カテゴリー「ダンゴムシの病気」の8件の記事

2018年7月14日 (土)

また青いダンゴムシを見つけた

ダンゴムシがかかる病原体の一つにイリドウイルスがある。

青いダンゴムシ: だんだんダンゴムシ

これに感染すると、体が青く変色する。



千葉県香取市で青いダンゴムシを見た。

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微妙に左のオカダンゴムシが青い。右は健康。



何日か飼育したら、さらに青くなった。
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数百匹ぐらい見たが、これ1匹だけだった。



青いダンゴムシは全国で見られるが、

珍しい病気で、なかなか見つけられない。

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2018年1月20日 (土)

鳥・両生類の寄生虫(鉤頭虫)がダンゴムシやヒメフナムシを中間宿主にする

去年、北海道でワラジムシ目の新しい寄生虫が見つかったらしい。

ニホンヒメフナムシを中間宿主とし、両生類に寄生する鉤頭虫の話が67ページに載っている。



オカダンゴムシ、ワラジムシを中間宿主とする鉤頭虫

鉤頭虫 Plagiorhynchus cylindraceus は、陸上等脚類を中間宿主として、終宿主を鳥とする。

Schmidt, G. D., & Olsen, O. W. (1964). Life cycle and development of Prosthorhynchus formosus (Van Cleave, 1918) Travassos, 1926, an acanthocephalan parasite of birds. The Journal of parasitology, 721-730.

Bouchon, D., Zimmer, M., & Dittmer, J. (2016). The Terrestrial Isopod Microbiome: An All-in-One Toolbox for Animal–Microbe Interactions of Ecological Relevance. Frontiers in microbiology, 7.



この鉤頭虫は、オカダンゴムシ、ワラジムシ、ハクタイワラジムシから見つかっている。

アメリカやヨーロッパから見つかっている。

「日本から」、「ヒメフナムシから」、は初めて?




生活史

鳥の腸に寄生する親が、卵を鳥の糞に排出

この糞を食べたダンゴムシ、ワラジムシの腸で孵化、腸の表皮に侵入

休眠後、さらに体腔内に侵入

2ヶ月で感染性のシストに発育

ホストが鳥に食われると、鉤頭虫は鳥の腸壁に刺さり、性成熟



ワラジムシ目の感染率は極めて低い。

感染するには、幼虫がダンゴムシの腸の表皮を食い破る必要がある。

ダンゴムシの実験で、細胞性免疫の包囲化で、大人では感染が阻止されやすく、子どもは成功しやすいことがわかっている。

感染が成功すると、ダンゴムシのメスは繁殖力が落ちる。



イリドウイルス同様、感染個体は行動が変わり、土の外に出て来るようになる。

鳥に見つかりやすくなるためだと考えられる。

鉤頭虫プラギオリンクスの話はこの寄生虫の本にも書いてあるそうです。




鉤頭虫はヒトに感染することもあるので、ダンゴムシ、ワラジムシの生食は避けた方が良いだろう。

ダンゴムシのWikipediaに「毒などを持っていないダンゴムシは、災害時の非常食として利用できる。」とあるが、火は通すべきかもしれない。




イリドウイルスのページで、感染ダンゴムシが明るい所でも出て来ることと、鳥に食われやすくなることの関係に疑問を呈してしまった。

この事例を見ると関係があるようだ。

鳥はダンゴムシを食べるようです。

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2017年8月 9日 (水)

ダンゴムシの病気:重金属汚染

ダンゴムシには消化器系の臓器の一つに肝膵臓 hepatopancreas (ヘパトパンクレアと読む?)がある。

消化酵素の分泌、消化されたものの吸収の役割がある。

さらに、生命活動に必須な金属元素を貯め、取り込んでしまった有害な金属を封じておく役割ももつ。

このミネラルの調節機構のおかげで、ダンゴムシは金属汚染に強い。



ダンゴムシのhepatopancreasの位置のイメ―ジ(斜め線の部分)
2
ダンゴムシやワラジムシは hepatopancreas が4本あり、フナムシは6本である。

B細胞とS細胞という、役割が違う細胞からなる。




ダンゴムシの重金属汚染

Hopkin, S.P., Martin, M.H., 1984. Heavy metals in woodlice. In: Sutton, S.L., Holdich, D.M. (Eds.), The Biology of Terrestrial Isopods. The Zoological Society of London. Clarendon Press, Oxford, pp.143–166.



エサが重金属に汚染されている場合、体に高濃度で蓄積する。

ダンゴムシの体内汚染レベルは、だいたいエサのレベルに比例する。



体全体に金属が溜まるわけではなく、

乾重比で5%ぐらいに過ぎないhepatopancreas に、体内の8~9割の金属が集中する。

亜鉛、カドミウム、鉛、銅は、hepatopancreas に特に溜まる。



hepatopancreasの亜鉛濃度が1.5%を超えると、もしくはカドミウム濃度が0.5%を超えると、死に至る。

健康な個体のhepatopancreasは黄~茶色だが、高濃度の重金属で汚染されると白からグレーに変色し、形もおかしくなる。

排出はできない。(できると書いている本もある)



イギリスの鉱山跡地や精錬所周辺で、汚染個体が見られるらしい。

日本でも見られるのだろうか?



母体に蓄積した金属が子どもに移行することはない。

土壌の汚染レベルの調査や、バイオレメディエーションに使えるかもしれないと書いてある。

(バイオレメディエーションとは汚染された土や水を生物の力で浄化すること。…地表にしかいないダンゴムシにできる?)




金属の吸収効率

海水はミネラルが豊富。しかし、陸にいるとミネラルが不足しがち。

海にいる等脚類は海水から腹肢を通して金属を吸収するとされるが、

陸にいるダンゴムシなどは、食べ物から効率良く金属を吸収する。



例えば、ダンゴムシの血液は銅を含むが、陸上に銅は極めて少ない。

陸にいるダンゴムシやワラジムシの腸は、銅の吸収効率が高いとされる。

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2017年8月 1日 (火)

ダンゴムシの病気:シヘンチュウ

ダンゴムシには線虫が寄生することがあるらしい。



シヘンチュウの一種Thaumamermis cosgrovei

Poinar, G. O. (1981). Thaumamermis cosgrovei n. gen., n. sp.(Mermithidae: Nematoda) parasitizing terrestrial isopods (Isopoda: Oniscoidea). Systematic Parasitology, 2(4), 261-266.

線虫のシヘンチュウ科の Thaumamermis cosgrovei が、オカダンゴムシやワラジムシに寄生する。

体内の血液中に住み着く。

この Thaumamermis 属は、ニュージーランドのヨコエビからも見つかる。



とても長いので、ダンゴムシの中に納まるために、何回も折れ曲がっている。

リンクに写真が載ってる。

場所は、アメリカのサンディエゴ動物園。

感染率は24%。イリドウイルスの媒介もするかもと書いてある。




シヘンチュウの生活史

おそらくシヘンチュウの卵がついた落ち葉を食べて、もしくは孵化した幼虫が通りかかったダンゴムシの外骨格を食い破って、感染する。

ダンゴムシの体内でダンゴムシを殺さないように幼虫時代を過ごす。

大きくなると中から出て、ダンゴムシは死ぬ。

成虫は土の中に潜って暮らす。土の下3-15cmにいる。









私に寄生した線虫

上と全然関係ない話。

昔、私もギョウチュウに寄生された。両親に最近言われた。

たくさん薬を飲まされたらしい。

家族みんな飲む羽目になったと愚痴られた。



Wikipediaには、

蟯虫は「直接にヒトからヒトに伝播することが可能であるため、現在においても広く寄生が見られる。カイチュウ等は一旦土壌に出てから感染が行なわれるため、糞尿が野外に出る事がない現在においては感染経路が保持できず、感染率が激減しているのとは対照的である。」

と書いてある。

GHQが日本産野菜がカイチュウだらけで驚いたという逸話を聞いたことがある。

今でも、アフリカ等にはカイチュウが多くいるらしい。



アフリカといえば、南スーダンの紛争は、自衛隊が撤退してからぱったり報道されなくなってしまった。

なんだかなー

日本人はスーダン人の命よりも稲田の話題の方が大事のようだ。

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2017年7月18日 (火)

ダンゴムシの病気:リケッチエラ

ダンゴムシやワラジムシと共生(寄生)する生物は数多く知られる。

Bouchon, D., Zimmer, M., & Dittmer, J. (2016). The Terrestrial Isopod Microbiome: An All-in-One Toolbox for Animal–Microbe Interactions of Ecological Relevance. Frontiers in microbiology, 7.

病気を引き起こすものもいれば、消化を助ける良いやつもいる。



このブログで紹介したのは、

ヤドリバエ Rhinophoridae(節足動物)*
ボルバキア Wolbachia pipientis(真正細菌)
イリドウイルス Iridovirus(ウイルス)*
鉤頭虫(扁形動物)

である。



他に、

・シヘンチュウ Thaumamermis cosgrovei (線虫)*
Rhabdochlamydia porcellionisヘパトプラズマ Hepatoplasma crinochetorum などの真正細菌

(細菌類についてはワラジムシ目の体内に生息する共生微生物の多様性と機能で読めます。)

他に、カビ、原生動物が知られる。

リケッチエラ*と呼ばれる真正細菌もダンゴムシに感染する。



*:致死性の病原体



日本では、ボルバキアとイリドウイルス以外は見つかっていないはず。




目に見える外来種だけじゃなく、それにくっつく寄生虫が在来種を駆逐することも有り得る。

逆に、寄生虫から解放された外来種が、急速な拡大を起こすこともある。

外来ダンゴムシが輸入されているので、在来ダンゴムシを守るために、上の生物が日本にいるかいないかぐらいはわかっておきたいところだが、ほとんど情報がない。




リケッチエラ Rickettsiella

リケッチエラ属は、レジオネラや、Q熱を起こすコクシエラに近い細菌。

発疹チフス、ツツガムシ病の病原菌リケッチアではない。




感染が確認された種は、オカダンゴムシ、ハナダカダンゴムシ、ワラジムシ、クマワラジムシ、モリワラジムシ、水生のミズムシなど。

アメリカ、ヨーロッパで見られる。

全ての種がホストになる可能性があり、世界中に分布している可能性があるが、詳しいことは不明。




細菌が付着した落ち葉を食べることで感染すると考えられている。

様々な種に伝染し、土の中でも生き残れる可能性があるが、詳しいことは不明。

感染すると死亡することがある。

感染率の如何によっては、宿主の死亡率に影響を及ぼす可能性があるが、詳しいことは不明。




感染の見分け方

感染末期になると、体内がミルク色になるので、肉眼、光学顕微鏡で見わけがつくようになる。

甲羅の色素が薄い腹側から見ると、ミルキーなものが見える。

リケッチエラが体腔内に溜まり、不透明の白色の塊が外骨格から透けて見えるのである。

この状態になると、死期が近い。



ダンゴムシは、脱皮直前になると体が白くなるので、リケッチエラが見逃される原因となっているのかもしれない。

体がミルク色に変色……見たことあるような、ないような

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2017年1月16日 (月)

ダンゴムシやワラジムシに寄生するワラジムシヤドリバエ

アゲハチョウの幼虫にブランコヤドリバエが寄生するように、

ダンゴムシやワラジムシに寄生するハエがいる。



(他のダンゴムシの寄生虫の話は、ダンゴムシの病気リケッチエラ: だんだんダンゴムシに書いた。)



ワラジムシヤドリバエ科 Rhinophoridae

数ミリから1cmの灰色のハエ。

多くの種類が、幼虫がワラジムシ亜目の体内に寄生する。



http://www.commanster.eu/commanster/Insects/Flies/SuFlies/Rhinomorinia.sarcophagina.html

ワラジムシヤドリバエの一種 Rhinomorinia sarcophagina の成虫の写真が載っている。



地中海やアフリカは、ワラジムシヤドリバエ科の種数が多い。

日本からは極少数の成虫の報告がある?

日本でダンゴムシから出てきたという話はない。

もし、「ダンゴムシ飼っていたらウジ虫が出てきた」という方は、コメント↓下さい。



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宿主となるワラジムシ Porcellio scaber

日本には外来種として侵入しているワラジムシ。

原産地の地中海では、ワラジムシヤドリバエに寄生されることがある。



オカダンゴムシ属も寄生される。

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オカダンゴムシ Armadillidium vulgare

ホンワラジムシ Oniscus asellus や、ホソワラジムシ Porcellionides pruinosus も寄生される。



クマワラジムシ Porcellio laevis やフナムシの一種 Ligia oceanica やヒメワラジムシの一種 Philoscia muscorum からは見つからない。



寄生率は5%を下回り、発生は年一回だけで、寄生によってワラジムシの見た目が変わることはない。

1匹のワラジムシで、普通1匹のハエの幼虫が育つ。




生活史

Pape, T. (1998). 3.53. Family Rhinophoridae. In ‘Contribution to a Manual of Palaearctic Diptera (with special reference to flies of economic importance). Vol. 3. Higher Brachycera’.(Eds L. Papp and B. Darvas.) pp. 679–689. Science Herald, Budapest.
Thompson, W. R. (1934). The tachinid parasites of woodlice. Parasitology, 26(03), 378-448. 以下の図は全てここを参考。

Burgis, H., 1992: Parasitische Hautflugler aus Puparien der in Asseln schmarotzenden Asselfliegen. Teil 3: Detektivische Ermittlungen.



1.卵を持つ母バエは、ワラジムシの匂いがついた落ち葉に卵を産み付ける。(人工下ではワラジムシに関係なく産卵したとも書いてある。)

2.孵化した幼虫は、通りがかるワラジムシを待つ。

3.ワラジムシがやってきたら、抱き付き、外骨格を破って侵入する。

4.幼虫はずっと体内で育つ。ただし、呼吸のための体制をとる。(←?訳ができない)

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ワラジムシヤドリバエの一種 Plesina maculata の幼虫


5.特殊な殻を作り、免疫細胞を避ける。

6.ワラジムシは脱皮の回数が減り、成長が悪くなる。

7.内部を食べ切ったら(ワラジムシは死ぬ)、宿主の体内で蛹化(pupariation、囲蛹殻を形成)する。

 

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ワラジムシヤドリバエの一種 Styloneuria discrepans の囲蛹殻


8.その後、成虫が出てくる。

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食われて殻だけになったワラジムシ。 Plesina maculata の出た後が残る。



ワラジムシヤドリバエには、超寄生するヒメバチの一種 Phygadeuon 属がいる。

 

 

 

 

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2015年10月16日 (金)

東京大学の青いダンゴムシ

ダンゴムシにも病気があり、イリドウイルスに感染することがある。

発症すると、体が青くなる。

体内にウイルスが溜まると、ウイルスの結晶構造が青い光だけを反射するから、と言われる。


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発症したニホンタマワラジムシ Alloniscus balssi

病気が進行すると、見た目が青くなって死ぬ。



ある人から、茨城県のある林にいると聞いた。

実際、探すとすぐ見つかった。

発症すると必ず死ぬ病気だけど、ダンゴムシやワラジムシはいっぱいいる。



イリドウイルスがいるのは、ダンゴムシの密度が極めて高い地域だけ。



おそらく、ほぼすべてのダンゴムシ、ワラジムシ、フナムシが感染すると思われる。

人には感染しないらしい。触っても大丈夫かな。



北海道から沖縄まで、全国で見られる。以下のサイトが詳しかった。

青色ダンゴムシ情報




東京大学の本郷キャンパスの青いオカダンゴムシ

東大で、ダンゴムシを探した。

Photo
1匹だけ青いオカダンゴムシ Armadillidium vulgare がいた。



Photo_2
コシビロダンゴムシまで青くなっていた。



東京都心でもイリドウイルスがいる。

過去のイリドウイルスの報告の中に、新宿や目黒区も入っている。

Karasawa, S., Takatsuka, J., & Kato, J. (2012). Report on iridovirus IIV-31 (Iridoviridae, Iridovirus) infecting terrestrial isopods (Isopoda, Oniscidea) in Japan. Crustaceana, 85(10), 1269-1278.



詳しい話は↓

電車の広告にダンゴムシのイリドウイルスの話があった。: だんだんダンゴムシ

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2014年1月18日 (土)

ボルバキアとダンゴムシのまとめ

ダンゴムシに感染する細菌にボルバキアというのがいる。



ボルバキアは節足動物や線虫に共生する細菌。特に昆虫への感染で有名。

エンドサイトーシス?で細胞内共生をして、栄養(主にアミノ酸?)を横取りして寄生している。

見た目で体に異常が出るわけでもなく、見た目は非感染個体と変わらない。

ただ、一般的に産む卵の数が減るなどすると言われている。

(ボルバキアから必須栄養素のビタミンをもらっているトコジラミがいる。この場合は相利共生。寄生していたボルバキアを利用するように進化したと考えられる。)



1990年少し前からボルバキアが原因のダンゴムシの性別操作がいくつか報告されている。

(論文の中にボルバキアについての記述はないが、リケッチアのようなバクテリアが原因だと匂わせている。90年代半ばからボルバキアと書いてある。1971年にボルバキアがホストの性別を変えるのはわかっている。by Wikipedia)

感染ダンゴムシが高い温度にさらされると、体内のボルバキアが死ぬという現象が面白かった。ここにいろいろ紹介がある。




感染方法

ボルバキアは、母親由来のボルバキアが卵の細胞質に入り、

その卵から生じた子供は保菌者となる。精子には入れない。(vertical transmission)

なので、ボルバキアは全て母系である。



ときどき体液を介して感染する。(horizontal transmission)

ボルバキアは動物の細胞内でしか増殖できないようだが、細胞の外に出てもすぐに死ぬわけではない。

感染ショウジョウバエから取り出した細菌を非感染ハエに注射したら感染が成立する。

蛾に寄生する寄生バチの場合、蛾がボルバキアに感染しているとすると寄生バチの幼虫もそのボルバキアに感染してしまうことがある。

ヨコバイが同じ木の樹液を吸うことで別の種にも感染する、同じカボチャの葉っぱを食べるコナジラミやヨコバイやハムシが、同じボルバキアに感染することがある。



ダンゴムシでの感染は、やはりvertical transmissionである。

horizontal transmissionは、非感染ダンゴムシの脚を切断し、傷口に感染ダンゴムシの血液を垂らすと感染するという例がある。

また、弱った感染ダンゴムシを共食いした非感染ダンゴムシが、ボルバキアに感染した例もある。

vertical transmissionをすると複数系統のボルバキアが、1つのホストの中に一緒に入って遺伝子の組み換えを起こすこともある。

クロバエで最初に見つかり、ダンゴムシでも見つかっている。




性比操作

細胞内共生をする細菌は珍しくはないが、ボルバキアの一部には、ホストの性別を変える能力が進化している。

vertical transmissionで、ホストが産む子供にメスが多ければ多いほど、感染したボルバキアは子孫を多く残していく。


そのため、この4つのいずれかの戦略をとる。

1.感染オスの精子と非感染メスの卵の受精卵が細胞質不和合で不妊になる。
2.単為生殖をできるようにする。
3.遺伝的なオスの機能的にメス化する。
4.メスの体内でオスの卵を殺して、メスの卵を増やす。



ダンゴムシのボルバキアは、3番のダンゴムシの産む子どもをメスに変えてしまう方法をとる。
3番は4つの中では珍しいらしい。

このボルバキアが広まると、メスの割合が異常に高くなり、次世代が残せずホストの集団数は減少する。

単純に考えると、どんどん子どもが残せなくなって完全に絶滅しそうな気もするが、なかなかそれはないらしい。

「働かないアリに意義がある」という本に似たような話が書いてあった。



ホストの数が激減するとなるとボルバキアも困るかもしれない。

わずかにオスをつくるボルバキアが現れそうな気がするが、全てをメスにするボルバキアに負けるので現れないのだろう。

利己的に動くのでしょうがない。



このメスの性比を高くする戦略はボルバキアにとって適応度の上昇をもたらすが、ホストの適応度の低下をもたらす。

なぜなら、ホストにとって普通は性比が1:1が最も有利だからである。(フィッシャーの原理)

ここでボルバキアVSホストの戦いが始まる。



メスを増やして急速にボルバキアが広がると、

ホストにとっては当然ボルバキアの影響を回避してオスをつくる突然変異を起こした個体が有利になる。

サモアのメスアカムラサキは、2001年ごろはボルバキアによりオスが1%だったが、抵抗性のオスが現れ2006年には約40%にまで回復したらしい。

性決定を操作するボルバキアが登場

ボルバキアの感染により性比がメスに偏る

ボルバキアが広がり、ホストがメスばかりになる

ホストの中で、性決定機構を変えることでボルバキアを抑えてオスを多くつくる個体が増える

性比が1:1に戻り、ホストの性比が回復(上に戻ってエンドレス)
みたいなことが起こっていそう。




ボルバキアはホストの性決定機構の進化を促進して可能性があると考えられる。

感染個体と非感染個体、もしくはあるボルバキア株の感染個体と別のボルバキア株の感染個体同士で子どもが残せなくなることがある。

ある2種のヤドリコバチにはそれぞれボルバキアが共生している。通常はその2種が交雑しても子どもはできない。

しかし、抗生物質でボルバキアを殺すとこの2種は子どもを残せるようになった。

ダンゴムシでもボルバキアに感染すると子どもが全員メスになる。
遺伝的にオス(ZZ)であっても、機能的にメスにしてしまう。

そして、このメス化を回避するダンゴムシも当然現れている。

感染ダンゴムシとの交尾を避けるダンゴムシもいる。



ボルバキアは性別だけでなく、ホストの免疫にも影響を与えている。

ボルバキア感染蚊にマラリア原虫を感染させないようにする現象がおきるという。

ボルバキア感染蚊をマラリアがある地域にばらまいて、マラリアを抑える実験が計画されているらしい。

成功したら、すごい。





ダイオウグソクムシのiPhoneケースが発売された。

3000円もしている。

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