ダンゴムシの触角は2本ではなく4本。第一触角・第二触角
ダンゴムシの触角についてまとめた。
第2触角 Second antenna
ダンゴムシの頭には2本の触角がみえる。
この2本の触角は第2触角と呼ばれている。
巷でダンゴムシの触角と言えば、ほぼ第2触角を指す。
オカダンゴムシの第2触角はメスよりオスの方が13.5%ほど長い。
第1触角 First antenna
では第1は?
実は、第2触角の根元にとても小さい触角が2本ある。
矢印が左の第1触角である。
目で見えないぐらい第1触角は小さい。
コシビロダンゴムシの頭
第2触角の根元を見ると…やはり第1触角がある
第1触角の拡大
ダンゴムシの第1触角は3節。一番先端の節からは感覚毛 aesthetasc と呼ばれる特殊な毛がたくさん生えている。
第1触角が3節(鞭節1節+柄節2節)なのは、ダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシに共通する。
この3つが1つの種から進化した証拠の一つだとされている。(他に27ヶ所ほど共通点がある。)
Taiti, S., & Rossano,C. (2015). Terrestrial isopods from the Oued Laou basin, north-eastern Morocco (Crustacea: Oniscidea), with descriptions of two new genera and seven new species. Journal of Natural History, 49(33-34), 2067-2138.
ここにEluma praticola の第1触角のスケッチがある。
エルマ属はオカダンゴムシ科のダンゴムシ。
http://lanwebs.lander.edu/faculty/rsfox/invertebrates/armadillidium.html
ここにもオカダンゴムシの体の構造について詳しく書いてある。
ダンゴムシジャパンさんも書いているが、甲殻類では
第1触角は、周囲の化学物質を感知して仲間や天敵の有無を調べる嗅覚
第2触角は、物理的な接触を感知する触覚
を司ると言われる。
ダンゴムシでは、第2触角が嗅覚も担っているかもしれない。
でも第1触角に毛が生えているから機能は残っているのかも。
ミズムシ、コツブムシ、オオグソクムシの第1触角
他のワラジムシ目(等脚類)も触角は4本である。
陸にいるダンゴムシやワラジムシは第1触角が退化して見にくいが、淡水や海水にいる種類は4本とも目立つ。
ミズムシ
コツブムシ
オオグソクムシの第1触角
オオグソクムシの付属肢(前編)
触角当てクイズ
下の図は、いろんなワラジムシ目の第1触角のスケッチです。
A~V、どれが何という種類でしょう?
Brusca, R. C., & Wilson, G. D. (1991). A phylogenetic analysis of the Isopoda with some classificatory recommendations. Memoirs of the Queensland Museum, 31, 143-204.
答えは次のページ
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