

生殖孔は、脱皮によって生じ、しばらくすると閉じる。この生じてから閉じる時間(数時間?)は交尾が可能となる。

閉じてから、再び脱皮が起きるまで数ヶ月あるので、オスは大変である。

※甲殻類はふつう第6胸節にある。ダンゴムシやヨコエビは本来の第1胸節が頭部と融合しているため、第5胸節にあるように見えている。



メスの生殖孔の写真はこちら

ダンゴムシのメスの交尾器: だんだんダンゴムシ



未受精卵は、左右の卵巣から出て受精し、腹側にある育房と呼ばれる袋の中に移動する。

生殖孔と育房も、脱皮によって形成される。

つまり脱皮によって、交尾と妊娠が可能な体に一時的に変化するのである。

育房内で卵は成長し、孵化すると幼生が一斉に外に出てくる。



排卵しても受精しなかった場合、未受精卵は再吸収される。



(図については、

Suzuki, Sachiko. "Reconstruction of the female genitalia at molting in the isopod crustacean, Armadillidium vulgare (Latreille, 1804)." Crustacean research 31 (2002): 18-27. と Appel, Carina, Aline F. Quadros, and Paula B. Araujo. "Marsupial extension in terrestrial isopods (Crustacea, Isopoda, Oniscidea)." Nauplius 19.2 (2011): 123-128.

を参考にした)




(この内容に関する論文はいろいろ出ていますが、どれもとても難しい内容でした。このページと次のページの内容が絶対に正しいことを保証できないです。また、実際はもっと研究が進んでいます。)




オカダンゴムシの求愛…じゃなくて

ダンゴムシが以下の行動をしているシーンをよく見かける。

22
下:メス、上:オス

これは交尾ではない。

交尾ができる時期のメスに、オスが抱きついているところである。



求愛と書いたが、正確には、脱皮待ちと、他のオスからの防衛をする配偶者防衛である

(どうもそうではないかもしれない)

メスの争奪戦は激しいので事前に準備している。



次のページで、交尾の流れを紹介する。

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2016年2月26日 (金)

オオグソクムシの付属肢(前編)

オオグソクムシ Bathynomus doederleini の付属肢について書く。


参考に読んだ論文

NOTE ON THE GIANT ISOPOD GENUS BATHYNOMUS MILNE EDWARDS, 1879 WITH DESCRIPTION OF A NEW SPECIES

BATHYNOMUS LOWRYI SP. NOV. (CRUSTACEA: ISOPODA: CIROLANIDAE), THE FIRST RECORDOFTHE ‘GIANT’MARINE ISOPOD GENUS, FROM THAILAND WATERS

BATHYNOMUS A. MILNE EDWARDS, 1879 (ISOPODA, CIROLANIDAE) FROM THE BRAZILIAN COAST, WITH DESCRIPTION OF A NEW SPECIES

The giant deep-sea scavenger genus Bathynomus (Crustacea, Isopoda, Cirolanidae) in the Indo-West Pacific

※節足動物の体の構造やそれを使った種の分類については専門的な分野です。私はオオグソクムシの専門家ではありません。同じワラジムシ目の中であっても種類によって、体のパーツの名前が違ったり、ここが違うと別種だと言えるというような重要な部位が異なったりします。この辺りは過去の文献や記録を熟読して勉強し、多くの標本を見る経験が必要なので、正確で詳しい内容は専門家に聞くしかないです。上で挙げた論文がまともな論文なのか私は知らないです。




触角

第1触角(antenna(複数形 antennae) 1 =antennule =first antenna)
Imgp4786_2

太い節が柄節(peduncle)、細い節が鞭節(flagellum, жгутик)。

ダイオウグソクムシは3節+46~50節と長い。




第2触角(antenna 2 =antenna =second antenna, второй пары антенн)
Imgp4782
長い




付属肢ではないがついで。


1_2
頭部(cephalon)の前方中心が額角(がっかく、rostrum)。

その腹側に、額葉(がくよう、frontal lamina)、頭楯(とうじゅん、clypeus)、上唇(じょうしん、labrum)がある。

額葉と頭楯はくっついて1つになっている等脚類もいる。



Imgp47672_1
頭楯が触角の間にでっぱる。




胸脚
Imgp4776
胸節1つから1対の胸脚が出る。

脚の根本は底板 epimere (=epimeron, 複数形 epimara)と繋がっている。



第1胸脚(pereopod 1)
Imgp9158_2
節の名前は、先端から指節 dactulus, 前節 propodus, 腕節 carpus, 長節 merus, 座節 ischium, 底節 basis で合っているはず。底節 basis 入れるの忘れた。



脚についている黒いとげは、robust setaeと呼ばれている。

このとげの数や位置が種によって違う。

setaとspikeとspineの違いがわからない…



第2胸脚(pereopod 2)
Imgp9159_2

矢印の部分が種によって違うと書いてあるものがある。

爪が鋭くて長い



第3胸脚(pereopod 3)
Imgp9160
第2胸脚と形が似ている。



第4胸脚
Imgp9161
第4胸脚以降、がらっと形が変わる。



第5胸脚
Imgp9164
色が変なのは、死んで腐ったせい。



第6胸脚
Imgp9165



第7胸脚
Imgp9166




並べた
Imgp9167




後編に続く。口や腹肢です。







ふるさと納税のツイート

ふるさと納税のサイトでオオグソクムシのページを見ると、

「無益な殺生」とか、「わざわざ捕獲して殺すのか」と書かれている。



正直言って、これはすごい!

こういう言葉は、人間にとって愛着を感じる生物にむけて使われる。

犬を殺処分すると「かわいそう」「殺さないで」と言う声が出るが、ゴキブリやダンゴムシを殺処分するための殺虫剤は平然と売られている。

気になって、天然マグロという返礼品のページを見てみると、「わざわざ海から引きずり出して」という批判は書かれていない。



ということは、世間一般はもう

オオグソクムシ>マグロ

なのである。

オオグソクムシに対してこんなに同情の声(?)が集まるなんて嬉しい。

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2016年2月13日 (土)

オカダンゴムシのオスメスの見分け方(オスはすね毛が濃い)

よく見るダンゴムシは、「オカダンゴムシ」という種類である。

このオカダンゴムシは、雌雄によって形が違うところがある。



性別を見分けるポイントを4つあげていく。

2と4は、ワラジムシ、フナムシにも適用可。




1. 甲羅の色

Imgp1973おす
オスは黒い部分が多く、黄色い斑点が少ない。


Imgp1320めす
メスは黄色い斑点が多い。


Imgp2218めす
茶色いものもいる。



ただし、微妙なこともあり、性別を完全に分けるのは難しい。




2. 腹肢

確実な見分け方は腹肢を見ることである。

ダンゴムシの腹肢は、呼吸と交尾のために使われる。

エビで言うと、身の内側の殻につく何本ものピラピラしたやつ。


Imgp0958_4オス
オスは腹部の腹面に2本の突起が見える。


Imgp2615メス
メスはない。



オスの突起の名称は、第1腹肢内肢である。

Imgp9124
オスの右の第1腹肢をはずして拡大した写真。

腹肢は外肢(上)と内肢(下)からなり、内肢が突起として見えている。

(オスの子どもは、長さが短く不完全である。大人でも微妙な長さ(雄っぽくないオス)が見られる場合もあるらしいが、よく知らない。)



これは、ペニスではなく、変形した脚である。

交尾時に、メスの生殖孔に内肢の先端部(写真左側)を挿入する。

ペニスから出た精子をメスに送るパイプのような役割を担うらしい。



メスの生殖器については以下を見て下さい。

ダンゴムシの生殖脱皮、生理周期、求愛: だんだんダンゴムシ

ダンゴムシの交尾方法については以下を見て下さい。

ダンゴムシの交尾、フナムシの交尾: だんだんダンゴムシ




3. 第1胸脚のすね毛

Imgp9114
オカダンゴムシ標本から脚を外した。

胸部には脚が14本ある。このうち一番前にある脚(第1胸脚)を見ると、オスメスの違いがみえてくる。



メスの第1胸脚(一マスは0.25mm四方)
Imgp9122

先端(右)から前節(propodus)、腕節(carpus)、長節(merus)である。

腕節には、まばらに毛が生えている。(矢印)


オスの第1胸脚
Imgp9117
メスに比べ、腕節の内側に密集した剛毛が見られる。(矢印)



つまり、オスのオカダンゴムシの太ももは毛深いということである。

一番前の脚のすね毛の濃さを見れば、雌雄がわかる。




[注意]

一部のダンゴムシだけで見られる。雌雄で差がない種類もある。

オカダンゴムシ以外では、例えば、南西諸島にいるネッタイコシビロダンゴムシCubaris murina(英語)が知られる。

オスの胸脚(pereiopod)の第1、2、3、7は毛深いと書かれている。(写真つき)



なぜオスが毛深いのか?

オスは配偶者防衛をするのでそのときに必要なのではないか、と先生は言っていた。

オスはメスの背中に抱き付き、脚でしがみつく。

ダンゴムシの生殖脱皮、生理周期、求愛: だんだんダンゴムシ

毛が長い方がメスをキープしやすいのではないだろうか、長い毛は邪魔なのでメスは短いのではないか、とのこと。

毛を剃ったら、交尾に失敗するのだろうか?

しかし、配偶者防衛をする種類でもオスが毛深くないものもいる。謎である。




4. ダンゴムシのアレ

Imgp2615
黒枠で囲った胸節と腹節の間を拡大するとペニスが見える。



Imgp9128オス
かなりわかりにくいが、1本の突起物がある。


Imgp9125
メス
何もない。

メスの生殖孔はここではなく、脇腹(第5胸脚のつけ根付近)にある

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2015年10月31日 (土)

日本のダンゴムシの分布

ダンゴムシやワラジムシの分布は以下のサイトにまとめられている。

https://sites.google.com/site/isopodafue/top

「日本ワラジムシ類の分布データベース!」をクリックし、「表示する種を選択」で、ダンゴムシの学名を選択して、「地図上に表示」を押す。

場所は正確ではなく、町の名前が表示されるだけ。



ここでは、ダンゴムシのいそうな環境についてまとめた。



外来種のダンゴムシ

オカダンゴムシ(学名:Armadillidium vulgare

Imgp1973
もっともよく見るダンゴムシ。

どこの住宅地でも植え込みなどで必ず見る。

北海道~沖縄まで、離島などにもいる。


Imgp2399
白、オレンジ、黄、黒など、いろんな色がある。

最大1.5cmと大きい。(ダンゴムシの中では)




ハナダカダンゴムシ(学名:Armadillidium nasatum

Imgp7017
名前の通り、鼻(正式名:頭楯)が高い。

主に横浜と神戸にいる。港ではなく、付近の林に多いと聞いた。

分布を拡大中。



福岡教育大学の動物生態学研究室で外来ダンゴムシの分布について調べられてるそうです。

https://sites.google.com/site/dotodoubutsu/home





・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


在来種のコシビロダンゴムシ

見つけるのが少し大変。

日本には3属がいる。

西日本など暖かい地方に多い。

外来種との見分け方は、以前に書いた。

神戸のハナダカダンゴムシ。他のダンゴムシとの違い。

ダンゴムシやワラジムシの外来種がブラックリストに載るかも



カガホソコシビロダンゴムシ属(学名:Spherillo

日本で最も種類が多い属。

鹿児島県のコシビロダンゴムシの一種
Imgp8011


タテジマコシビロダンゴムシ(学名:Spherillo russoi
Photo_3
落ち葉と保護色


セグロコシビロダンゴムシ(学名:Spherillo dorsalis
Photo
真っ黒



里山みたいなところに多いと思う。

都会でも自然のある場所に見られることがある。

住宅街で見つけたいならば、自然が残りやすい斜面部にある林がおすすめ。



ネッタイコシビロダンゴムシ属(学名:Cubaris

ネッタイコシビロダンゴムシ(学名:Cubaris murina)が日本では沖縄県にいる。

キューバ、ブラジル、シエラレオネなど世界中の熱帯に分布する。

Cudaris という誤記が見られる。Cubaris である。)



イシイコブコシビロダンゴムシ属(学名:Hybodillo

イシイコブコシビロダンゴムシ(学名:Hybodillo ishii )も沖縄県にいる。




・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


海岸にいる在来種のダンゴムシ

ハマダンゴムシ(学名:Tylos granuliferus)

Imgp4964
ダンゴムシの中で最大サイズ。オカダンゴムシを超える。



北海道から沖縄まで、日本中の砂浜や小石でできた海岸にいる。

夜行性なので、昼間はスコップで砂や打ちあがったゴミを優しく掘り返していく必要がある。

海水浴場となっているような砂浜にはおらず、開発とともに生息範囲が減っているらしい。

残っているところはすごい数いる。




・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


独断と偏見による総評

1番かわいいのは、コシビロダンゴムシ。

種によっていろんな色があるが、どれも大変良い和風テイスト。

さらに、いそうでいない、いなさそうでいるところが奥ゆかしい。



2番目がオカダンゴムシ。

やはり大きいと、丸くなった時の存在感が際立つ。

他のダンゴムシよりマイペースな歩きが見ていて飽きない。

色がカラフル過ぎるところがマイナス。(そこもいいところなんだけどね)



3番目がハナダカダンゴムシ。

天狗や犀のような顔でおもしろい。

オカダンゴムシより走るのが好き?

色が灰色ばかりでちょっと味気ない。



4番目がハマダンゴムシ。

いる場所が限られるため、見つけただけでうれしくなる。

場所によって色や大きさ、密度が違うので、サイエンスな興味をかきたてられる。

個人的に顔が微妙。

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2015年10月30日 (金)

オカダンゴムシとコシビロの子どものふん、ダンゴムシの糞食について

オカダンゴムシとコシビロダンゴムシのうんちの形が違うという記事を書いた。

オカダンゴムシより、コシビロダンゴムシの糞の方が長方形。



ダンゴムシの子どもも同じように形が違う。

オカダンゴムシの子どもの糞
Imgp8785
正方形に近い長方形


コシビロダンゴムシの子どもの糞
Photo
オカダンゴムシより細長い。

小さいころから、大人と同じ形




糞食 Coprophagy

糞食とは文字通り、うんこを食べること。

ダンゴムシ、ワラジムシは、自分のフンを食べることがよく見られる。



ダンゴムシが糞食する理由はいろいろ考えられており、微生物が関わっているとされる。

(ダンゴムシの腸内には微生物がいる。)



理由1.毒を避ける

葉っぱには毒が含まれている。この毒は微生物の働きで分解される。



ダンゴムシは葉っぱを食べ、消化管内で粉砕する

→細かくなった葉っぱと腸内の微生物が混ざり、出した後の糞で微生物が増える。

→微生物によって毒が薄まったところで、おいしく食べ直す。



理由2.効率的な養分の吸収

葉っぱは動物が消化できないセルロース(食物繊維)が多く含まれている。これは微生物の力で分解できる。

微生物によって栄養にできなかったセルロースが栄養となる。



ダンゴムシは葉っぱを食べ、消化管で微生物を混ぜ、糞として出す。

→微生物によって糞内でセルロースが分解される。

→糞を食べて、分解されたセルロースを栄養にする。

→残ったセルロースと微生物を混ぜて糞にする。(→2コ上に戻る)



食べにくい枯れ葉でも、食べる→糞→食べるの繰り返しによってぎりぎりまで栄養とするのかもしれない。

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2015年7月 5日 (日)

ダンゴムシは卵の部分がおいしい?

ダンゴムシの仲間は、お腹に卵をかかえて守る性質がある。

卵から赤ちゃんが産まれるまで、ずっと抱いて運んでいる。



オカダンゴムシのメスの腹側
Imgp2615




卵を抱えるメス
Photo_2

黄色い部分が卵、もしくは孵化したばかりの子ども

オカダンゴムシの場合、数十個はいっている。



コシビロダンゴムシのメス
Imgp8398
やはり卵は黄色い。

卵の数は10-20匹ほど。

ワラジムシやフナムシの卵も黄色い。



ダンゴムシがムカデに襲われると、卵だけ食べられて体は捨てられることがあると聞いた。

卵っておいしいのでは?と思い、カロリーを調べた。




フナムシのカロリー

フナムシのカロリーを測った論文

Energetics of Isopod Populations in a Forest of Central Japan (Susumu Saito, 1969)

卵は、体に比べ、高カロリーである。




調べた種はニホンヒメフナムシ Ligidium japonicum

体は、約 4.8 gcal/mg dry。(謎の単位)

卵は、約 6.45 gcal/mg dry。(体の1.34倍)



ヒメフナムシ
Imgp7504



捕食者は、卵を持つメスを食べる方が栄養面で良い?



カロリーの割合比をマグロでたとえると、赤身と中トロである。

というわけで、カロリーの違いを研究するために、明日はマグロを食べようと思う。




オカダンゴムシのカロリー

オカダンゴムシは、成体が約 3.1gcal/mg dryで、子どもが約 3.9gcal/mg dry。

ヒメフナムシよりカロリーが低い。

オカダンゴムシは体重が重いので、ヒメフナムシより一個体当たりのカロリーは多い。

オカダンゴムシは最大体重18mgになるが、ヒメフナムシは最大3mg程度である。




虫食を趣味とする人が友達にいる。

その友達が買った虫食の本によると、オカダンゴムシはまずいらしい。

ヒメフナムシはおいしいだろうか?

カロリー的に卵がお勧めであると伝えておこう。卵は油やアミノ酸も多そう。

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2014年9月23日 (火)

フナムシの血液

ダンゴムシにも体に血液が流れている。

(正確には、ダンゴムシやフナムシたちは開放血管系なので、「血液」ではなく、「血リンパ」という)



体長5mmのヒメフナムシを顕微鏡で見た。

Imgp7422
水滴に入れると、ヒメフナムシが死なず、表面張力で逃げ出さないので観察しやすい。

ヒメフナムシや子どものダンゴムシは色素が少ないので、体内が透けて見える。



触角を流れる体液

触角や脚を見て、血球らしき物が流れているのを観察できた。(×100)

触角の中を血球?が流れている。

開放血管系であっても、触角や脚のような末端では、血液を循環させるために、仕切りが奥まで伸びていると授業で習った。



ダンゴムシに赤血球はない。

人間を含め、ほとんどの脊椎動物は赤血球と白血球を持つ。

しかし、脊椎動物以外の動物は、ごく一部を除いて赤血球を持たない。

節足動物のダンゴムシも持たない。酸素を運ぶタンパク質は直接血液に溶けている。



Wikipediaの赤血球のページに、節足動物の酸素を運ぶタンパク質はヘモシアニンであり、この色素により血液は青く見えるとある。

血液が微量なせいか、ダンゴムシの体液の色は青くなく透明。



白血球はある。

動画で流れているのは白血球だと思う。

土の中にいるので、衛生状況はあまり良くなさそう。

ダンゴムシの白血球はどんな種類があるのだろう?

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2014年7月30日 (水)

ワラジムシ目の化石

ダンゴムシやワラジムシが属するワラジムシ亜目は海から陸へ進化したとされる。



ワラジムシ亜目の出現は、約3億年の石炭紀ごろだと推測している論文があった。

The origin of terrestrial isopods (Crustacea:Isopoda: Oniscidea)

ワラジムシ亜目で3600種以上、ワラジムシ目全体で10300種だそうだ。

この論文にワラジムシ目の化石があった。




ワラジムシ目の化石

ダンゴムシやワラジムシは、化石はすくない。

時代を遡るほど、減る。

運よく残った化石は、多くが琥珀に閉じ込められている。



スペイン北部から採取された琥珀

Ws000151
Delclos X, Arillo A, Peñalver E et al (2007) Fossiliferous amber deposits from the Cretaceous (Albian) ofSpain. C R Palevol 6:135–149 引用

約1億年前の白亜紀のワラジムシ目の一種

陸上のワラジムシ?

このころから、形はあまり変わっていないようだ。



バルト海から採取された始新世のスナホリムシ科(Cirolanidae)の腹尾節
Ws000152

海の生き物も琥珀に入るらしい。

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