カテゴリー「ハマダンゴムシ」の5件の記事

2016年6月21日 (火)

関東地方のダンゴムシの種類と分布

日本のダンゴムシは大きく3つの種類に分けられる。

1.オカダンゴムシ、ハナダカダンゴムシ
2.ハマダンゴムシ
3.コシビロダンゴムシ

みんな触ると丸くなる。



1.オカダンゴムシ Armadillidium vulgare
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日本中どこでもいる。

最大で2cm近くなる。

オカダンゴムシは外来種である。



ハナダカダンゴムシ Armadillidium nasatum
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オカダンゴムシと近縁なダンゴムシ。

ハナダカダンゴムシも外来種である。

主に横浜で見られる。関東ではまだ珍しいが分布を拡大させている。

横浜港周辺にいると聞いた。横浜市中区にいるらしい。



2.ハマダンゴムシ Tylos granuliferus
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あまり人の手が入っていない砂浜の海岸にいる。

太平洋に面した千葉県南部や茨城県北部の砂浜でよく見る。

数が減っているらしい。

塩分によって他のダンゴムシがいない特殊な環境に進出している。

夜行性であり、昼は見かけない。夜に砂の中から出てきて、打ちあがった海藻などの有機物を食べる。



3.コシビロダンゴムシ4種

離島を除く関東のコシビロダンゴムシは、

・シッコクコシビロダンゴムシ Spherillo sp.
・タテジマコシビロダンゴムシ Spherillo russoi
・トウキョウコシビロダンゴムシ Spherillo obscurus
・セグロコシビロダンゴムシ Spherillo dorsalis

が見られる。(日本産土壌動物第2版)

八丈島や小笠原諸島などには、島固有のコシビロダンゴムシが見られる。

(ハチジョウコシビロダンゴムシ Spherillo hachijoensis 、ハハジマコシビロダンゴムシ Spherillo hahajimensis 、ムニンコシビロダンゴムシ Spherillo boninensis など)



どの種類も森にいる。

コシビロダンゴムシはオカダンゴムシより小さくて見つけにくい。

オカダンゴムシと一緒にいることもある。

ダンゴムシに詳しい人と探すことをお勧めします。



オカダンゴムシとコシビロダンゴムシの見分け方は

オカダンゴムシVSコシビロダンゴムシ: だんだんダンゴムシを見てください。




シッコクコシビロダンゴムシ
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たぶんこれがシッコクコシビロダンゴムシ

とても黒い。

頭やおしりがオレンジ色。




タテジマコシビロダンゴムシ

茨城県のタテジマコシビロダンゴムシ
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茨城県自然博物館によれば、霞ケ浦周辺にいる。

樹種や人為的な開発に関係なく、木が生えているならばいる。かなり少ない。



千葉県のタテジマコシビロダンゴムシ
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少し色が薄い。




シッコクコシビロダンゴムシやタテジマコシビロダンゴムシは西日本で多く発見できる。

見たいなら九州や石垣島に行った方が早い。




トウキョウコシビロダンゴムシ、セグロコシビロダンゴムシ

よく見るコシビロは、トウキョウコシビロダンゴムシ、セグロコシビロダンゴムシ。

長くなるので、次のページで。

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2016年1月28日 (木)

チリのハマダンゴムシ、フナムシ

チリに行ってきた人から、ハマダンゴムシなどをもらった。


ハマダンゴムシの一種
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海岸のそばにある岩場に生えるコケの中に潜っていたそうだ。

名前はわからない。

ちなみに日本のハマダンゴムシは砂に潜る性質がある。



フナムシの一種
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海岸にいっぱいいたらしい。

磯に生える海藻にもついていたらしい。



その他、コツブムシ、スナホリムシ、キクイムシをいただきました。

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2015年10月31日 (土)

日本のダンゴムシの分布

ダンゴムシやワラジムシの分布は以下のサイトにまとめられている。

https://sites.google.com/site/isopodafue/top

http://www.warajimushi.com/

日本ワラジムシ類の分布データベース!日本産ワラジムシ亜目分布データベース 」をクリックし、「表示する種を選択種名を表示」で、ダンゴムシの学名を選択して、「地図上に表示Show Map」を押す。

場所は正確ではなく、町の名前が表示されるだけ。



ここでは、ダンゴムシのいそうな環境についてまとめた。

最初は詳しい人と探すと見つけやすい。



外来種のダンゴムシ


オカダンゴムシ(学名:Armadillidium vulgare

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もっともよく見るダンゴムシ。

最大1.5cmと大きい。

北海道~沖縄まで、離島にもいる。


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白、オレンジ、黄、黒など、いろんな色がある。

外来種なので人の近く、住宅地の植え込みなどにいる。

畑では農作物を食べてしまうこともある。



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ハナダカダンゴムシ(学名:Armadillidium nasatum

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名前の通り、鼻(正式名:頭楯)が高い。

主に横浜と神戸にいる。港の中ではなく、付近の人の手が入った林に多いと聞いた。

分布を拡大中。



福岡教育大学の動物生態学研究室で外来ダンゴムシの分布について調べているそうです。

https://sites.google.com/site/dotodoubutsu/home




在来種のコシビロダンゴムシ


見つけるのが少し大変。

日本には4属がいるが、分類が混乱中。

西日本など暖かい地方に多い。

外来種との見分け方はこっちに書いた。

オカダンゴムシとコシビロダンゴムシの見分け方: だんだんダンゴムシ

神戸のハナダカダンゴムシ。他のダンゴムシとの違い。: だんだんダンゴムシ

ダンゴムシやワラジムシの外来種がブラックリストに載るかも: だんだんダンゴムシ


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タマコシビロダンゴムシ属(学名:Spherillo

日本で最も種類が多い属。

鹿児島県のコシビロダンゴムシの一種
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タテジマコシビロダンゴムシ(学名:Spherillo russoi
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落ち葉と保護色


セグロコシビロダンゴムシ(学名:Spherillo dorsalis
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真っ黒

関東から九州にいる。



コシビロダンゴムシは全て在来種で里山みたいなところに多いと思う。

都会でも自然のある場所に見られることが意外とある。

住宅街で見つけたいならば、自然が残りやすい斜面部にある林がおすすめ。



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ネッタイコシビロダンゴムシ属(学名:Cubaris

ネッタイコシビロダンゴムシ(学名:Cubaris murina)が日本では沖縄県にいる。

キューバ、ブラジル、シエラレオネなど世界中の熱帯に分布する。

Cudaris という誤記が見られる。Cubaris である。)



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イシイコブコシビロダンゴムシ属(学名:Hybodillo

イシイコブコシビロダンゴムシ(学名:Hybodillo ishii )が沖縄県にいる。とても珍しい。




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カガホソコシビロダンゴムシ(学名:Venezillo

Venezillo parvus(和名なし)が小笠原諸島にいる。

世界中の熱帯に分布する。




海岸にいる在来種のダンゴムシ


ハマダンゴムシ(学名:Tylos granuliferus)

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ダンゴムシの中で最大サイズ。オカダンゴムシを超える。

北海道から沖縄まで、日本中の砂浜や小石でできた自然の残る海岸にいる。



夜行性なので、昼間は砂の中や打ちあがった海藻やゴミの下にいる。

海水浴場となっているような砂浜にはおらず、開発とともに生息範囲が減っているらしい。

いるところはすごい数いる。






独断と偏見による総評

1番かわいいのは、コシビロダンゴムシ。

種によっていろんな色があるが、どれも大変良い和風テイスト。

さらに、いそうでいない、いなさそうでいるところが奥ゆかしい。



2番目がオカダンゴムシ。

やはり大きいと、丸くなった時の存在感が際立つ。

他のダンゴムシよりマイペースな歩きが見ていて飽きない。

色がカラフル過ぎるところがマイナス。(そこもいいところなんだけど)



3番目がハナダカダンゴムシ。

天狗や犀のような顔でおもしろい。

オカダンゴムシより走るのが好き?

色が灰色ばかりでちょっと味気ない。



4番目がハマダンゴムシ。

いる場所が限られるため、見つけただけでうれしくなる。

場所によって色や大きさ、密度が違うので、サイエンスな興味をかきたてられる。

個人的に顔が微妙。

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2013年9月20日 (金)

ハマダンゴムシのいる場所

島根県でハマダンゴムシを捕まえた。

砂浜の海岸に打ちあがった材木の下にいた。



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ハマダンゴムシの顔

ダンゴムシと違って目の位置が高い。

ハマダンゴムシはダンゴムシの中ではかなり大きめ。体長15mmぐらい

ただし、場所によって大きさ、色、密度が全然ちがう。


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ハマダンゴムシの裏側

おしりの腹肢がオカダンゴムシと全然違う。

ハマダンゴムシは、オカダンゴムシと違う系統なので、似てない。


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丸まった。なんか不気味な感じが…




ハマダンゴムシを探し方

海岸の、波が当たらないが、離れすぎていない砂地にいる。

シャベルで慎重に掘ると丸まったハマダンゴムシが出てくる。

夜行性なので、昼間は穴を掘って探す必要がある。



日本海側では打ちあがっている海藻や流木、石(礫)の下にいた。

関東と違って、あまり砂に潜っていなかった。



海藻が打ちあがってもほったらかしの海岸にいる。

とにかく探して、数をこなしていくしかない。



よくわからないが、場所によっていたりいなかったりする。

海水浴場だといない




ある日、勝浦でハマダンゴムシを探していた。

険しい海岸に沿って歩いていたら、周りががけで囲まれた、外から見えない砂浜に来た。

そこで海水浴をするヤクザ数人と遭遇してしまった。

少し手前から後をつけられていたのはそのせいだったのか。

ダンゴムシ探しの思わぬリスク発見。




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2013年6月26日 (水)

ハマダンゴムシとハマワラジムシ

佐賀県の波戸岬でハマダンゴムシやハマワラジムシを採った。


ハマダンゴムシの学名が Tylos granuliferusTylos granulatus とネットに2つあるのはなぜ?

(追記:コメントにありがとうございます。これからは正しいTylos granuliferus を使います。サイトを見ると確かにTylos granulatus の分布は南アフリカとナミビアでした。

Wikipediaのダンゴムシのページにミスがあり、間違いが広がっているようです。)



ハマダンゴムシ

転石海岸で、石をひっくり返した。
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ハマダンゴムシが古いクモの巣に隠れていた。


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ハマダンゴムシの顔。みんな千葉県より白くて小型。



ハマワラジムシ
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小判型をしている

尾肢がピンせずワラジムシっぽくない。短いマクラギヤスデみたい。



フナムシ キタフナムシ

台風のおかげで海岸は海藻の山ができ、そこに大量のフナムシが群がっていた。
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オスがメスに乗っている。第一胸脚でつかんで、離さずに歩く。

求愛中である。配偶者防衛である。


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捨てられたごみのプラスチックケースに閉じ込められたフナムシ

這い上がれない…

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